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健康経営とは?企業が取り入れるメリットや取り組み方法を徹底解説

健康経営コラム編集部

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健康経営に関するお役立ち情報を発信する「健康経営コラム」編集部です。 産業医紹介サービスを提供しているエムスリーキャリア株式会社が運営をしています。 全国30万人以上(約9割)の医師データベースを活用し、あらゆる産業保健課題を解決いたします。 お困りの企業様はお問い合わせボタンよりご相談くださいませ。

「健康経営」という言葉が多くの企業に浸透してきた一方、「どのようにして自社へ取り入れたら良いのか?」と悩む担当者も少なくありません。この記事では、健康経営が推進される背景や取り組むメリット、健康経営の実践ステップなどを詳しく解説します。後半では他社の導入事例もご紹介します。
 
 

健康経営とは

「健康経営」とは、企業で働く人の「健康管理」を経営的な観点でとらえて、戦略的に実践することです。従業員の健康に企業が投資することで、主体的・意欲的に働ける人材による生産性向上、組織活性化、ひいては自社の業績や株価アップなども期待されます。
 
経済産業省は、2014年より「健康経営銘柄」の選定を行っており、2016年には「健康経営優良法人認定制度」が始まっています。積極的に健康経営に取り組んでいる企業を社会に公表し、そのステークホルダーから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として社会的に評価できるようになっています。
 
もう一つ重要な点があります。それは、「健康経営」は政府が推進する日本再興戦略、未来投資戦略上の「国民の健康寿命の延伸」のための取り組みだということです。
 

健康経営が推進される背景

看護師
「健康経営」は何かの思いつきで始まったわけでありません。その背景には切羽詰まった日本国内の事情があります。一体どのような事情なのか、詳しく見ていきましょう。
 

社会保障費削減への対応が急務

高齢化グラフ
【出典】:内閣府 平成30年版高齢社会白書(全体版)
 
これは、この先数十年は「生産年齢」といわれる15歳~64歳の人口が減る中、高齢者の数は変わらず、むしろその割合が増えることを示しています。
 
ここで問題になるのが、社会保障費です。仕事を引退した高齢者は年金を頼りに生活し、体の調子が悪くなると病院にかかります。このように年金と健康保険から支出される金額は、今後うなぎ上りに増えることが確実となっています。
 
一方で、その年金や健康保険の保険料を負担する生産年齢人口は減少しますから国民年金や厚生年金、健康保険料を支払う人口も減少して、社会保障費の財源は必然的に足りなくなります。よく「予想される」と言いますが、合計特殊出生率は1.36(2019年度)で人口が増えていないため、「確実に訪れる未来」なのです。
 
国として、社会保障費の削減が急務であるとお分かりいただけたと思います。こうしたことから、現役のうちから病気を予防し、健康でいられる年数を延ばすためにも、「健康経営」が重要な役割を期待されているのです。
 

企業のリスクマネジメント

 
企業では年に一回の定期健康診断が義務付けられています。しかし、その結果は「自己管理」に任せられるところが多く、自覚症状のない生活習慣病などは放置されることが少なくありませんでした。
 
例えば、高血糖の状態を放置した結果、糖尿病の合併症で労務不能になって退職するケースや、血中脂質の異常値を放置して脳梗塞を発症し、ある朝片方の手が動かないことに気が付いたりする事例が起こっていたのです。また最近では、「うつ状態」となり、長期にわたって休職する人も増えています。
 
これらは自己管理ができていなかったからと片付けられがちです。しかし、糖尿病は長時間労働による外食や運動不足が続いたこと、仕事がひとつの原因になった可能性もあるのではないでしょうか。
 
貴重な戦力が、突然の体調不良、休職や退職で失われる。企業にとっては戦力ダウンになると同時に、新たな人材を採用・育成しなくてはならないため、再度時間とお金を投資しなければなりません。
 
このように従業員の健康が損なわれることで起こるリスクを最小限にとどめるには、企業が積極的に社員の健康にかかわり、リスクを減らす流れを作っておくことが必要でしょう。これも健康経営が推進される理由になります。
 

