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テレワークの普及やSDGsへの関心の高まりにより、ペーパレス化を推進している企業が増加しています。従来は健診結果やストレスチェック結果報告書は紙で保管しなくてはなりませんでしたが、これらについても電子化が推奨されるようになりました。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化することで、健康診断やストレスチェック後の煩雑な事後処理を効率よく行えます。
この記事では、健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化するメリットや、電子化する方法について解説します。
健診結果やストレスチェック結果報告書の電子化が推奨されている背景は以下のとおりです。
それぞれについて詳しく解説します。
健診結果やストレスチェック結果報告書の電子化が推奨されるようになった背景には、法改正により、健診結果の個人票やストレスチェック結果報告書に産業医の押印が不要になった点があります。
以前は、労働安全衛生法により、健康診断個人票や定期健康診断の報告書、ストレスチェック結果報告書には、産業医の捺印または電子署名が必要とされていました。そのため、たとえ電子化しても紙に印刷しなければならず、電子化が難しい状況だったのです。
しかし、2020年8月の法改正により、健康診断個人票や定期健康診断の報告書、ストレスチェック結果報告書などへの産業医の捺印および電子署名が不要になりました。さらに労働基準監督署への報告が電子申請可能になり、個人票のデータ保管も認められました。
法改正により、健診結果やストレスチェック結果報告書の電子化に向けた環境が整備されつつあります。
【参考】厚生労働省「健康診断個人票や定期健康診断結果報告書等について、医師等の押印等が不要となります。」
厚生労働省は、健診を受けた人がいつでも健診結果を閲覧して健康づくりに活かせるように健診結果の電子化を推奨しています。
2021年10月にはマイナンバーカードに健康保険証の機能が加わり、マイナポータルで特定健康診断情報や薬剤情報などを閲覧できるようになりました。
マイナポータルの機能を十分に活用するためにも、厚生労働省は健診結果の電子化を推奨しているのです。
【参考】厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用について~医療機関・薬局で利用可能~(令和4年1月)」
テレワークの普及やSDGsへの関心の高まりを背景に、ペーパレス化を推進している企業が増加しています。
ペーパレス化を推進するために、企業は電子ワークフロー(稟議書・申請書など)や経費精算システムなどを導入しました。しかし、健診結果やストレスチェック報告書については、法律上のハードルや個人情報の取り扱いの観点からなかなか電子化が進みませんでした。
今後はペーパレス化の一環として、健診結果やストレスチェック報告書の電子化に取り組む企業も増えると考えられます。
健診結果やストレスチェック結果報告書の電子化には、以下5つのメリットがあります。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化すると、業務の効率化につながり、人的リソースをより重要な業務に使えます。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化することで、以下の業務を効率化できます。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化すると、結果の印刷や郵送、保管などの業務が必要なくなり、担当者の負担が軽減されます。
また、健診結果やストレスチェック結果の提示が必要になった場合でも、書類を探すことなくスムーズに見つけることが可能です。
健診結果やストレスチェック結果を電子化すれば、速やかに従業員へのフォローアップを行えます。
健診結果やストレスチェック結果報告書を紙媒体で管理していると、結果の回収や整理に時間がかかってしまいます。
健診結果やストレスチェック結果報告書の電子化により、紙と比較してデータの処理スピードが速くなるため、従業員への速やかなフォローアップが可能です。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化すれば、従業員はいつでもPCやスマートフォンから健診結果を確認できるようになり、利便性が向上します。
紙媒体と違い、紛失するリスクもありません。健診やストレスチェックの結果を受けて医療機関を受診する際もスムーズに結果を提出できます。
健診結果やストレスチェック結果の電子化は、コラボヘルスの促進にもつながります。
コラボヘルスとは、事業者と保険者が積極的に連携して明確な役割分担と良好な職場環境のもと、従業員の病気予防や健康づくりを効率的・効果的に進めることです。
厚生労働省は、「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)において、事業者に対して健診結果を保険者に提供することへの協力を求めています。保険者に提供された健診結果は、従業員がマイナポータルにて確認でき、健康管理に役立てられます。
【参考】厚生労働省「事業場における労働者の健康保持増進のための指針」(THP指針)
健康経営とは、従業員の健康管理や健康促進を経営的な視点で考えて戦略的に実践することです。
