1. トップページ
  2. 健康経営コラム
  3. 【まとめ】産業医の探し方 産業医紹介4つの相談先と選び方のポイント

【まとめ】産業医の探し方 産業医紹介4つの相談先と選び方のポイント

エムスリーキャリア健康経営コラム編集部

産業医紹介を中心に健康経営サービスを提供

健康経営に関するお役立ち情報を発信する「健康経営コラム」編集部です。 産業医紹介サービスを提供しているエムスリーキャリア株式会社が運営をしています。 全国32万人以上(約9割)の医師データベースを活用し、あらゆる産業保健課題を解決いたします。 お困りの企業様はお問い合わせボタンよりご相談くださいませ。

産業医は、従業員の心身の健康を守るために欠かせない存在です。事業場の従業員数が50人を超えた企業は、産業医の選任が必要になります。この記事では、産業医の選任が必要になる会社、産業医を選ぶ際の4つの相談先とメリット・デメリット、自社に合った産業医の探し方について解説します。

産業医の選任について分かる記事一覧

産業医の仕事や役割とは?働き方改革で企業が取り組むべきこと
産業医の選任義務、事業場の定義や法定業務・罰則を解説
産業医の探し方 産業医紹介4つの相談先と選び方のポイント<本稿>
産業医選任に掛かるトータル費用は?報酬以外に見落としがちなコストや手間も徹底解説

1. 産業医の選任が必要になる会社とは

産業医の選任が必要になる会社は「常時50人以上の従業員を使用する事業場」です。これは、厚生労働省の「労働安全衛生規則」にて定められています。

ここで言う「従業員」は、派遣社員やパート、アルバイトなど、その場で働く全ての労働者を指します。また、「事業場」とは、企業全体ではなく、支社や営業所のように、組織上独立して業務が行われている単位です。たとえば、本社に50人、支社に50人の従業員がいる場合には、本社と支社にそれぞれ1名ずつの産業医の選任が必要になるということです。
また、事業場の人数が50人を超えた場合、14日以内に産業医を選任しなければなりません。

【関連記事】産業医の設置基準 何人以上から?自社に必要な人数は?

2. 産業医を探す方法、紹介してもらうための4つの相談先

産業医は、人脈や知人の紹介、地域の医師会、定期健康診断を依頼している病院や団体、医師紹介会社といった4つの相談先から探すことができます。次に、それぞれの詳細と各所へ相談するメリット・デメリットについて解説します。

【産業医紹介の4つの相談先】

  • 人脈や知人の紹介
  • 地域の医師会
  • 定期健康診断を依頼している病院や団体
  • 医師紹介会社

2-1. 自社の人脈を活用する

1つ目の方法は、自社の人脈を活用する方法です。
具体的には、経営陣や管理部門の社員を通じて、すでに産業医を選任している企業に相談する方法などが挙げられます。

メリット

自社の人脈を活用することのメリットは、業種の近い会社や懇意の会社に話を聞くことができれば、産業医の選び方について具体的なノウハウを教えてもらえたり、実際に産業医を紹介してくれたりする可能性があることです。

デメリット

人脈を活用することのデメリットは、自社のニーズに合う産業医を紹介してもらえるとは限らない点です。加えて、紹介された産業医が自社と合わないことが判明した場合でも、紹介してくれた人の手前、契約打ち切りをしにくくなる可能性も考えられます。
このように、人脈を使って紹介してもらうと、場合によってはしがらみになる可能性もあるので注意が必要です。

2-2. 地域の医師会に相談

2つ目の方法は、地域の医師会に相談へ相談することです。
医師会は地域のほぼ全ての医師を把握しており、地域に「産業医をやりたい」と考えている医師がいれば紹介してもらえる可能性があります。ただし、全ての医師会が産業医の紹介に応じてくれるわけではないことを覚えておきましょう。

メリット

地域の医師会に相談するメリットは、無料で産業医を紹介してもらえることです。市区町村レベルの地区医師会に依頼すれば、所属医師から産業医を紹介してもらえます。また、近所の先生に来てもらえる安心感もあるでしょう。