健康経営を取り入れるメリット

 
健康経営は国が推進する、社会的要請でもあります。そのため、「取り組まざるを得ない」という義務的な受け取り方をされる向きもあるかもしれません。しかし、健康経営は企業にとって相当のメリットももたらすと言われています。具体的に4つのメリットを見ていきましょう。
 

生産性向上

 
健康経営は生産性向上に寄与します。従業員が十分なパフォーマンスを発揮するには、心身ともに健康であることが大切なのは言うまでもありません。何より熱意をもって仕事に取り組むための必要条件です。
 
従業員の心身が健康なら、欠勤などの勤怠不良が少なくなるのはもちろん、社内の雰囲気が良くなり、モチベーションがアップします。また、出社して仕事をしていても、頭痛がする、気分が優れないといったような、わずかなことが能率や安全性に大きく影響するので、企業の健康意識が高まれば早期発見・早期治療につながります。結果的にこれらの好循環がさらなる生産性向上につながっていきます。
 

人材の定着・確保

 
健康経営を続けた結果、社内が元気になってモチベーションが上がると、企業への帰属意識が高まり、退職者が少なくなります。その働きやすさは世間に伝わり、人材が集まりやすくなるという副次的な効果ももたらすでしょう。
 
対外的にみて企業が健康経営を行っているとわかれば、そこはいわゆる「ホワイト企業」だと認識されるので、貴重な若い人財も集まりやすくなると考えられます。
 

企業負担の医療費軽減

 
健康経営によって、従業員が疾病になる頻度が減少します。医療費に関して補助制度を設けている企業などではその出費が抑えられるでしょう。
 

企業イメージの向上

 
健康経営で得られるメリットとして、最も大きいと思われるのが「企業イメージの向上」です。健康経営を実践して、審査を受けされ、名刺に認定マークを印刷できます。“しっかりした企業“という対外的なイメージは、信用力そのもので、お金では買えません。
 
特に「ホワイト500」(経済産業省が認める「健康経営優良法人」内でも規模の大きい企業や団体を対象とした大規模法人部門の通称)に認定されたら、健康経営優良法人の上位500社にあたるため、「従業員の健康を大切にする会社」という太鼓判が押されたと言っても過言ではありません。つまり、労務環境に由来する健康問題を起こすリスクが少ないと世間に知らしめるものとなるのです。
 

健康経営への国や省庁の取り組み補聴器

健康経営は厚生労働省と経済産業省主導で推進されています。とりわけ経済産業省では、健康経営に取り組む法人内でも特に優良な法人をわかるようにし、従業員や取引先、金融機関などから「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる企業」として評価されるような仕組みを設けています。
 

健康経営銘柄とは

 
「健康経営銘柄」とは、健康経営を実践している企業の中から特に優れていると認定された企業を、東京証券取引所の上場企業33業種のなかから、業種ごとに1~数社ずつ選ぶという制度です。この制度が始まってから6回目になる2020年度は、30業種40社が選定されています。
 
健康経営に優れた企業は、中長期的な企業価値の向上を重視する投資家に注目企業として紹介されます。これにより、企業による「健康経営」への取り組みがさらに促進されることを期待しているのです。
 
認定の方法は、次のような観点から評価されます。
 
・「健康経営度調査」(経済産業省実施)の総合評価の順位が上位20%以内であること
 
上記観点を満たした上で、業種内で最も優秀と評価された企業が健康経営銘柄として選ばれます。1業種1社を基本としつつ、2019年度からは健康経営度調査で得られた各業種で最も高い健康経営度の平均よりも、健康経営度が高ければ、1業種から複数の企業が選出されています。
 

健康経営優良法人ホワイト500とは

 
「健康経営優良法人認定制度」とは、健康経営に取り組む企業等を顕彰するため、上場企業を対象にした健康経営銘柄のように認定する制度です。未上場の一般企業、医療法人等の法人を「健康経営優良法人」として認定します。ホワイト500とはその中でも特に優れた大規模法人500社を選定する制度です。これは、経済産業省が作った制度を運用して、日本健康会議が認定しています。
 
