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地方公務員のメンタルヘルスに関する現状とは?対策や利用可能な相談窓口も解説

地方公務員のメンタルヘルス不調者は増加傾向にあり、多くの自治体で対策が求められています。

しかし、職員のメンタルヘルス不調を防止するための具体的な対策が分からず悩んでいる担当者の方もいるのではないでしょうか。

本記事では、地方公務員のメンタルヘルスに関する現状や講じるべき対策、利用可能な相談窓口について解説します。

地方公務員のメンタルヘルスに関する現状

はじめに、地方公務員のメンタルヘルスに関する現状から解説します。

メンタルヘルス不調者は増加傾向にある

地方公務員のメンタルヘルス不調者は多く、近年増加傾向にあります。2022年度の総務省のアンケート調査によると、メンタルヘルス不調による地方公務員の休職者は、10万人あたり2,142人に達しています。10年前の2012年度と比較して、約1.8倍に増加しているのが現状です。

とくに、20~30代の若年層が全年齢の数値を上回っており、20代女性の長期病休者率が最も高くなっています。

【出典】総務省「令和5年度 地方公務員のメンタルヘルス対策の推進に関する研究会」

メンタルヘルスの相談をできる環境が整っていない

地方公務員のメンタルヘルス不調は増加傾向にあるものの、相談できる環境は十分に整っていません。総務省が公表している令和5年度の調査報告によると、メンタルヘルス対策の計画をしていない公的機関は、全体の83.0%を占めています

今後のメンタルヘルス対策の計画の有無については、以下のような結果が出ています。

今後の計画策定 理由
策定の予定あり:33.7% ・不調者や休職者が増えている

・定められた方針がないため、職員によって対応にばらつきがある

・今の取り組みでは不十分と感じている

策定の予定なし:66.3% ・不調者や休職者が少ない

・現在の取り組みで十分機能している・計画を策定しても効果が見込めない

また、メンタルヘルス対策の計画をしたくても、人員や予算の確保が困難で計画が進まないケースも少なくありません。

【参考】総務省「令和5年度 地方公務員のメンタルヘルス対策の推進に関する研究会」

メンタルヘルス不調による地方公務員の休職者の状況

総務省が実施した2020年度の調査によると、メンタルヘルス不調による地方公務員の休職者は、10万人あたり21,676人です。役職別では係員が72.5%と最も多く、ついで係長級が18.4%となっています。

また、部署別では保健福祉・生活文化・土木建築での部署に休職者が多い傾向にあります。

休職に至る主な理由としては、職場の対人関係が60.7%と最も多く、困難事案の業務内容が42.8%と続いています。人間関係のストレスや業務過多が、メンタルヘルスに悪影響を与えていることがうかがえます

【参考】総務省「地方公務員のメンタルヘルス不調による休務者及び対策の状況」

地方公務員のメンタルヘルス不調を防止すための対策

地方公務員のメンタルヘルス不調を防止するための対策には、以下が挙げられます。

  • 職員アンケートの実施
  • 産業医や専門家に相談しやすい環境の整備
  • 業務負担の見直しの実施
  • ストレスチェックの実施

それぞれの対策について解説します。

職員アンケートの実施

職員のメンタルヘルス不調を防ぐには、アンケートの実施が有効です。アンケートを行うことで職員のストレス要因や職場環境の改善点を洗い出せるため、実効性の高い対策を立てやすくなります

アンケートを実施する際は、職員が率直な意見を述べられるよう、匿名性を確保することが重要です。

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産業医や専門家に相談しやすい環境の整備

産業医や専門カウンセラーなど、メンタルヘルスの相談ができる窓口を設置し、職員が相談しやすい環境に整えましょう。

メンタルヘルス不調は、早期に発見し適切な対処をすることで悪化を防げます。そのため、職員がいつでも気軽に相談できる体制にしておくことが重要です。

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業務負担の見直しの実施

業務負担によるメンタルヘルス不調を防ぐために、業務内容や業務量、業務プロセスの見直しをすることも重要です。具体的な対策としては、以下などが挙げられます。

  • 業務を適切に分担し、個人の負担を軽減させる
  • 業務プロセスを見直し、無駄な作業を削減する
  • 業務に優先順位を決め、効率的に取り組めるようにする
  • 定期的な評価を行い、必要に応じて改善策を講じる

業務負担の見直しにより職場環境を改善することは、業務効率の向上にもつながります

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ストレスチェックの実施

ストレスチェックの実施は、職員のメンタルヘルス不調防止に役立ちます。職員のメンタルヘルス不調を早期に察知できるからです。

高ストレス判定だった職員がいる場合は、産業医面談や医療機関の受診を促すなど、適切な対応をすることで、メンタルヘルス不調に陥るのを防げます。

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メンタルヘルスに関する相談ができる公務員向けの相談窓口

人事院は一般職国家公務員向けに、心の悩みに関する相談ができる窓口「こころの健康相談室」を設けています。心の悩みに関する相談ができることを職員に周知しておくとよいでしょう。

相談内容が同僚や上司に知られてしまうのを懸念し、職場内の相談窓口の利用をためらっている職員でも、外部の相談窓口であれば利用しやすいでしょう。

また、相談窓口は職員本人だけでなく、職場の健康管理者も利用可能です。職員のメンタルヘルス対策について専門家に相談できるので、効果的な対策を講じられます。

地方公務員の現状を理解しメンタルヘルス対策を行おう

地方公務員のメンタルヘルス不調者は増えており、とくに若年層の長期休職者の割合が多くなっています。しかし、多くの自治体ではメンタルヘルス対策が不十分で、全体の83.0%が対策の計画を策定していません。

職員のメンタルヘルス不調を防ぐためには、職員アンケートやストレスチェックを実施し、ストレス要因を把握することが重要です。ストレスの原因となる問題点が分かれば、効果的な対策を立てられます。

地方公務員のメンタルヘルスに関する現状を理解し、適切な対策を行いましょう。

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