健康経営を実践するためには、人事部や総務部が中心となって体制を整え、大きな労力と時間をかける必要があります。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化して業務の効率化を図ると、人事労務担当者は健康経営のコア業務に集中して取り組めるようになり、人的リソースを健康経営のコア業務に投入できます。
【関連記事】健康経営とは?企業が取り入れるメリットや取り組み方法・必要性を徹底解説
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化する方法には、内製で行う方法と外部委託する方法があります。それぞれのやり方とメリット・デメリットについて解説します。
内製で行う場合は、紙の健康診断情報やストレスチェックの結果を社内の担当者がエクセルに入力してデータ収集する、もしくは健診機関からCSV形式で健診結果を受け取ってデータの集計をします。
内製で行うメリット・デメリットは以下のとおりです。
メリット | デメリット |
・コストを抑えられる
・個人情報の取り扱いに対するリスクが抑えられる |
・健診結果のデータ入力には専門的な知識が必要
・医療機関によってにフォーマットや診断の判定基準が違う |
内製で行うと、別途システムを導入する必要がないためコストを抑えられます。しかし、一般の事務職では難しいデータ入力になるため、担当者の負担軽減につながらない可能性があります。
外部委託する場合は、健診結果やストレスチェック結果の入力だけを委託する方法と、健康診断やストレスチェックにかかわる業務すべてを委託する方法があります。
外部委託するメリットは、社内のリソースを使わずに済むことです。その分、コア業務に人的リソースを回せます。
一方で委託する内容によっては、費用が高くなってしまうこともあります。
健診結果やストレスチェック結果報告書の電子化を効率よく行うためには、外部委託するのがおすすめです。電子化をスムーズに進めるために以下の3点をチェックして委託先を選びましょう。
それぞれのチェックポイントについて詳しく解説します。
電子化を外部委託する場合は、個人情報を委託先に提供することになるため、健康情報管理規程をきちんと理解している委託先を選びましょう。
プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(ISO27001)の取得の有無はセキュリティレベルの高さを判断する基準になります。また、同じ業界での実績の有無も確認するとよいでしょう。
なお、個人情報保護法により、健診結果やストレスチェックの結果は本人の同意を得ない限り第三者へ提供できないと定められています。事業者は健康情報管理規程を策定し、委託先への情報提供を衛生委員会で了承してもらう必要があります。
【参考】
個人情報保護委員会「雇用管理分野における個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項」
厚生労働省「事業場における労働者の健康情報等の取扱規程を策定するための手引き」
フォーマットや基準値を統一できるかどうかも重要なポイントです。
健診クリニックによって各検査項目の判定基準値や、健診結果のフォーマットに違いがあることも少なくありません。そのため、統一しないまま電子化すると、産業医による就業判定や保健指導を適切に行えません。
健診結果を電子化する際には、適切にフォーマットや基準値を統一する必要があります。
担当者の業務負担を軽減するためには、機能性・利便性が高いサービスを提供する委託先を選びましょう。委託先を選ぶ際に確認したいのは、以下の4点です。
上記に加え、システムの不具合や操作中に不明点が出てきた場合などのサポート体制が整っているかも確認するとよいでしょう。
健診結果やストレスチェック結果報告書は、ただ電子化すればよいわけではありません。電子化したデータを有効に活用できるよう、以下の3点に注意しましょう。
紙面上の結果をスキャンしてPDFとして保存するだけでは、電子化の意味がありません。PDFでは、データの集計・分析ができないからです。
エクセルなどで扱えるCSV形式のデータにするか、CSV形式のデータを扱えるシステムを導入する必要があります。
管理しているデータが災害などの予期せぬ事態で消えてしまわないように、バックアップは必ず取っておきましょう。
自社だけで管理する場合は、サーバーを立ち上げて管理するのがおすすめです。外部委託する場合は、データをバックアップしておけるかどうかを確認します。
健診結果やストレスチェック結果報告書は重要な個人情報なので、きちんとセキュリティ対策を講じなければいけません。アクセス制限やシステム監視体制などの対策を講じましょう。
外部からのハッキングにも対処できるよう、ウイルス対策ソフトも導入しておくと安心です。
健診結果やストレスチェック結果報告書を電子化すれば業務の効率化につながり、担当者はより健康経営のコア業務に集中できるようになります。
また、病院や自治体、従業員はデータを活用しやすくなり、結果を健康づくりに役立てやすくなります。
健診結果やストレスチェック結果の電子化をする際は、専門知識が必要になる部分もあるため、外部委託するのがおすすめです。
健診結果やストレスチェック結果は個人情報に該当するため、個人情報の取り扱いに十分注意しながら電子化を進めましょう。
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