健康経営優良法人認定制度は、大規模法人部門と中小規模法人部門があります。
2020年度で4回目となる「健康経営優良法人2020」では、大規模法人部門1476法人、中小規模法人部門4815法人が認定されています。(令和2年8月3日現在)
 
認定方法は、次のような観点から評価されます。
 
・経営理念・方針(経営者の自覚)
 
大きく分けて上記5つの認定要件を、所定の条件でクリアすれば健康経営優良法人として認定されます。これら要件の充足度は点数で評価され、大規模法人の上位500社は「ホワイト500」の称号を得られます。また中小規模法人部門では、審査の結果、上位500社に「ブライト500」という称号が与えられます。
 

日本健康会議

 
日本健康会議とは、少子高齢化が急速に進展する日本で、健康寿命を延伸し、適正な医療を進めるために、民間組織の連携で行政の全面的な支援のもとに実効的な活動を行うことを目的に作られた会議です。
 
実行委員のメンバーには、日本経済団体連合会会長や経済同友会代表幹事をはじめ全国知事会会長、日本医師会会長、読売新聞グループ本社代表取締役会長なども入っています。こうした関係各メンバーが、日本の健康寿命の延伸に向けた活動を連携して行い、日本が抱える少子高齢化による社会的課題にも向き合って、経済の活性化を目指しています。
 

健康経営会議

 
健康経営会議は、2014年に経団連が中心となって発足しました。経済界をリードする企業が健康経営について理解を深め、進んで取り組むことにより、経済界での健康経営促進が期待されています。
この他、健康経営に関係するさまざまな勉強会、取り組み事例の紹介等、経済界での健康経営推進の旗振り役としての役割が大きくなっています。
 

健康経営に関連する助成金

 
健康経営を推進するには、過重労働を軽減するための各種施策や、業務改善、専門的知識を持った人材の確保等が必要となります。特に中小企業にとってはコストがかかるため、推進の手が止まりかねません。この場合、働き方改革に関連した各種の助成金も活用できます。主要なものを3つご紹介します。
 

  • 働き方改革推進支援助成金

2020年4月1日より以前の「時間外労働等改善助成金」から名称変更が行われました。この助成金は、労働時間の縮減や年次有給休暇の促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主に対し、その実施費用の一部を助成するものです。コースは以下の5コースがあります。
 
・労働時間短縮・年休促進支援コース
2020年4月より中小企業に時間外労働の上限規制が適用されたのを受けて、労働時間の短縮や年次有給休暇の促進に向けた環境整備への取り組みを促す助成金です。
 
・勤務間インターバル導入コース
「勤務間インターバル制度」とは、勤務と勤務の間に一定時間以上の休息時間を設けることを言います。2019年4月からこの制度の導入が努力義務化されましたが、この助成金は健康保持や過重労働の防止のための当制度の導入を促すものです。
 
・職場意識改善特例コース
新型コロナウイルス感染症対策で、子ども持つ従業員が休校や休園に伴って休まざるを得ない場合、特別休暇制度の整備など各種環境整備を促進するための助成金です。
 
・団体推進コース
各種事業組合や、協会などの事業団体等が、その傘下企業に対し労働条件の改善のための時間外労働削減、賃金引き上げに向けた取り組みを実施した場合に、その事業団体等に対して助成するものです。
 
・テレワークコース
時間外労働の制限や、労働時間設定の改善や、仕事と生活のバランスをとるために在宅やサテライトオフィスでの就業を進める取り組みを勧めた中小企業主に対して、費用の一部を助成するものです。
 

  • 業務改善助成金

業務改善助成金は、その事業所内で最低の賃金を引き上げるために各種の設備投資を行った場合に行われる助成です。
 
生産性を向上させるための設備投資とは、製造業における生産設備、小売業におけるPOSシステムなどが想定されています。これらの設備購入に要した費用の一部が助成されるのですが、最低賃金を引き上げることができた人数とその上げ幅、および生産性向上の要件の充足などによって5分の4から10分の9までという高率な費用助成が得られます。
 

