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「従業員エンゲージメント」の向上を通して、生産性アップを目指す動きが活発化しています。
しかし、従業員エンゲージメントを向上させるための行動や方法が分からず、手をこまねいている人事労務担当者は少なくありません。
本記事では従業員エンゲージメントの説明をはじめ、そのメリット等についてお話します。
従業員エンゲージメントの向上を通して、生産性や顧客満足度アップにつなげた企業事例についても紹介しますので、どうぞ最後までご覧ください。
「従業員エンゲージメント」は、企業に対して従業員がどれだけ愛着や信頼を持っているかを示した指標です。
つまり、従業員が企業に対してどれだけ貢献意欲や意識を持つかが分かります。
多くの企業が従業員エンゲージメント向上に取り組む背景には、生産性向上以外にも、従業員の帰属意識向上や離職防止といった理由が挙げられます。
これまでの日本社会は、終身雇用や年功序列などの制度によって、1社に長く勤めることが当たり前とされてきました。組織に身を置く時間も自然と長くなるため、従業員エンゲージメントについては大きな対策を取らなくても自ずと高まる状況だったとも言えます。
しかし現在は、働き方の見直しやライフスタイル変化によって、その当たり前が崩れようとしています。
転職が容易になった社会や働き方の多様化によって、市場における人材の動きが流動的になりつつあるからです。
こうした背景から、「少しでも長く働きたい」と従業員に選んでもらえるためにも、企業は従業員エンゲージメントの向上等の努力をする必要が出てきました。
では、企業が従業員エンゲージメントを高めるメリットはどのような点にあるのでしょうか。簡単にご説明していきます。
などが挙げられます。
経済産業省が主催する経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会では、「従業員エンゲージメントの強化が経営の競争力に直結する」と紹介されています。
この中で、従業員エンゲージメントが高い企業ほど、顧客満足度や生産性、売上といった評価が高いのはもちろん、離職率や業務中の安全、品質上の欠陥といったネガティブな要素が低い傾向にあることが報告されていました(※1)。
また2013 Trends in Global Employee Engagementでは、従業員エンゲージメントが1%増加するだけでも、売上アップに関係するとの説明があります(※2)。
では、どのようにして従業員エンゲージメントを高めていけば良いのでしょうか。ここでは、人事労務担当者としてできる3つの方法についてご紹介します。
まず取り組めることは、「社内コミュニケーションの改善」です。これまで話せていなかった仕事における些細な気づきや考え、制度への疑問や要望などを対話する機会の提供です。
開けたコミュニケーションのスタイルを作ることで、社員たちが発言しやすい環境が作れるようになります。
仕事における対話状況の改善や活性化が促されることで、相互理解が深まることも期待されます。
企業として、「従業員が成長できる機会と仕組みの提供」も重要です。従業員の希望を考慮した人事配置をはじめ、社内公募制度など自身の望む環境でチャレンジできるような仕組み作りも視野に入れましょう。
また、「タレントマネジメント」という従業員が持つスキルや能力を把握することで、適材適所に人材を配置する方法もあります。組織の枠組みを変えるのは人事労務だけでは難しいですが、そのきっかけを社内に与えることはできるはずです。
最後は、人事労務だからこそできる「人事評価を通したサポート」です。
例えば現行制度の見直しや新しい人事制度の導入検討などが挙げられます。
最近ベンチャーやIT企業を中心に増えている評価スタイルが、「360度評価」です。
これは、同僚・部下・他部署で業務上の接点がある人など上司以外からの評価を受けることで、多面的な視点から人材を見ることができます。他にも「コンピテンシー評価制度」「目標管理制度」などもありますので、自社の現状と照らし合わせながら検討することをおすすめします。
従業員それぞれに合わせてた評価体制の構築は難しいですが、その中でも社員の特性や傾向にあった人事評価を模索してみてください。
では、実際に従業員エンゲージメントの向上に成功した企業ではどのような内容が実践されているのでしょうか。ここでは、すでに取り組みを進めている4社について紹介します。
ユニリーバでは、2017年から全社員を対象に「What is your life purpose?(あなたが人生で成し遂げたいことはなんですか?)」テーマとしたキャリアディスカッションを実施しています。
仕事に向き合う意義や目的に対して内省の機会を意図的に増やすことで、自身の特性を理解し、パフォーマンス向上に繋げることが可能です。
自身の意見や影響力を身に付けるきっかけにしてもらう狙いもあります。
スターバックスでは、「Mission&Values」を通して、正社員やアルバイトといった労働形態に関係なく、従業員への向き合い方を提言しています。これにより、会社としての思いや考えを全メンバーに共有できる環境を形成しています。
またスターバックスはマニュアルを持たないサービススタイルでも有名です。
このスタイルが実現できるのは、採用時にその人の価値観や人生観についてもヒアリングすることで、スターバックスとマッチする人材を常に確保できているからだと言われています。
小松製作所は2012年から「価値観やマネジメントについて記載した冊子『コマツウェイ』の配布」「マネージャーがメンバーに気を配るポイントの明確化」など、従業員エンゲージメントの底上げに全社で取り組みました。
結果として従業員エンゲージメント向上に成功したのはもちろん、売上高や営業利益率の増加といった成果が得られた成功事例として企業ブランディング向上という側面でも良い影響が得られました。
ヤマト運輸では、「満足BANK」という社内イントラを運営しています。
これは、良い行動をした社員を記名式で褒める制度です。褒められるとポイントが貯まり、そのポイントに応じて4種類のバッチが進呈されます。
従業員たちは、満足BANKを通して自己の必要性が認知でき、より仕事に精を出すことができます。大企業でありながらも、満足BANKを使うことで社内に褒めの環境が構築されました。
この記事では、生産性向上にも欠かせない、従業員エンゲージメントの向上についてお伝えしました。
日本人の働き方に変化が出ている今だからこそ、企業と従業員の信頼関係が大切になってきます。
まず、自社の従業員の現状を把握するところからは始めていき、生産性や顧客満足度の向上に少しずつ繋げていきましょう。
【引用】
※1 経済産業省 経営競争力強化に向けた人材マネジメント研究会 P.9
※2 2013 Trends in Global Employee Engagement
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