デメリット

地域の医師会に相談するデメリットは、医師会はあくまで産業医の紹介をするだけで、職務内容や報酬などの交渉は企業自身が行わなければならないことです。また、自社に合った産業医かどうかの判断も、企業自身で見極める必要があります。企業に産業医の採用経験がある担当者がいない場合、交渉がまとまらず採用までに時間がかかるケースも珍しくありません。
加えて、本社と支社など、複数事業場で産業医を探す場合は、それぞれの地域で探す必要があります。

2-3. 定期健康診断を依頼している病院・健診団体に相談

3つ目の方法は、定期健康診断を依頼している病院や健診団体へ相談することです。
どんな企業でも、従業員に対する定期検診を行っているはずです。定期健康診断を担当してくれている病院に、産業医の紹介を依頼してみましょう。
ただし、定期健康診断を依頼している病院が産業医としての契約に対応していない、または所属医師が産業医資格を保有していないケースもあるので、事前の確認は必要です。

メリット

定期健康診断を依頼している病院に依頼するメリットは、以前から付き合いがあり、会社がよく知っている医師であるため、安心して依頼できることです。また、複数の病院やクリニック、医師の中から最適な産業医を選び抜く工数を省ける点もメリットでしょう。

デメリット

定期健康診断を依頼している病院に依頼するデメリットは、定期健診を依頼している医師が自社の産業医として最適とは限らない点です。産業医と一口に言っても、メンタルヘルスに強い医師、特定業種の経験が豊富な医師など、それぞれ異なる強みを持っています。自社のニーズにあった産業医かどうかを、事前に見極める必要があるでしょう。また、産業医業務にどの程度力を入れているかについても医療機関によって異なります。

2-4. 医師紹介会社に相談する

4つ目の方法は、医師紹介会社に相談する方法です。
社員の採用を斡旋する人材紹介会社があるように、医師を扱う「人材紹介会社」も存在します。中には、マッチングサービス、ネットで完結する紹介サービスといった名称を使用しているところもありますが、サービス内容は人材紹介会社とほぼ同じと考えてよいでしょう。産業医に精通していない企業が自社のニーズに合う医師を選ぶことは難しいため、自社に合った産業医を確実に見つけたい場合は、4つの相談先の中でも特に医師紹介会社の利用がおすすめです。

メリット

医師紹介会社に相談するメリットは、医師紹介会社は他企業の事例をよく知っているほか、多数の医師の中から自社に合った産業医を紹介してくれる点です。産業医について詳しい情報やネットワークを持たない企業が、限られた人材の中から自社に適した産業医を自力で探すのは簡単ではありません。しかし、産業医紹介の実績のある会社であれば、自社の健康問題や安全衛生問題も踏まえ、産業医の雇用形態や報酬なども相談できます。また、業務委託形式で産業医を斡旋する会社の場合、契約後のフォローや企業の産業保健活動のサポートまでしてくれることも多いです。
複数の事業場がある場合でも、1つの医師紹介会社に依頼することで全国の事業場の産業医の紹介をお願いできる点もメリットでしょう。

デメリット

医師紹介会社に相談するデメリットは、紹介手数料などの形で料金が発生する点です。ただし、多くの場合は成功報酬となっており、実際に産業医の採用に至らなかった場合は料金の支払いの必要はありません。
また、医師紹介会社によってサービス内容・料金が様々なので、依頼する会社の選定が大変と感じる人もいるかもしれません。

3. 自社に合った産業医の探し方とは? 選ぶポイント

自社にあった産業医を探すには、以下の4つを確認しましょう。

  • 自社のニーズにマッチしているか
  • 産業医としての経験、コミュニケーション能力は適切か
  • 契約形態、条件面の齟齬がないか
  • 産業医に支払う報酬が自社の予算に収まるか

次に、それぞれどこを確認すべきかについて解説していきます。

自社の目的に合った産業医を選ぶ

自社に合った産業医を探すためには、まず「自分たちが産業医に何を求めているか」を整理する必要があります。企業のニーズとしては、以下のような例が挙げられます。

  • 改善すべき項目は分かっているが、資金や費用の関係ですぐに対応できない。このような状況を理解してくれる医師が良い。
  • 企業イメージが重要なので法令遵守を徹底したい。経験があり知識豊富な医師が良い。
  • 初めての選任なので、コミュニケーションが取りやすく優しい医師が良い。
  • 特殊な業種なので、業種のことをよく知っている医師に依頼したい。