  • 人材確保等支援助成金

職場の労働環境や、規定の整備、賃金の改善など通じ、人材確保や離職を防止し定着を促進することに対して助成を行うものです。非常に幅広い分野が対象となっており、次の6種類のコースがあります。
 
・雇用管理制度助成コース
新たに雇用管理制度を導入して離職率の低下が図られた事業所に助成を行うものです。雇用管理制度とは、評価・処遇制度、研修制度、健康づくり制度、メンター制度、短時間正社員制度(保育事業主のみ)のことをいいます。
 
・介護福祉機器助成コース
介護事業を行う事業主が、介護福祉機器の導入等を通じて離職率の低下への取り組みを行った場合に助成されます。
 
・介護・保育労働者雇用管理制度助成コース
介護事業主や保育事業主が労働者の職場への定着を促進させるための賃金制度の整備を行った場合に助成されます。
 
・中小企業団体助成コース
事業主団体が、傘下の中小企業者に対して各種労働環境の向上を行う場合に助成されます。雇用環境を改善して雇用を創出することが目的です。
 
・人事評価改善等助成コース
人事制度を整備して生産性向上を図ると同時に、定期的な昇給のみに頼らない賃金制度を設けることを通じて生産性の向上、賃金の向上離職率の低下を図った場合に助成されます。
 
・設備改善等支援コース
各種の生産性向上に資する設備機器を導入した場合に助成されます。
 

健康経営の実践ステップ

運動する夫婦
これまで健康経営のメリットや重要性についてお伝えしてきましたが、実践するにはどうしたらよいのでしょうか。頭ではわかっていても自社に当てはめて具体的に行動に移すとなると、何から手を付けてよいか迷うものです。今回は経済産業省から発表されている『企業の「健康経営」ガイドブック』より、健康経営実践の手順についてまとめてみました。健康経営の実践はPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)というPDCAサイクルの繰り返しが重要となります。これを参考に、実際に健康経営実践に取り組んでみましょう。
 

健康経営理念・方針の決定

 
健康経営はあくまで組織のマネジメントの一つです。実行するには経営の基盤となる考え方があり、それが現場の施策と連携していなくてはなりません。
 
まずは、健康経営の意義を十分に理解し、「従業員の健康増進」が経営課題だと認識することが必要です。そして、その考え方を“理念”としてステークホルダーに理解できるように示すことが重要です。
 
経営理念がすでにあるならば、その中に従業員の健康を増進することを加えて明文化し、「わが社は健康経営に取り組み、従業員の健康増進を図っている」という姿勢をメッセージとして社内外に広めることが第一歩となります。
 

健康経営理念に基づいた組織づくり

 
理念をしっかり社内外にアピールできる準備ができたら、次は健康経営を推進するための担当者を決めて組織づくりをします。担当は専門部署を作ってもよいですし、人事部などで専任、もしくは兼任の担当者をおくのもよいと思います。さらなる効果を求めるなら専門資格を持った担当職員を配置するのも手です。専門資格を持つ職員がいない場合は、外部から講師を招いて研修をする方法もあります。
 
担当者を決めるだけでなく、もう一つ重要なのは、全社的な従業員の行動変容を促す体制づくりです。従業員の意識と行動を変えるには、各部署が一丸となって取り組める仕組みが必要です。そのためには、部署長が参加する会議で健康経営を議題にあげるなど、経営トップから現場まで理念が共有されるような体制づくりが求められます。
 

自社が抱えている課題の洗い出しと目標設定

 
健康経営を実践する組織体制が整ったところで、実際は何をするのか、誰もが納得する形ではっきりと決めなくてはなりません。そのためにはまず、課題の把握が必要です。
 
課題の把握は、現状分析から始めます。具体的には、企業が保持している従業員の健康診断のデータを集計・分析・整理することが考えられます。加えて健康保険組合がある業種や企業なら、その保険者が持っているデータを集計・分析すると、ある種の傾向が見えてくると思います。
 
