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「職場のメンタルヘルス対策、何から始めればいいんだろう?」
そうお悩みではありませんか?従業員のメンタルヘルス不調は、休職や離職につながるだけでなく、職場の生産性低下を招く重大な課題です。
しかし、何をどこまでやればいいのか、義務化されたストレスチェック制度以外にどのような対策があるのか、具体的な方法がわからず、お困りの人事労務担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、企業のメンタルヘルス対策について、法律上の義務から、具体的な対策事例、産業医の活用方法まで、人事労務担当者が知りたい情報を解説します。この記事を読めば、自社の状況に合わせた効果的なメンタルヘルス対策を講じることができ、従業員が安心して働ける職場づくりにつながります。
目次
企業のメンタルヘルス対策は、単なる福利厚生ではなく、従業員の健康と企業の持続的成長を守るための重要な経営戦略です。近年、労働者のメンタルヘルス不調は社会全体の課題となっており、企業には法的な義務と社会的責任が求められています。
日本の法律では、労働者の安全と健康を守るために、企業に対してさまざまな義務が課せられています。その中でも、特に重要なのが以下の点です。
安全配慮義務: 労働契約法第5条では、使用者は労働者が安全に、かつ健康に働くことができるよう、必要な配慮をしなければならないと定めています。これには、過重労働やハラスメントなど、メンタルヘルスを損なうリスクへの配慮も含まれます。この義務を怠り、従業員がメンタルヘルス不調に陥った場合、企業は安全配慮義務違反として損害賠償責任を負う可能性があります。
ストレスチェック制度の義務化: 労働安全衛生法第66条の10に基づき、常時50人以上の労働者を使用する事業場では、年に1回、ストレスチェックを実施することが義務付けられています。この制度は、高ストレス状態にある従業員を早期に発見し、医師による面接指導につなげることを目的としています。ストレスチェック制度の実施を怠った場合、事業場には50万円以下の罰金が科される可能性があります。
労働者の心の健康の保持増進のための指針: 厚生労働省が策定したこの指針は、メンタルヘルス対策を計画的かつ継続的に実施するための基本的な枠組みを示しています。企業は、この指針に沿って、メンタルヘルスケアを組織的に推進することが求められます。
これらの法的義務を遵守することは、コンプライアンス経営の基本であり、企業が社会的な責任を果たす上で不可欠です。
メンタルヘルス対策は、コストではなく未来への投資です。積極的な対策を行うことで、以下のような経営的なメリットが期待できます。
厚生労働省が推奨する「4つのメンタルヘルスケア」は、企業が組織的にメンタルヘルス対策を進めるための基本的な考え方です。それぞれのケアについて、具体的な取り組み例を見ていきましょう。この4つのケアは、相互に連携し、網羅的に対策を講じることで最大の効果を発揮します。
セルフケアとは、従業員自身がストレスに気づき、自ら対処することです。企業は、従業員がセルフケアを行うための知識や機会を提供することが求められます。
【具体的な取り組み例】:
ラインケアとは、管理監督者(上司)が部下のメンタルヘルス不調を早期に発見し、適切な対応を行うことです。部下に最も身近な存在である管理職が、メンタルヘルスに関する知識を持つことが非常に重要です。
【具体的な取り組み例】:
産業医や保健師、心理相談員といった専門スタッフが、メンタルヘルス不調を抱える従業員への専門的な支援を行います。
【具体的な取り組み例】:
自社のリソースだけでは対応しきれない場合に、外部の専門機関やサービスを利用することです。これにより、従業員の多様なニーズに応えることができます。
【具体的な取り組み例】:
効果的なメンタルヘルス対策を実践するためには、計画的なアプローチが不可欠です。ここでは、具体的な手順をご紹介します。
まずは社内のメンタルヘルスに関する現状を把握します。ストレスチェックの結果分析や従業員アンケートなどを通じて、具体的な課題を特定します。その上で、自社の方針を明確にし、経営層の理解を得ることが重要です。経営層がメンタルヘルス対策の重要性を認識することで、組織全体で一体となった取り組みが可能になります。
産業医は、企業のメンタルヘルス対策において中心的な役割を担います。定期的な情報共有や相談を通じて、専門的な視点からアドバイスをもらいましょう。産業医をパートナーとして捉え、積極的に関わってもらうことが、対策成功の鍵です。
