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勤務間インターバルは9~11時間が推奨!制度導入の手順・メリットを紹介

従業員の心身の健康を保つためには、勤務間インターバル制度の導入が効果的です。勤務間インターバル制度の導入は、事業場の努力義務とされています。

しかし、実際にインターバルとして設定すべき休息時間や導入手順が分からず、悩んでいる担当者もいるのではないでしょうか。

本記事では、勤務間インターバル制度導入の際に推奨されている休息時間や、導入によるメリットなどを紹介します。導入手順や活用できる助成金についてもあわせて解説しているので、ぜひ参考にして勤務間インターバル制度をスムーズに導入しましょう。

勤務間インターバル制度の義務と推奨時間

勤務間インターバルの導入は努力義務

勤務間インターバル制度とは、仕事を終えた時刻から次に始業する時刻までの間に、一定時間以上の休息時間(インターバル)を確保する制度です。

勤務間インターバル制度の目的は、従業員の生活リズムを整えたり睡眠時間を確保したりして、健康的に働き続けられるようにするためです。従来は接客業や輸送業など長時間労働が避けられない職場でよく導入されていましたが、近年は職種を問わず導入を検討する企業が増えています。

また、勤務間インターバル制度の導入は、2019年4月から事業場の努力義務とされています。ただし、導入していなくても罰則が科せられることはないため、導入率は大きく増えていないのが現状です。

【参考】厚生労働省「勤務間インターバル制度について」

勤務間インターバルは9〜11時間が推奨(厚労省)

厚生労働省はすべての指定対象事業場において、9時間以上11時間未満、もしくは11時間以上の勤務間インターバルを設けることを推奨しています。

インターバル確保の具体的な方法は、始業時間を遅らせたり、深夜業務や残業の回数を制限したりすることなどが挙げられます。勤務間インターバルが9時間未満の事業場は、業務の効率化や分担などを図り、従業員の勤務時間を短縮できるよう工夫してみましょう。

【参考】厚生労働省「働き方改革推進支援助成金交付要綱」
【関連記事】「運送・物流業の2024年問題」とは? 働き方改革への対応、取り組み事例を紹介

 

勤務間インターバル制度を導入するメリット4つ

勤務間インターバル制度を導入するメリットは、以下の4つです。

  1. 従業員の心身の健康維持を図れる
  2. 離職率の抑制につながる
  3. 企業イメージの向上につながる
  4. QOLの向上が期待できる

それぞれの内容について詳しく説明します。

メリット①従業員の心身の健康維持を図れる

従業員の一定の休息時間を確保することは、長時間労働による健康被害の発生や、過労死などの防止に有効と考えられます。生活リズムが整い仕事とプライベートを区別できるようになれば、従業員のストレス解消や健康保持につながりやすいためです。

また、適正な睡眠時間の確保には、従業員の体力回復や集中力維持による業務効率アップの効果が期待できます。従業員の心身の健康維持は、事業場全体の生産性が向上する要因にもなるでしょう。

メリット②離職率の抑制につながる

勤務間インターバル制度の導入によって労働環境が整備されれば、従業員の満足度向上が期待できます。働きやすい職場になれば、人材の定着率は高まるでしょう。

個々の従業員が長く働き続けるようになれば、採用や育成の手間が省けて広告費・人件費の削減にも効果的です。離職率の低下は、事業場と従業員の双方にとってメリットになります。

メリット③企業イメージの向上につながる

勤務間インターバル制度を導入していることを社外にも公開すれば、「働きやすい事業場である」と認知されやすくなります。企業イメージが向上し、優れた人材の獲得促進につながるでしょう。

優秀な人材を雇用できれば、業務効率の向上にもつながります。さらには、事業場の生産性アップが期待できます。

メリット④QOLの向上が期待できる

勤務間インターバル制度を導入すれば、従業員が一定の時間をプライベートに充てやすくなります。趣味を楽しんだり家族と過ごしたりする時間が確保でき、私生活が充実しやすいでしょう。

従業員のQOL(クオリティーオブライフ)の向上は、リフレッシュやストレス軽減につながります。

 

勤務間インターバル制度の導入手順

勤務間インターバル制度を導入する際は、以下の手順で進めるのが一般的です。

  1. 現行の労働状況を把握する
  2. 制度の種別を選択する
  3. 制度の詳細を決めて就業規則を見直す
  4. 従業員に就業規定を周知する

それぞれの手順について詳しく説明します。

1.現行の労働状況を把握する

まずは従業員の現在の労働状況を把握し、自社に勤務間インターバル制度が導入できるか検討しましょう。制度を導入し適切に運用するためには、現状の事業場の問題点などを正確に把握しておく必要があります。

従業員の労働時間を確認する際は、タイムカードや勤怠管理システムをチェックするほか、サービス残業の有無も調査しましょう。各職場の管理者に聞き取りを行うなどして、抜けや漏れのないよう状況を把握します。

2.制度の種別を選択する

自社で勤務間インターバル制度を導入できると分かったら、制度の種別を選択しましょう。勤務間インターバル制度は、導入前の事業場の状況によって以下の3つに分けられます

種別 内容
新規導入 勤務間インターバル制度をまだ導入していない事業場において、休息時間が9時間以上の勤務間インターバル制度を新規導入する
適用範囲の拡大 休息時間が9時間以上の勤務間インターバル制度をすでに導入しており、対象となる従業員が半数以下の事業場において、対象となる従業員の範囲を拡大して過半数にする
時間延長 休息時間が9時間未満の勤務間インターバル制度を導入している事業場において、休息時間を2時間延長して9時間以上になるようにする

(参考:厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(勤務間インターバル導入コース)」

自社の状況に合わせて、制度の種別を選択しましょう。

3.制度の詳細を決めて就業規則を見直す

勤務間インターバル制度の種別を選んだら、運用方法を決めて就業規則に組み込みます。就業規則に記載すべき具体的な内容は、以下の4点です。

  • 適用時の始業時刻と終業時刻
  • 確保すべき休息時間
  • 制度の対象者
  • 適用期間

制度の詳細を決める際には、休息時間が十分に確保されなかった場合の対応についても決めておくとよいでしょう。また、定期的に制度内容と事業場の実態が合致しているかを見直し、必要であれば規則を修正することも大切です。

制度に曖昧な部分を増やさないために、例外となる規則はなるべく作らないほうがよいでしょう。厚生労働省では「就業規則規定例」を公開しているので、就業規則を改定する際は参考にするのがおすすめです。

4.従業員に就業規定を周知する

勤務間インターバル制度の詳細が決定し就業規則を改定したら、すべての従業員にその内容を周知してルールを浸透させます。

周知の際には、社内の掲示板やメール、社内報などを活用するのが一般的です。社内で使用しているツールで、周知に活用できそうなものをチェックしておきましょう。

勤務間インターバルの導入について紹介しました。制度を適切に活用して、従業員の過重労働対策に務めましょう。

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