上記の健康診断結果に各人の労働時間を加え、保険者が持っている治療や処方箋などのデータを合わせれば、長時間労働によって健康を損ねているかどうかや医療費との相関関係も分かってきます。それによって、特定保健指導の必要性がある人の率など、いろいろなことがわかってくるのです。
 
さらにデータを整理すると、部署ごと、業態ごとに課題が浮かび上がる可能性があります。例えば、特定の症状を持つ人がある部署に集中しているのであれば業務内容や職場環境が健康状態を損ねている可能性があると想定でき、改善のための検討ができるようになります。
 
年齢構成も重要な要素になります。例えば、年齢の割にメタボリックシンドロームの人が多い、などの結果が見える場合は、将来の生活習慣病のリスクが高まっていることを意味しています。生活習慣病は治療費などの経済的負担、通院にかかる時間的負担など、生産性を低くする要素が満載です。ここはできるだけ早い時期に対策を取らなくてはならないと気が付くでしょう。
 
一見問題のない人でも、体重、血圧、体脂肪率、心拍数など、データ化できるものは毎日蓄積できるので、これを分析することで、何か異常があればいち早く課題の発見に役立てることができます。
 

施策の実施

 
自社の健康課題が整理できたら、次はそれを解決するための取り組みの目標を立てて実施するステップです。取り組みの成果が評価できるよう、「体調不良による早退の件数を○○件にする」などの明確な評価指標を設け、達成できなかった場合でも後でさらなる改善策が立てられるようにします。
 
目標を立てたら、計画を策定し、実行します。例えば、職場での禁煙ルールを明文化したり、休憩スペースや社員食堂の整備など職場環境をよくしたりというのも立派な改善策の一つです。そのほか、有給休暇の取得促進や長時間労働を抑制する呼びかけなどを実行します。
 
ただし、企業の課題によっては、自社のみの力による達成が困難な場合もあります。例えば「食生活の改善」といった課題は健康保険組合や産業医、保健師、栄養士の指導などに協力をあおいだほうがいいでしょう。また、データ分析などを外部事業者に委託して個人情報を活用する場合は、個人名を記号化するなど、個人情報の取り扱いは十分注意しなければなりません。
 
そして、企業主体で取り組みを進めると同時に、従業員の生活面は個別に気を配る必要があります。健康診断結果からわかる運動不足や栄養の偏り、過度の飲酒などを改善させるには行動変容を促す工夫が必要となるでしょう。例えば、定期的な面接をして保健指導を行う中で、生活習慣の改善を促したり、スポーツイベントなどへの参加を促したりすることが考えられます。
 

取り組みの評価と改善

 
取り組んできたことは、定期的に評価をします。のC「check」に当たる部分で、サイクルをうまく回すにはこの「check」の部分が最も重要です。チェックした結果、計画時点からそもそも的外れだった、あるいは高すぎる目標で無理が生じていた、実施方法そのものの手順が間違っていたなどがわかるかもしれません。あるいは、しっかりやったのに結果が思うように出ていないこともあるでしょう。
 
それらは事実として受け入れ、時には構造的な面、過程の面も改善していきましょう。結果が出て、より良い健康経営になるようこのサイクルを回していくことが重要です。
 

モデルケースとして活用!他企業の取り組み3選

女性医師
ここからは健康経営を実践していくにあたり、そのモデルケースとして業界の異なる3企業を紹介します。他社がどのような健康経営を行っているか、ぜひこの機会に知ってください。
 

事例1:タニタ株式会社

 
タニタ株式会社(以下、タニタ)は、“体重計や温度計といった測定機器”“タニタ食堂”などの健康をテーマとした商品やラインナップを持つ企業です。
タニタでは、2008年からIoTを取り入れた健康管理、2009年には“タニタ健康プログラム”をという健康増進プログラムをスタートさせ、社員の健康の見える化や向上・改善に向けて取り組んできました。現在は、活動量計に社員証の機能を持たせるなどして、自社技術を取り入れながら従業員が楽しめる健康経営を実践しています。
【参考】タニタ株式会社 健康経営への取り組み
 

