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従業員がなんらかの問題を抱えており、業務の続行が難しいと判断されれば、事業場で休職命令を出す場合があります。休職命令は、従業員の心身の健康を守るための一つの手段です。
本記事では、休職命令は誰が出すのかを解説しています。実際に休職命令を出す際の流れや注意点なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
産業医が従業員に対して休職命令を出すことはありません。
産業医は、従業員が健康に就労できるよう支援を行う立場にあります。医学的な観点から休職を提案する場合はあるかもしれませんが、中立の立場として行います。企業・従業員のいずれに対しても休職を強制させる権限はありません。
産業医には「勧告権」が認められており、従業員の健康を確保するために必要だと判断したとき、事業者に対して行使されます。
事業者には勧告を尊重する義務があり、人事異動や労働環境の変更によって勧告に応えることができるのか、あるいは休職命令を下す必要もあるのかなどの判断をすることになります。
【関連記事】産業医の勧告権とは?無視した場合のリスク
【参考】e-GOV法令検索「労働安全衛生法」
休職命令とは、長期間就業できなくなった従業員に対し、事業者が強制的に仕事を休ませる業務命令です。法律で定められているものではないため、手続きなどを就業規則で規定しておく必要があります。
労働基準法では、事業場で休職についての決まりがある場合、労働契約を結ぶ時点でその内容を従業員に明示するよう定めています。
従業員との間でトラブルになることを避けるためにも、休職の決まりがある事業場では必ず周知を徹底しましょう。
【参考】厚生労働省「労働基準法の基礎知識」
従業員が休職する主な理由として、以下の8つが挙げられます。
私傷病(療養)休職 | 業務の内容に関係ない病気やケガによる休職(メンタルヘルス不調も含まれる) |
事故欠勤休職
自己都合休職 |
私傷病以外の私的な事故やその他の原因による休職 |
出向休職 | 他の関係会社への出向による休職 |
刑事休職 | 刑事事件に関与し、起訴・勾留されたことによる休職 |
公職休職 | 公職に就くことで必要となる休職 |
組合専従休職 | 労働組合の業務に専念するため必要となる休職 |
特別休職 | その他特別な理由があると事業者に認められた場合の休職 |
なかでも休職理由として増加傾向にあるのが、メンタルヘルス不調です。
令和4年の厚生労働省の労働安全衛生調査によると、メンタルヘルス不調が理由で連続1ヶ月以上の休職や退職をした従業員がいた事業場の割合は13.3%との結果が出ています。
令和3年の調査では10.1%だったため、メンタルヘルス不調の休職・退職者は年々増えているのが現状です。
【参考】厚生労働省「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」
メンタルヘルス不調は、第三者から見ると休職・復職の基準が分かりにくいものです。トラブルを避けるためにも、休職命令の出し方を事業場で細かく決めておくとよいでしょう。
メンタルヘルス不調の従業員に休職命令を出すときは、以下の流れで進めるのが一般的です。
それぞれの内容について詳しく説明します。
事業場では、ストレスチェックなどを通じてメンタルヘルス不調者がいることを把握する必要があります。
ストレスチェックをはじめとする従業員の心理的負担を把握するための検査は、従業員が50名以上の事業場で実施義務があります(50名未満の事業場では努力義務)。
事業場では、メンタルヘルス不調者を早期に発見できる取り組みを常時行うことが大切です。
【参考】e-GOV法令検索「労働安全衛生法 第六十六条の十」
メンタルヘルス不調者がいることが分かったら、本人だけでなく職場の上司や同僚にも聞き取りなどを行い、正確に状況を把握しましょう。
原因調査の際は、担当業務や業務量が当該従業員の適性に合っているか、残業時間は適当であるかなども振り返る必要があります。業務フローや従業員の勤怠情報をチェックし、偏っている部分がないか見直しましょう。
メンタルヘルス不調者の担当業務などを見直しても症状の改善が見られなかったり、本人の希望があったりする場合は、産業医面談や医療機関の受診を勧めましょう。
事業場に産業医がいない場合は、地域の産業保健センターや労災病院勤労者メンタルヘルスセンターなど、社外の相談窓口を利用する方法もあります。
事業者は、産業医のアドバイス・主治医の診断結果・本人の希望などをもとに、休職命令が必要かどうかを判断しましょう。
休職の必要性が確認できれば、事業者から従業員に休職命令を出します。従業員が勤務を続けたいと思っている場合は、トラブルになる可能性もあるため、提案という形で話を持ち掛けるのも一つの方法です。
実際に従業員が休職する際の具体的な手続きは、以下が代表的です。
事業場の休職制度については事前に従業員によく説明し、休職中のルールを共有しておきましょう。
【関連記事】従業員から休職の申し出があったら何をする?産業医の判断の必要性も解説
実際に従業員が休職してから復職するまでは、以下の4ステップで進めるのが一般的です。
事業者には、休職中の従業員へ定期的に連絡をとったり、復職しやすいようフォローしたりすることが求められます。休職から復職までの対応は就業規則で細かく定め、担当者や窓口などを決めておくとよいでしょう。
休職から復職までの具体的な内容については、以下の記事でも詳しく解説しているため、参考にしてください。
【関連記事】
従業員の再休職を防ぐために!適切な復職支援について詳しく解説
産業医の復職面談の目的、従業員が職場復帰できる基準とは?
従業員がメンタルヘルス不調や身体疾患で休職したら―産業医による面談を活用しよう!
【参考】厚生労働省「心の健康問題により休業した従業員の職場復帰支援の手引き」
事業場で休職命令を出す際は、以下の3点に注意しましょう。
休職に際しては、従業員との間にできるだけ認識のずれがない状態にする努力が必要です。注意点についての詳細は以下の記事でも解説しているので、参考にしてください。
【関連記事】従業員から休職の申し出があったら何をする?産業医の判断の必要性も解説
従業員への休職命令は、事業者が出します。産業医面談では休職命令を出せませんが、産業医には勧告権が認められています。特定の従業員に対し、産業医が休職の必要性を認めた場合、事業者はすみやかに対応しましょう。
従業員の休職理由としては、メンタルヘルス不調が増加傾向にあります。メンタルヘルス不調者への対応は慎重に行う必要があるため、休職命令を出すときの流れや注意点などを把握し、適切に対応しましょう。
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