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「新卒社員にメンタルヘルス不調を抱える人が多くて困っている」「新卒社員も含め全員がストレスを溜め込まずに、いきいきと働ける職場を作りたい」と悩む企業担当者の方もいるでしょう。
新卒社員のメンタルヘルス不調には、さまざまな原因があります。そのため、まずはメンタルヘルス不調の原因を特定し、適切な対処をすることが大切です。
本記事では、新卒社員がメンタルヘルス不調に陥る原因や対策、メンタルヘルス不調を防ぐためのコミュニケーション方法を解説します。
新卒社員がメンタルヘルス不調を抱えやすい原因には、以下が挙げられます。
それぞれの原因について見ていきましょう。
新卒社員がメンタルヘルス不調を抱えやすい原因の一つとして、入社前に思い描いていた仕事に対するイメージと現実とのギャップが大きいことが挙げられます。
実際、入社後に業務に対しての報酬ややりがい、働きやすさなどにギャップを感じる新社会人は少なくありません。
仕事に対して大きなギャップがあると、緊張や疲労、不安やモチベーション低下などネガティブな感情を引き起こしやすいです。
そのため、仕事に対する理想と現実のギャップは、メンタルヘルス不調と大きく関係しているといえます。
学生時代からの環境変化の大きさも、新卒社員がメンタルヘルス不調に陥りやすい原因です。
働き始めて間もないうちは、社会人としてのビジネスマナーが分からず、仕事中の振る舞い方に戸惑いやストレスを感じがちです。自分の時間を自由に作りにくい点も、ストレスにつながるでしょう。
また、求められるスキルや責任、人間関係なども学生時代とは大きく異なり、慣れない環境で分からないことも多いため、心身に負担がかかりやすくなります。
周囲の人たちのもつ能力や経験値を見て、自分が劣っているように感じることもメンタルヘルス不調になりやすい原因です。
とくに自分に自信を持っている学生は、社会人になってから周囲との能力差にショックを受けやすいでしょう。いざ仕事をはじめてみると同期の方が優秀、先輩に追いつける気がしないなどと感じ、精神的なダメージを受けてしまいます。
新卒で入社したものの、長期的な展望がイメージできない不安から、メンタルヘルス不調をきたすケースも考えられます。長期的な展望がイメージできない要因には、以下などが挙げられます。
このような不安が蓄積されていくとストレスが増大し、メンタル不調につながる可能性があります。
職場内で良好な人間関係を構築できていないことがストレスとなり、メンタルヘルス不調をきたす可能性もあります。
独立行政法人 労働政策研究・研修機構が公表している調査によると、入社1年以内の離職者のうち人間関係を理由に辞めた人の割合は男性で26.9%、女性で39.4%でした。
(出典:独立行政法人 労働政策研究・研修機構「若年者の離職状況と離職後のキャリア形成 Ⅱ(第2回若年者の能力開発と職場への定着に関する調査)」
いじめやパワハラなどに限らず、「上司と相性が悪い」「同じ部署に苦手な人がいる」などの理由で人間関係が悪いと感じている可能性があります。とくに新卒社員は学生時代から人間関係ががらりと変わるため、大きなストレスを抱えてしまう場合もあるでしょう。
【関連記事】新入社員が陥りやすいメンタル不調を回避するには?―産業医のメンタルヘルス事件簿vol.7
新卒社員のメンタルヘルス不調に早めに気づけるようにするために、メンタルヘルス不調の判断基準を把握しておきましょう。
メンタルヘルス不調を抱えていると、体調不良が増えたり集中力や判断力が低下したりするなどの変化により、業務に支障をきたし始める傾向にあります。
以下のような状態が従業員に見られる場合は、メンタルヘルス不調に陥っている可能性があるため適切な対応が必要です。
また、頭痛やめまい、不眠など身体的な不調が同時に見られるケースもあります。
ストレスチェックで「高ストレス者」の判定が出ている場合、メンタルヘルス不調を抱えている可能性が高いです。高いストレス状態を放置すると、うつ病などの精神疾患を発症する恐れがあります。
精神疾患は回復までに長い時間を要するケースが多いため、ストレスチェックで高ストレス者と判定された新卒社員には、産業医面談を勧奨するなどの対応が必要です。
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産業医面談を依頼・実施する基準とは?―今さら聞けない産業保健vol.2
新卒社員がメンタルヘルス不調に陥らないようにするために、企業が講ずべき対策について解説します。
新卒社員にメンタルヘルスに関する知識やセルフケア、ストレスマネジメントの方法を身につけてもらうために、研修や教育を実施しましょう。
セルフケアの方法を把握していれば、メンタルヘルス不調に気づいたときに自分で適切な対処ができます。
また、ストレスマネジメント方法を学べば、メンタルヘルス不調の原因となるストレスと上手に付き合えるようになるため、メンタルヘルス不調に陥るのを防げます。