事例2:株式会社パソナグループ

 
株式会社パソナグループ(以下、パソナ)は、人材派遣のリーディングカンパニーとして、国内・海外に多数の企業を持ちます。
パソナでは、社員が無理なく健康づくりに取り組めるように執務室でできるエクササイズ講習会、短時間セミナーなどを行なっています。それ以外にもスーツで利用できるジム、健康メニューを提供する社員食堂や健康相談窓口など、各種健康サポートが充実しています。
家族と一緒に参加できるファミリーイベントなど、家族も健康と接点を持ちやすいように配慮されているのが特徴です。
【参考】株式会社パソナグループ 健康経営への取り組み
 

事例3:株式会社CRAZY

 
株式会社CRAZY(以下、クレイジー)は“オーダーメイドウェディング”などの事業に取り組む企業です。
クレイジーでは、日本初となる“睡眠報酬制度”を導入しました。この睡眠報酬制度というのは、1週間のうち5日間以上6時間以上の睡眠を確保できた社員に対して、自社内の食堂やカフェで使えるポイントを付与するという取り組みです。
【参考】株式会社CRAZY 日本初!「睡眠報酬制度」を導入〜エアウィーヴ社協力による科学的アプローチ〜
 

健康経営の実践者 健康経営アドバイザーとは

 
近年の健康経営に関する各企業からの関心の高まりを受けて、その普及促進に関わる専門家の育成が必要になってきました。東京商工会議所が政府から「健康経営の知識を体系的に学べるプログラムの開発」を受託して、2016年に誕生したのが「健康経営アドバイザー研修制度」です。ここでは健康経営アドバイザーについて解説していきます。
 

ヒアリングと健康経営の課題抽出

 
健康経営アドバイザーが行うことの第一は、健康経営について説明し、理解していただくことです。そして、健康経営に取り組もうとしている企業にヒアリングを行い、何が課題なのかを分析、抽出することが大事になります。
 
各企業で風土や労働環境が異なるため、それぞれ特有の課題があるでしょう。それらを提示して見せることが健康経営アドバイザーの役割です。
 

課題に対する施策案の提案

 
課題が見つかったら、課題を解決するための施策案を考えます。とはいっても、課題解決を行うのはあくまでもその企業ですから、健康経営実施案の作成を手伝うというスタンスです。そして、健康経営の目的に沿った形で、具体的な数値目標を定めて、その達成に必要な環境を整えるための提案をしていきます。
 

事例や専門機関の紹介

 
健康経営がうまくいった事例を知識として知り、紹介できるのも健康経営アドバイザーです。事例だけでなく、協力してくれる専門機関の紹介も行います。
 
健康経営銘柄や健康経営優良法人に指定された企業の事例は、お手本として参考になりますし、それ以外でも身近に有効な事例があるかもしれません。企業が求め、役立つ情報の提供をするのも健康経営アドバイザーの大事な仕事です。
 

施策実施後のアドバイス

 
計画された施策をやってみて結果がどのようになったかを振り返ることが最も重要です。PDCAは「check」が肝なのです。この「check」を担当企業と一緒にやっていくことも、健康経営アドバイザーの大切な役割です。目標に対して結果がどうだったかを踏まえて、次期の計画を一緒に考えていきます。
 
また実施期間を振り返り、企業自身が気付いた改善点を新たな目標に落とし込んでいく作業も健康経営を継続していくために必要なことと言えるでしょう。
 

健康経営は未来への投資

健康的な男性
健康経営は、従業員等の健康により良い結果を期待して投資をしていく経営手法だと述べました。それは、自社のみならず、よりよい社会、未来を作っていくための社会貢献とも言えます。
 
これから超少子高齢化社会を迎えるにあたり、経済を動かす企業が従業員の健康に投資をして労働人口の減少をできる限り抑えることができれば、持続可能な社会を作っていける可能性が広がります。
 
これをお読みの皆様もぜひ、今から健康経営に取り組まれてはいかがでしょうか。

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