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産業医の資格「産業衛生専門医」とは?役割や産業医との違いを解説

「産業衛生専門医」という、産業保健・安全衛生などにおける専門医をご存知でしょうか。

従業員50人以上の事業場をもつ企業は産業医を選任しなければいけませんが、せっかくなら良い産業医に来てほしいと考えることでしょう。そして産業医を調べるうちに「産業衛生専門医」という資格にたどりつくかもしれません。

本稿では専門医の一つである産業衛生専門医について解説します。産業医を選任する際の参考にしてください。

産業衛生専門医とは何か

産業衛生専門医は、名称は産業医と似ていますが取得する資格の難易度や役割などが異なります。どのような資格かを産業医との違いもまじえてご紹介します。

産業衛生専門医とはどのような資格か

産業衛生専門医とは、「産業保健分野の業務を担当するのに必要な知識、技術、問題解決能力が一定水準にある」と日本産業衛生学会が認定した医師です。そのため、日本産業衛生学会認定専門医とも呼ばれます。

産業衛生専門医になるためには、医師として5年間の研修を受けたあと、産業医実務研修を終え、試験に合格しなければいけません。試験を受けるには、論文発表などもする必要があり、実務に加えて学術・知識の面でも一定以上のレベルが求められます。

受験するために一定のプロセスを踏まなくてはならず、産業衛生専門医は難易度の高い資格を取得した“産業保健の専門家”と言えるでしょう。

【参考】
日本産業衛生学会 専門医制度委員会「産業衛生専門医資格の認定試験」
労働安全衛生法「第十三条 第二項

産業衛生専門医と産業医の違い

産業衛生専門医と産業医の大きな違いは、有する資格と役割にあります。

まず産業医は、企業で従業員の健康管理や労働環境を専門的立場から指導・助言をする役割を持った医師です。法律で定められた資格であり、医師が50時間以上の座学・実務研修を受けるなどして取得できます。

全国に最低でも70,000人の産業医がいます(2022年10月時点)。

産業衛生専門医は、産業保健における高度な専門家と言えます。学会が認定している資格であり、5年以上の研修や論文発表などを経て取得できます。また、産業衛生専門医は全員、産業医でもあります。
全国に692人(指導医525名、専門医167名。2023年2月時点)と、非常に少ないのが現状です。

【関連記事】産業医とは? 企業での役割、仕事内容、病院の医師との違いを解説

【参考】
日本産業衛生学会「2022年度事業報告」
厚生労働省「医師会が関わる産業保健の現状」

産業衛生専門医の役割とは

産業衛生専門医は、産業保健の専門知識や技術をもち、人々の命・健康を守る役割を担います社会医学系の研修プログラムを受けることから、公衆衛生のプロとも呼べる存在です。その活躍の場は、企業での従業員に対する健康維持や安全管理をはじめ、国や各地域での環境行政・感染症対策・国際保健などが考えられます。

企業で産業医として産業衛生専門医を選任する場合、業務内容の枠組みは産業医と大きく変わりありません。しかし、要所要所でその経験や専門性を活かしたアプローチが期待できるでしょう。

産業衛生専門医の必要性とは

産業衛生専門医の必要性について、2018年に新しくなった専門医制度の理念などをまじえてご説明します。

従業員からの信頼を獲得

産業衛生専門医は、専門的知識・技術を得て学会から認められている専門医です。産業衛生専門医であることは、専門性の高さを分かりやすく示し、従業員からの信頼を得られやすいと言えるでしょう。

たとえば健康に問題がある従業員に産業医面談を案内した場合、産業医面談に意味はあるのかと不信に感じる人も一定数存在します。そうならないためにも、自社の産業医がどのような人物で、どのような知識・技術を有するのかなど、分かりやすく信頼性を示すことは重要です。

専門家として産業保健対応を幅広くリード

産業衛生専門医は医師免許をもつ医療従事者であると同時に、保健医療政策・感染症や災害など有事の健康危機・リスク管理にも携わります。専門家として、対個人にとどまらず組織全体の産業保健を牽引できる存在が産業衛生専門医なのです。

たとえば感染症が流行したときの対策や、従業員に対し社会制度にもとづいた健康指導を行いたいときなどに、その専門性が活かされます。他にも有害な化学物質などを扱う業務のリスクについて講和を依頼したいときなど、より専門的な知識のある産業衛生専門医から話を聞けるのはメリットと言えるでしょう。

【参考】社会医学系専門医協会「社会医学系の専門医制度に向けて-概要説明(2016年3月)」

産業衛生専門医の探し方

産業衛生専門医を探す際には、いくつかのルートが考えられます。
たとえば、地域の医師会や人材紹介会社に紹介依頼するという方法があります。詳しくは以下の記事や資料をご覧ください。

【関連記事】
【まとめ】産業医の探し方 紹介を受けられる5つの相談先と選び方のポイント

【お役立ち資料】
現状維持で大丈夫?! 産業医の探し方で見直すべきポイント

ただし、産業衛生専門医は約700名(2023年2月時点)と非常に少ないことに留意する必要があります。なるべく条件を絞らずに探すとともに、専門医以外の産業医も視野に入れておくことが大切です。

【参考】日本産業衛生学会「2022年度事業報告」

産業衛生専門医と連携して健康経営を行おう

産業衛生専門医とは、健康と安全を守る産業保健のスペシャリストです。医師の観点の他、社会制度や自然災害・感染症も含めた健康危機管理の観点から企業と従業員を支えてくれることが期待できます。

企業には従業員の体と心の健康が欠かせません。大切な従業員を守るために重要な役割を担う産業医を選任する際に、産業衛生専門医であるかどうかを条件の1つに加えてはいかがでしょうか。

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