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産業医を派遣してもらうにはいくらかかる?費用や報酬相場についてポイント別に解説

エムスリーキャリア健康経営コラム編集部

健康経営に関するお役立ち情報を発信する「健康経営コラム」編集部です。 産業医紹介サービスを提供しているエムスリーキャリア株式会社が運営をしています。 全国31万人以上(約9割)の医師データベースを活用し、あらゆる産業保健課題を解決いたします。 お困りの企業様はお問い合わせボタンよりご相談くださいませ。

ここ数年、働き方改革の影響もあり、従業員の健康を守り働きやすい環境への投資を行う「健康経営」が注目を集めています。「健康経営」は従業員のためになるのはもちろんのこと、生産力の向上や組織の活性化などを通して業績向上や株価向上につながるものと期待されています。この「健康経営」の担い手として重要視されているのが「産業医」です。

産業医は、事業場で働く従業員が50人以上に達した場合、必ず選任しなければなりません。これは労働安全衛生法で定められた企業の義務であり、違反すれば罰則も科されます。昔から契約している産業医の中には「名ばかり産業医」と揶揄されるような、ほぼ名義貸しに近い医師も多かったようですが、最近ではメンタル不調に特化した精神科産業医など、特色のある医師も増えています。

今回は、初めて産業医と契約する企業、また産業医の交代を検討している企業の担当者に向けて、産業医を派遣してもらうにはどのくらいの費用がかかるのかといった報酬相場や産業医の探し方などについて詳しく紹介していきます。

なお、産業医の選任義務が発生する要件である「従業員数50人以上」に派遣社員を含めるか?という問題については、派遣社員は「労働者数50名以上」に含める?産業医の選任のほか、企業の義務とはで案内しています。

産業医の派遣はいつから必要になるのか

中小企業にはまだ馴染みの薄い産業医ですが、実は労働安全衛生法により、従業員が50人以上の事業場では、産業医の選任が義務とされています。働き方改革を含めた社会の要請により従業員の健康を守ることへの注目度が高まっている今、産業医をきちんと選任することがより重要視されるのは間違いありません。

ここでは初めて産業医を選任する事業場の担当者に向けて、そもそも産業医とは何か、嘱託産業医と専属産業医では何が違うのか、法律に基づく産業医の選任基準について説明します。

そもそも産業医とは

産業医は、事業場で主に労働者の健康保持のために職場環境の管理を行い、専門的な立場から指導や助言を行う役割を担う医師のことです。
医師であれば誰でも産業医になれるというわけではなく、産業医になるためには、日本医師会の研修を修了するか、産業医科大学の産業医学基本講座を受講することなど、厚生労働省が定めた要件を備える必要があります。

事業場で働く従業員数が50人以上になると産業医を設置する義務が発生し、これを一般的に「選任義務」と呼びます。
産業医を選任したら主に以下の業務を通じて、従業員の健康管理を実施します。

  • 職場巡視と、作業環境の改善・維持のアドバイス
  • 健康診断結果のチェックと事後措置の実施
  • ストレスチェックの実施と事後措置の実施
  • 従業員の保健指導、健康相談、健康教育など
  • 過重労働者などへの面談、休職/復職判定など
  • 安全衛生委員会への参加

嘱託産業医と専属産業医の違い

嘱託産業医と専属産業医の違いは勤務の時間と契約方式のみで、産業医として行う業務は全く同じです。

  • 嘱託産業医:非常勤で働く産業医です。業務委託契約を結び、月に1~数回、1回当たり1~数時間の訪問をするのが一般的です。産業医として事務所を構え、数十社を掛け持ちしている医師もいます。
  • 専属産業医:従業員として企業に所属している産業医です。勤務日数や時間は企業によりますが、一般的には週3~4日勤務が多いようです。

産業医の選任基準について

常時雇用する従業員数(事業場ごと) 産業医の選任義務
必要な産業医の数 産業医の種類
~49人 なし
50~499人 1人 嘱託産業医でも可
500~999人 1人 嘱託産業医でも可

(ただし、有害業務を扱う場合は専属産業医が必須※)