このように、企業が産業医に求める役割は、それぞれ異なります。そのため「良い産業医」の基準は一概には言えません。まずは「自社に必要な産業医の姿」を明確にして、それに合う産業医を見極めることが大切です。

経験やコミュニケーション能力も重視する

「産業医として豊富な経験や高いコミュニケーション能力を持っているか」も大切です。企業によって産業医に求めることはさまざまでも、従業員の健康面の問題を早期に発見・解決する役割は共通しています。そのため、経験値が浅い産業医よりも、経験値が高い産業医を選任できると理想的です。経験値が高い産業医は、課題解決力や対応力に優れている可能性が高いと考えられるため、採用面接時には過去の経験を深掘りして確認するとよいでしょう。また、産業医は訪問日程や業務内容の調整や確認、従業員との面談など、企業側と意思疎通を図る機会が多くあります。そのため、コミュニケーション能力、企業側との調整力に優れている産業医を選ぶとよいでしょう。

契約形態を確認

産業医の契約形態は直接雇用契約、業務委託契約があります。詳細については、以下の関連記事をご確認ください。

【関連記事】【産業医との契約 基礎知識】契約形態や書類手続き 徹底解説

報酬は予算に収まるか?

産業医に支払う報酬額は、嘱託産業医か専属産業医かによって大きく異なります。

また、産業医をどのような方法で探すかによっても、その後のランニングコストに影響があります。例えば、産業医紹介会社を活用して産業医を選任した場合、紹介会社によって最低月額料金が異なってきます。紹介会社を選ぶ際、「安いから」という理由のみで決めてしまうのはリスクが大きいので避けたいところです。毎月支払いが発生するため、安い高いといった価格帯も重要な選定基準の1つになりますが、それよりも「この産業医紹介会社を利用することで産業保健の課題解決ができそうか」「自社に合う産業医を紹介してくれそうか」といった、産業医の質を重視すべきでしょう。

【関連記事】産業医への報酬相場はどのくらい? 嘱託産業医、専属産業医別に解説!

探すコスト、管理するリソースも視野に入れる

前述したポイントを考慮して産業医を探すのは、そう簡単なことではありません。自社の人脈を活用した紹介、地域の医師会からの紹介は無料ですが、産業医の人柄やスキルなど細かい部分までわかりかねる場合があります。また、産業医本人と条件交渉、契約手続きをするため対応が煩雑になりがちです。一方で、医師紹介会社は有料ではありますが、担当者にあらかじめ社風や産業医に求めるスキル、予算感等を伝えることができるため、自社に合う産業医を見つけやすいでしょう。担当者が条件交渉、契約後の日程調整等の管理も行うため、長い目で見ると時間とコストを抑えやすいといえます。

\ 所要時間1分 /見積もりを出してみる

4. 法令を遵守して正しい方法で産業医を選任しよう

現代では、仕事上のストレスで休職や退職に至ってしまう従業員も少なくありません。
厚生労働省が2018年に行った労働安全衛生調査では、メンタルヘルスの不調で1カ月以上休業した労働者がいた企業は6.7%、退職者がいた企業は5.8%にも上ります。

【出典】厚生労働省「平成30年 労働安全衛生調査(実態調査) 事業所調査

従業員の心身の健康を守る産業医の存在によって、従業員の休職や退職を防ぐことができれば、企業にとっても様々なメリットが期待できます。
たとえば、従業員が毎日快適に働けることは、企業の生産性の低下を防ぐことにつながります。また、休職・退職による人材流出を防ぐことで、新たな人材を採用・育成する時間やコストの削減もかないます。つまり、従業員を守ることが、ひいては企業全体の利益にもつながるのです。

事業拡大が確実なら早めに動く

産業医の選任が必要となるのは「常時50人以上の従業員を使用する事業場」です。従業員が50人以上になった場合、その日から14日以内に産業医を選任し、選任届を所轄の労働基準監督署に遅延なく提出することが定められています。