メンタルヘルス対策は一度きりのものではなく、継続的な取り組みが必要です。定期的に効果を評価し、従業員の声を取り入れながら改善を繰り返しましょう。
メンタルヘルスケアを実施している企業の取り組みを紹介します。従業員のメンタルヘルス対策を進めるうえで参考にしてください。
コンサルティング事業を展開するアビームコンサルティング株式会社では、2021年からレジリエンスによるセルフケアの推進や、ラインケアの浸透のために取り組みを実施しています。
同社では、ストレスへ適切に対処して早期に回復できるよう、2021年からレジリエンス力の強化を促しています。
実施している具体的な取り組みは、研修を開催しストレスに遭遇するケースを想定したグループワークです。
また、ラインケアでは、「所属部署」と「プロジェクト」の2つのラインがあることを考慮し、独自のマニュアルを作成して役割や対応を明確にしています。
その他に、従業員一人に対し役職者一人をカウンセラーにつけて相談しやすい体制を構築している点も特徴です。
【参考】厚生労働省「アビームコンサルティング株式会社(東京都中央区)」
【関連記事】レジリエンスとは?求められる背景や高める方法を解説
大阪ガス株式会社は、国内外でエネルギー事業を展開している企業です。同社では、事業場内産業保健スタッフなどによるケアをうまく活用し、従業員のメンタルヘルスケアを実施しています。
たとえば、高ストレス者の従業員に対し、面接指導の申出がない場合でも、担当の医療職の方が個別に電話・メールでフォローする取り組みを行っています。
また、外部の医療機関と連携して精神科の医師を企業に招き、従業員が受診できる体制を設けているのも特徴です。
他にも、ストレスチェックの集団分析を活かし、現場と意見交換をして対策を検討しています。意見交換を踏まえ、人事総務の部長や集団分析担当医療職などを交えて取り組み内容を決定し、職場環境の改善を行っています。
【参考】厚生労働省「大阪ガス株式会社(大阪府大阪市)」
大手住宅メーカーの北海道セキスイハイム株式会社では、健康推進室を新設し、保健師と産業医が連携して労働衛生の取り組みや管理機能を強化しています。
保健師がすべての拠点を巡回し、従業員と顔を合わせて話す機会を設けることで、相談しやすい環境を整えています。
また、社内イントラネットにオンラインやメールで相談可能なサイトを設け、同サイト内でメンタルヘルス研修を開催。
メンタルヘルス研修では、研修で覚えた知識を実践できるよう、自社で起こり得る事例を創作してグループワークを実施し、メンタルヘルス不調の理解を広めています。
【参考】厚生労働省「北海道セキスイハイム株式会社(北海道札幌市)」
製菓製造・販売する有楽製菓株式会社では、職場復帰支援の取り組みの見直しを実施しています。
同社では、メンタルヘルス不調から休業にいたった従業員が、職場復帰後に再休業してしまうことが課題でした。この課題を解消するために、以下の取り組みを行いました。
職場復帰についての主治医の意見を職場に反映しやすいよう、フォーマットを用意して記載してもらうよう工夫しています。たとえば、時間短縮や作業転換が必要かなど、配慮すべき内容に関わる項目を設けました。
数値の実績はまだないですが、職場復帰者の受け入れ体制を構築できたことや、職場での理解が進んでいることが実感できている状態です。
【参考】厚生労働省「有楽製菓株式会社 豊橋夢工場(愛知県豊橋市)」
金属素形材事業や産業機械事業を展開する株式会社北川鉄工所では、メンタルヘルス対策を強化しています。実施している取り組みは、ストレスチェックの実施や集団分析の結果を活用した職場環境改善です。
職場環境の改善は、管理職が集団分析結果を踏まえたアクションプランシートを作成し、具体的な取り組みを計画することから始めました。
加えて、より効果的に取り組めるよう、ストレスチェック実施者が講師となり、集団分析結果の見方や職場環境の改善方法についての講義も実施しています。
また、ストレスチェックの集団分析の結果、自社だけで解決することが難しい事案は、外部の専門機関へ改善を相談し対策を行っています。
【参考】厚生労働省「株式会社北川鉄工所(広島県府中市)」
企業のメンタルヘルス対策は、法律で定められた義務であり、従業員と企業の双方にとって大きなメリットをもたらします。
「4つのケア」を柱に、自社の状況に合わせた対策を講じることが大切です。特に、産業医との連携は、専門的な知見に基づいた質の高い対策を実現するために不可欠です。
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