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健康経営とは、従業員の健康管理を経営課題として捉え、企業の戦略として取り組むことです。健康経営には、生産性向上や企業のイメージアップなどのメリットが期待でき、健康経営への関心は高まっています。
本記事では、健康経営の始め方や成功につなげるための具体策を解説します。
健康経営を始めるにあたって、闇雲に手をつけては失敗してしまう可能性があります。そのため、しっかりと順序立てて導入していかなければなりません。
健康経営は、主に以下の5つのステップで進めます。
健康経営を始める際の基本的な流れを説明します。
【参考】経済産業省「企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~」
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健康経営に取り組む際には、経営者が健康経営の重要性を認識したうえで、自社の健康経営に対する理念を社内外へ宣言することが重要です。
経営層が主体となって宣言することで、健康経営を推進する担当者だけではなく、従業員が全社共通の意識で健康経営に臨めるようになるからです。
健康経営を宣言するための媒体には、以下のようなものが挙げられます。
健康経営の考えを明文化して、顧客や投資家などさまざまなステークホルダーに自社の取り組みをアピールしましょう。
社内外へ健康経営の取り組みを宣言したら、健康経営を推進する担当部署を設置しましょう。
健康経営担当者は、専任の従業員を採用したり、各部署から推進担当者を選出したりして決定します。また、人事部が中心となって推進する場合もあります。
担当部署を設置しても、推進担当者に健康経営の推進を任せきりにしてはなりません。担当者向けに従業員の健康管理に関する研修を実施するなど、バックアップを図ることが重要です。
健康経営が担当部署だけの取り組みにならないよう、役員会での活動報告や全従業員向けの会議や報告書などで社内全体に共有しましょう。
健康経営に取りかかる際には、以下のような点をチェックし、現在の問題点を洗い出しましょう。
たとえばストレスチェックなどの結果からは、ストレス要因が職場の人間関係にあるのか、業務量にあるのかなどが分かります。
また、従業員の残業時間や休日勤務を確認し、長時間労働になっていないか、業務量は適切かなど見直すことも大切です。
さらに、従業員のミスの頻度や内容なども確認しましょう。従業員のミスが増える原因には、ストレスや疲労が関連している場合があります。そのため、特定の従業員のミスが増えていないか、なぜミスが発生したかを調査することが重要です。
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現在の問題や課題を洗い出したら、問題を解決するための計画を立てます。
計画を作成する際は、健康経営の取り組みに対する効果検証が行えるよう「成果の目標」と「評価の指標」を具体的な数値で設定しましょう。たとえば、以下の具体例のように定量的な指標が望ましいです。
また、健康経営は長期にわたる取り組みになるため、月ごとに計画を立てるのもよいでしょう。
たとえば、12〜1月は宴会などの行事が増えるためアルコールに関する研修を実施する、7〜8月は熱中症予防の研修を実施するなどです。月ごとの計画を立てることで、その時々に適した対策を講じられます。
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計画を立てたら、実行に移していきましょう。取り組みの具体例として以下が挙げられます。
取り組みの実施からある程度経ったら、計画に沿って実行できたか、どのくらい効果が得られたかなどを検証する必要があります。
健康経営は、施策を実行して終わりではありません。PDCAサイクルを回し、従業員が心身ともに健康を維持して働ける職場環境を構築しましょう。
健康経営に取り組むメリットには、以下などが挙げられます。
従業員の健康に問題があると、出勤していても心身の不調が原因で業務をこなせない状態に陥ってしまう可能性が高くなります。そのため、健康経営に取り組み、従業員の健康を保持・増進することで生産性の向上が期待できるでしょう。
さらに、健康経営を推進し取り組みをアピールすれば「従業員を大切にする企業」と良いイメージを抱かれやすく、優秀な人材が集まりやすくなります。
このように、健康経営は従業員の健康を守るだけでなく、企業にとってもメリットが大きいため、多くの企業が推進しています。
健康経営におけるメリットについては以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
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健康経営を推進するには、主に以下のような人員が必要です。
各人員の役割を解説します。
健康経営責任者とは、健康経営に関する最終決定権をもっている統括管理者です。CHO(Chief Health Officer)や、健康管理最高責任者とも呼ばれています。
主に代表取締役や社長などの経営層が、健康経営責任者を担うことが多いです。健康経営のシンボル的な存在として健康経営責任者を設置することで、経営層の積極的なかかわりが期待できます。
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健康経営の推進担当者は、健康経営管理部門や健康経営推進室などで業務にあたる担当者です。
専任で健康経営を担当する場合もありますが、各部署または自社の各拠点から1名選任して兼務する場合もあります。また、統括者として人事や総務役員などが健康経営推進部の室長を担うこともあります。
健康経営推進担当者の主な業務は、以下のとおりです。
健康経営の推進担当者になるための必須資格はありません。
産業医や産業保健師も、健康経営を推進するうえで欠かせない人員です。健康経営における産業医や産業保健師の主な役割には、以下などが挙げられます。
産業医は、常時使用する従業員が50人以上の場合に選任義務が発生します。しかし、選任義務の要件を満たさない場合でも、健康経営のために選任するとよいでしょう。従業員への保健指導などをよりスムーズに実施できるからです。
産業保健師においては、企業に選任義務はありません。しかし、労働安全衛生法では、事業者に対し「労働者の安全と健康を確保しなければならない」と定められています。そのため、産業保健師の設置も検討するとよいでしょう。
【参考】e-GOV法令検索「労働安全衛生法第三条」
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健康経営を成功につなげるための取り組みには、以下などが挙げられます。
それぞれの内容について解説します。
従業員の健康を守るためには、各従業員の事情やライフスタイルに配慮しながら、働きやすい環境をつくることが大切です。
たとえば、以下のような制度の導入を検討するとよいでしょう。
「育児や介護のために出勤時間を遅らせたい」「体調を考慮して自宅で働きたい」など従業員ごとに事情があります。働きやすい環境を整えることで、従業員が無理をして体調を崩すことなく健康に勤務できるようになるでしょう。
健康経営を成功させるには、従業員に対して定期的に健康教育を行うことも重要です。健康経営の取り組みを宣言しても、従業員は具体的に何をしたらよいのか理解できていない場合があるためです。
健康教育の例としては、以下のような取り組みが挙げられます。
健康教育の実施により、従業員が自ら健康のために行動できるようになることが期待できます。
従業員の運動習慣を支援する取り組みも、健康経営を成功につなげるためのポイントです。運動習慣の支援には、以下のようなものがあります。
取り組みにより従業員が運動する機会を多くもつようになれば、生活習慣病の予防につながり、健康を維持しやすくなります。
【参考】厚生労働省「主な生活習慣病 | e-ヘルスネット」
従業員のメンタルヘルス対策は、健康経営の代表的な取り組みの一つです。メンタルヘルス対策は、以下などが挙げられます。
社内外の相談窓口を設置することで、従業員が悩みや不安を気軽に相談できるようになるため、メンタルヘルス不調を防げます。
また、ストレスマネジメント研修を開催し、従業員が自分自身でストレスをコントロールできるようサポートすることも大切です。
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健康経営は、企業全体が共通の意識をもって取り組むことで成功につながります。そのためには、まず経営層が健康経営の理念を社内外へ宣言し、推進担当者が現状の健康課題や問題の改善に向けて取り組むことが重要です。
自社の問題点を洗い出し、課題解決のための施策・計画を検討のうえ、健康経営に取り組んでいきましょう。
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