1000~3000人 1人 専属産業医
3001人~ 2人 専属産業医

※有害業務とは、労働安全衛生規則で定める特定業務

産業医は、常時50人以上の従業員がいる時点で選任義務が発生します。従業員数は事業場ごとで計算します。また、従業員数が1000人以上になると専属産業医を雇用する必要があります。詳しくは上の表をご参照ください。

産業医を選任しなかった場合の罰則について

前述の通り、事業場の従業員数が50人以上になった時点で産業医の選任義務が発生します。ここで言う従業員数には、アルバイト、パートも含みます。産業医の選任が必要にも関わらず14日以内に選任および設置をしていなかった場合は、50万円以下の罰金が発生するという罰則規定が設けられています。

産業選任義務のない50人未満の小規模事業場の場合、産業医の選任は必ずしも必要ではありませんが、従業員の健康を守るために産業医を選任したい場合は、助成金を活用することも可能です。

助成金活用については【最大60万円支給】従業員50人未満の事業場で活用できる「小規模事業場産業医活動助成金」とは?(2021年度版)で詳しく解説しています。

産業医の「派遣」と「紹介」って何が違うの?

産業医の「派遣」と「紹介」が違うのは、一般的なホワイトカラー職などと同様ですが、産業医特有の違いもあります。

産業医の「派遣」は、企業が主に医療機関と直接契約をした上で、その医療機関に所属する産業医を企業に派遣してもらう方法です。それに対し産業医の「紹介」は、医師紹介会社などを通じて産業医を紹介してもらう方法です。

ここからは両者の大きな2つの違いについて詳しく解説します。

「派遣」と「紹介」の違い1:選べる産業医の幅広さ

「派遣」と「紹介」の大きな違いの1つ目は、選べる産業医の幅広さが異なることです。

  • 「派遣」の場合:医療機関が自院の勤務医を企業に訪問させるケースなどがあります。病院の医師は平均25人ほどで、その中で産業医資格を持つ医師は限られます。そのため、企業が自社にマッチした産業医を見つけるには大きな労力を伴う可能性があります。
  • 「紹介」の場合:医師紹介会社や医師会などを介して産業医を選び、訪問してもらいます。紹介元によっては多くの産業医と繋がりがあり、メンタルヘルス対応や外国語対応など、自社にマッチした産業医をワンストップで選べるでしょう。

ちなみに、産業医は例外となっていますが、通常の医療行為を行う医師は、労働者派遣事業で派遣することが禁止されています。

「派遣」と「紹介」の違い2:産業医の契約形態

産業医と企業の契約形態には、大きく分けて以下の3つのパターンがあります。

(1)企業と医師との直接契約
(2)企業と紹介会社との契約(紹介または業務委託)
(3)企業と派遣元(医療機関など)との契約

産業医の「派遣」は、このうち(3)のパターンに当たります。(1)と(2)は産業医を「紹介」してもらう形となり、産業医本人や紹介会社などと契約を結ぶケースがほとんどです。

産業医の「派遣」と「紹介」のメリット・デメリット

産業医の「派遣」と「紹介」の違いを理解いただけたところで、それぞれのメリットとデメリットについても簡単にまとめます。

産業医を「派遣」してもらう場合のメリット・デメリット

<メリット>

  • 派遣元の医療機関などが健康診断を実施している場合は、産業医報酬と健診費用がセットになるなど、費用を抑えられる場合がある

<デメリット>

  • 産業医を派遣している医療機関などが少ない
  • 産業医の交代が困難な場合がある
  • 「メンタルヘルス対応可能」などの特徴で産業医を選ぶことが難しい

産業医の「派遣」にはコスト抑制を期待できるものの、産業医選任を派遣元にお任せする点がデメリットにつながります。どのような産業医が派遣されてくるかは、実際に当日来社するまでわかりません。そして医療機関などに所属する産業医は極めて少ないことがほとんどですので、来社した産業医と自社の社風が合わなくても交代は困難です。派遣元を変更しようとすると、契約内容によっては手続きが煩雑になったり、場合によっては違約金を支払ったりする必要があります。

産業医を「紹介」してもらう場合のメリット・デメリット

<メリット>

  • 登録医師が比較的多いため、条件を指定して探せる(英語対応や精神科医など)
  • 業務委託契約であれば、医師との連絡・交渉・業務管理等を紹介会社に一任できる場合が多い
  • ミスマッチした場合の交代が比較的容易