事業拡大を見込んでいる場合や人事異動の予定がある事業場は、すぐに産業医が必要な状況でなくとも、「健康診断先の医療機関は、産業医業務に応じてくれるか」「地域の医師会から産業医の紹介を得られるか」「自社に合った産業医とは、どんな人か」「どんな医師紹介会社があるのか」など、下調べをしておくと安心でしょう。

名義貸し状態にならないように管理する

産業医を選任している企業の中には、産業医を選任しているものの産業医の名前だけを借りている、勤務実態がないといった、いわゆる「名義貸し状態」に陥っているところもあります。産業医の選任が無意味なものにならないよう、企業側から産業医に積極的な関わりを持つ、適宜管理をするなどの対応が求められます。

【関連記事】産業医の「名義貸し」が企業にもたらす3つのリスクとは?

5. 産業医を選任する意味 従業員の健康を守り、企業の発展につながる

従業員50人以上の企業には産業医の選任義務が発生します。しかし、義務だから選任しなければならないと考えるのではなく、従業員の健康を守る一環として産業医を選任すると考えてみてはいかがでしょうか。健康経営の観点からも、従業員が健康に働ける職場は生産性向上、ひいては企業の業績向上につながるとされています。産業医を選任して産業保健に注力することは、従業員そして会社のためになることです。その第一歩として、自社に合う産業医を探すことからはじめてみませんか。

衛生委員会、ストレスチェック等について分かる記事一覧

【衛生委員会】
衛生委員会とは? 産業医の出席義務や役割を説明
安全衛生委員会のネタでお困りの方必見!マンネリを防ぐテーマの選び方

【ストレスチェック、メンタルヘルス対応】
ストレスチェックは義務?高ストレス者に行う面接指導について解説!
精神科産業医が推す、「ランダム面談」「休職者面談」とは?
部署異動後に悩みを相談できる人、できない人の差とは

産業医紹介なら「エムスリーキャリア」におまかせください

医師登録数 32万人

医師会員数No.1!全国の医師の約9割が登録する豊富な医師会員基盤から、貴社に最適な医師をご紹介いたします。

  • 産業医との契約・探し方がわからない
  • 低価格で探したいが、いろんなサービスがあって比較が難しい
  • 業界に精通した産業医を探したい

等、お悩みに合わせてご相談承ります。

  • 5分でわかる!産業医サービス紹介パンフレット

    5分でわかる!産業医サービス紹介パンフレット

    エムスリーキャリアが提供する専属・嘱託・スポット、すべての「産業医サービス」について分かりやすく1冊にまとめたサービス紹介パンフレットです。
    お悩み別にオススメの産業医サービスがひと目でわかります。

  • 「健康経営、なにからやればいい?」がわかる!健康経営サービスマップ

    「健康経営、なにからやればいい?」がわかる!健康経営サービスマップ

    エムスリーキャリア・エムスリーグループが展開する健康経営サービスについてまとめた資料です。
    健康経営の関心の高まりや健康経営を疎かにするリスクについても解説しています。

記事ランキング

記事ランキング

カテゴリー

お電話でのお問い合わせ 03-6895-1762

受付時間:土日祝を除く10:00〜19:00

紹介会社
比較表付き!

5分でわかる!産業医サービス紹介パンフレット

エムスリーキャリアが提供する産業医紹介サービスについて分かりやすく1冊にまとめたパンフレットです。
従業員規模やお悩み別におすすめの産業医サービスがひと目でわかります。

資料請求する
  • お見積り・お問い合わせ

    サービスに関するご質問や相談等がございましたら、ご遠慮なくお気軽にお問い合わせください。

    お問い合わせ
  • お役立ち資料

    人事労務担当者が抑えておくべき産業保健に関するノウハウや、産業医紹介サービスの概要資料を無料でご覧いただけます。

    ダウンロードはこちら
  • サービス説明会

    20分でわかる!M3Careerの産業医サービスオンライン説明会
    日時 平日2回(10:00〜/14:00〜)

    参加申し込みはこちら