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ストレスチェックを実施し、新卒社員のストレス具合を把握することも重要です。ストレスチェックをすれば従業員自身がストレス度を客観的に理解できるため、ストレスが溜まりすぎないように対処できます。
また、事業者はストレスチェックを通じて新卒社員のストレス状況を把握でき、職場環境の改善に役立てられます。
従業員が50人未満の事業所にはストレスチェックの実施義務はありませんが、新卒社員のメンタルヘルス対策のために積極的に取り入れるとよいでしょう。
【関連記事】ストレスチェックで高ストレス者を選定する際の方法や注意点
新卒社員のコミュニケーションスキル向上のための研修を実施するのも、メンタルヘルス不調を防止する上で重要です。
上司や先輩社員に自分の悩みや意見を伝えられなかったり、スムーズに受け答えできなかったりすることが大きなストレスになるケースも多いからです。
上司や先輩社員とスムーズなコミュニケーションがとれるようにするために、研修では以下のようなコミュニケーションスキルをレクチャーしましょう。
相談しやすい環境作りも新卒社員のメンタルヘルス対策に有効です。相談しやすい環境が整っていれば、仕事に関する悩みや不安などを周囲に打ち明けやすくなるため、ストレス軽減につながります。
全社員参加型のイベントを定期的に開催したり、職場にカフェスペースを設けたりして、従業員が気軽に交流できる場を作るとよいでしょう。
また、メンター制度や定期的なフォローアップ面談の導入なども検討することをおすすめします。
社内だけでなく外部に相談窓口を設けることも、新卒社員に効果的なメンタルヘルス対策の一つです。社内の相談窓口は利用しづらいと感じる従業員がいる可能性があるためです。
たとえば、職場の上司や同僚と信頼関係を構築できていなかったり、業務内容や上司が原因で大きなストレスを抱えていたりする場合、当該社員は社内の相談窓口を利用しない可能性があります。
外部の相談窓口であれば、社内の人間に知られる心配をせずに相談できるため、悩みがあるとき気軽に利用することが期待できます。
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業務内容が本人に合っていない、上司や同僚との関係がどうしても良くならないなどで対処が難しい場合には、部署移動を検討しましょう。
有効な解決策を講じられないまま本人に合わない部署で働かせ続けると、ストレスの増大によりメンタルヘルス不調が悪化する可能性があります。
【関連記事】職場のメンタルヘルスケアとは? 企業が知っておくべき対策を徹底解説
新卒社員がメンタルヘルス不調に陥らないようにするには、新卒社員とのコミュニケーションのとり方にも気を配る必要があります。気をつけたいポイントは、以下のとおりです。
それぞれの内容を解説します。
新卒社員に威圧的な伝え方をしないよう注意しましょう。たとえば、部下が一度教えたことを再度聞いてきたとき、「前にも教えたよね?」と責めるように伝えるのは良くありません。
威圧的な伝え方をすると、新卒社員を委縮させてしまいます。委縮してしまうと、分からないことがあっても聞けなくなったり、上司に対し恐怖心を抱いたりして今後のコミュニケーションに支障をきたす可能性があります。
また、威圧的な言動はハラスメントにもなり得るので注意が必要です。新卒社員の立場も理解し、円滑なコミュニケーションをとるよう心がけましょう。
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新卒社員がミスをした際、叱責しないようにしましょう。新卒社員がメンタルに不調をきたす大きな原因になり得るからです。
現代の学校教育の現場では、学生を叱責しない教育を採用していることも多いため、新卒社員のなかには怒られることに慣れていない人もいるでしょう。そのため、叱責によりメンタルヘルス不調に陥る可能性があります。
新卒社員がミスをした際は叱責せず、今後同じミスをしないための対策を分かりやすく説明しましょう。
また、ミスの指摘だけでなく良い部分も見つけて褒めるなど、モチベーションを上げる声がけも大切です。
普段から新卒社員とコミュニケーションをとることを心がけましょう。
コミュニケーションをこまめにとっていれば、悩みや不安がある際も気軽に相談できる関係を構築できます。
新卒社員が不安や不満、悩みを溜め込まずに吐き出せれば、メンタルヘルス不調の防止につながります。
忙しいときでも仕事の合間や休憩のときに頃合いを見て、少しでもコミュニケーションをとるようにしましょう。
メンタルヘルス不調を抱える従業員には、勤怠不良やケアレスミスの増加、身体的な不調の訴えなどが見られるようになります。
メンタルヘルス不調を放置すると、精神疾患を発症する可能性があります。そのため、気づいた段階で原因に応じた適切な対処を講じましょう。
新卒社員のメンタルヘルス対策には、メンタルヘルスケアに関する研修や教育の実施、外部相談窓口の設置などが効果的です。新卒社員を含めた全従業員がいきいきと働けるようにしましょう。
50人以上の事業場向け
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