<デメリット>

  • 紹介会社によっては医師への報酬の他に、紹介手数料がかかる場合がある
  • 産業医の登録数は紹介会社によってばらつきがある
  • 紹介会社によって、付随サービス等に大きな違いがある

産業医を「紹介」してもらう場合は、医師紹介会社を通すことが一般的となっています。自社の目的や要望にマッチした産業医を選びやすいといえます。

例えば、メンタル不調の従業員が多いので精神科を専門とする産業医、生活習慣病の従業員が多いので内科・循環器内科を専門とする産業医、外国人従業員が多いので英語面接の対応ができる産業医など、自社の課題をともに解決できる人材を選択できるケースも少なくありません。

さらに医師紹介会社経由の「紹介」の場合、産業医とのやりとりは紹介会社経由となることがほとんどです。次回訪問の時間調整や業務の依頼など、細かい調整や管理作業は紹介会社に任せることができます。そのため産業医と直接やり取りする手間が少なく、業務の負担を減らすことができます。さらに、万が一紹介された産業医が自社と合わないと感じた場合の交代も容易ですので、気兼ねなく契約することができます。

産業医はどうやって探す?報酬相場は?

ここまで産業医の「派遣」と「紹介」について説明してきましたが、そもそも産業医はどのように探すのが正解なのでしょうか?ここでは一般的な産業医の探し方と、報酬の相場について説明します。

産業医の探し方

産業医の主な探し方は以下の4つです。

  1. 定期健康診断を依頼している病院・健診団体に所属する産業医を派遣してもらう
  2. 地域の医師会に連絡し、所属する産業医を紹介してもらう
  3. 産業医の知人を持つ従業員など自社の人脈の活用する
  4. 産業医を専門に紹介する医師紹介会社に依頼し紹介してもらう

詳しくは産業医への報酬相場はどのくらい? 嘱託産業医、専属産業医別に解説!を参考にしてください。

産業医に支払う報酬相場

産業医に支払う報酬には、ある程度の相場があります。
公益社団法人日本橋医師会では、同会所属の嘱託産業医に基本報酬月額をヒアリングして、嘱託産業医の報酬相場として以下の資料を公表しています。

勤務先企業の労働者数 基本報酬月額
50人未満 75,000円
50~199人 100,000円
200~399人 150,000円
400~599人 200,000円
600~999人 250,000円

上記はあくまでも、東京・日本橋付近の相場です。産業医の報酬は、ある程度の地域差があり、専門分野に詳しい産業医を指定すると、相場よりもやや報酬が高くなる傾向にあります。

ちなみに、この報酬相場は産業医の選任と定期的な訪問に対する報酬です。ストレスチェックの実施者になってもらう場合や、長時間労働やメンタルヘルス不調、休職・復職の面談を依頼する場合は別料金であることも多いので注意が必要です。

産業医の報酬について、詳しくは産業医への報酬相場はどのくらい? 嘱託産業医、専属産業医別に解説!をご参照ください。

選任後は選任報告書の提出を忘れずに

産業医は選任して終わりではありません。選任したら、選任報告書を提出する必要があります。

産業医の選任が完了したら、14日以内に所轄の労働基準監督署に選任報告書を提出します。提出方法には、従来通り紙の書類を提出する方法と、「e-Gov(イーガブ)」から電子申請を行う方法の2通りがあります。

報告関連の義務については、【5分でわかる】産業医の選任と4つの報告義務について企業担当者が知っておくべきことも参考にしてみてください。

まとめ

ここまで、産業医の派遣についての費用や報酬相場、産業医を探す方法などについて解説してきました。

産業医の選任が必要となるのは、「常時50人以上の従業員を使用する事業場」です。従業員の増員はもちろん、人事異動などによって「気づいたら従業員が50人に達していた」という事態は往々にして起こりえます。

すぐに産業医が必要な状況でなくとも、「健康診断先の医療機関は、産業医業務に応じてくれるか」「地域の医師会から産業医の紹介を得られるか」「自社に合った産業医とは、どんな人か」「どんな医師紹介会社があるのか」など、下調べをしておくと安心できるでしょう。

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