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従来のうつ病とは異なるとされる新型うつが、現代人、特に若い世代に増えているといわれています。新型うつについて、より詳しい内容を知っていないと、その対処に困惑してしまうケースも多いです。場合によっては、「自分はうつ病です」と従業員が言うケースもあるでしょう。
この記事では、新型うつとはどのようなものなのか、さらに、会社ではどのように対処していくべきなのかなどを説明していきます。
新型うつとは、現代型うつや、未熟型うつとも呼ばれる、非定型うつグループの一つです。
従来の定型うつと決定的に違うところは、学会では病気として認定されていない点です。
新型うつは、人によって症状がさまざまであるというところに特徴があります。
そのため、周囲からは、怠けているように見えたり、ただのさぼりに見えてしまったりすることも多いです。
しかし、本人としては、何らかの体調不良を感じているため、出勤が難しくなってしまうこともしばしばあります。結果的に、会社としては対応が難しくなり、持て余した状態になってしまうというケースも多く、社会問題として取り上げられることも少なくありません。
新型うつへの対応は、確実なものはないといえます。企業によって状況や方針を考えながら、個別に対処しておくことが重要だといえるでしょう。次に、新型うつにみられる症状を解説していきます。
従来のうつ病と新型うつの違いをより詳しく見てみると、まず挙げられるのが、食事や睡眠などの三大欲求に関する違いです。
従来のうつ病の症状としては、食欲不振、不眠などの睡眠障害がよく見られます。対して、新型うつは食欲が増加することによる過食や、過多な睡眠欲求による過眠が特徴としてあらわれるといわれています。
次に挙げられる違いは、感情の変化が激しい点です。
従来のうつ病は、意欲の低下や抑うつ気分、自分を責めるといった、ネガティブ要素の強い感情を持つことが多いとされています。自分を犠牲にして働き続け、ストレスや疲労を感じながらも無理をした結果うつ症状が出てしまい、さらに自分を責めるといった悪循環が生まれてしまうケースも少なくありません。
一方で新型うつとされるものは、周囲の言動に敏感になり、多罰的で衝動的な言動や思想から、感情のアップダウンが激しくなるといわれています。
これは、従来のうつ病と比較して、社会的役割などに対する愛着心が少ないためとされています。
自己愛が強く自分中心に考えているため、自分の思想から外れたものに対して強い反発心を覚えるのが、新型うつの一つの特徴といえるでしょう。
もう一つの特徴が、薬による治療の効果に違いがある点です。
これまでのうつ病においては、投薬と休養で症状が改善することが多いとされています。前述の通り、従来のうつ病に関しては、仕事をし過ぎたことによる過多なストレスや疲労が原因であることが多いです。
そのため、休養を取ることで心と体のバランスを図り、うつの症状を改善していきます。この場合、気を付けておきたいのは、責任感が強いがゆえに、部署などを変えるような環境の改善だけではかえって自分を責めることが多くなってしまうということです。
しっかりと休養と投薬で症状を改善できるような体制を作っていくことが大切だといえるでしょう。
対して新型うつは、投薬での改善効果は少ないとされています。
これは、社会の規範などに対して強いストレスを感じているためと考えられます。それゆえに新型うつの場合、従来のうつ病に反して、環境や場を変えることで症状が改善されることが多いといえるでしょう。
ただし、異動先や転職先でうまくいかないと「自分を異動させた人事の判断ミスだ」と感じ、同じことを繰り返してしまう可能性があるため、対応には注意が必要です。
もう一点、新型うつの特徴して挙げられるのが、症状が緩和されるタイミングです。
従来のうつ病では、しっかりとした治療を行わないと、興味や喜びが少なくなることから、何をしても疲労感や倦怠感といった症状が続いてしまうことも多いです。
一方で、新型うつの場合、周囲の正当性を認めず、自己愛から自分を守りたいという精神が働くため、嫌な状況から離れることで症状が緩和されるケースがあります。そのため、たとえば、会社には行けないけれど、自分が行きたいと思った場所には行けるといったような状況も生まれます。
やりたくないことはできないけれど、自分の好きなことは元気にできるといったこともあるでしょう。自己中心的な思想が強いことから、自分に見合ったやりがいを感じているときは、その症状が出ないとされています。
新型うつになりやすい人の特徴としては、前述の通り、自己愛が強いことがまず挙げられるでしょう。
会社や周囲の事情よりも、自分の都合を重視して行動したり発言したりするタイプが多いといえます。
また、依存心や自尊心が強く、傷つきやすいことも特徴として挙げられます。仕事に対する責任感は薄く、いかに自分にとってやりがいがあるかを重要視することが多いです。
また、自分が周囲に何をしたかはあまり気にせず、周囲が自分に何をしてくれるかを大事にする傾向があるため、思ったことをはっきり口にするなども、特徴として見られます。
この新型うつになりやすい性格の人を、従来の定型的うつになりやすい人をメランコリー親和型と呼ぶのに対して、ディスチミア親和型と呼びます。
これまでに挙げたように、二つのタイプにはさまざまな違いがあるといえるでしょう。
企業としては、しっかりとタイプを見極めて対処することを心掛けなければなりません。
タイプを見極めて対処するとひと口にいっても、前述の通り、新型うつの場合は投薬や休養ではあまり効果がないとされています。
新型うつの場合、自己愛が強いタイプが多いので、しっかりと見合った対処をしないと、早期退職されてしまったり、会社に不利益が生じてしまったりしかねません。
新型うつと思われる社員がいる場合、会社ではどのような対応をすべきかを説明していきます。
メンタル不調を訴える社員がいたら、まず産業医に相談することを考えておきましょう。
メンタル不調の原因としては、新型うつはもちろん、定型うつ病や適応障害、発達障害など、さまざまなケースが考えられます。産業医の知識を交えつつ、当人にとって何が必要かを見極めることが大切です。
ただし、気を付けなければならないのは、あくまで産業医は診察や診断はできないということです。セカンドオピニオン的な立ち位置として意見を求めつつ、医師に相談しながら対処法を考えていくのが最善だといえるでしょう。
基本的には新型うつの場合、嫌だと感じることから逃げたいという思想がベースとなっています。
そのため、甘えやわがままと決めつけて説教をしてしまうと、自分を否定されたと感じて悪化する可能性もなくはないです。責任感の強要は逆効果だといえます。
当人のありのままを受け入れる姿勢でまずは接し、何に対してどう思っているのかを詳しく知ることが対処の第一歩です。そのうえで、信頼関係を築いていくことが重要だといえるでしょう。
その原因として、子どもの頃の人格形成に問題があることも多いのが、新型うつです。
幼少期の褒められた経験が少ないがゆえ、また、叱られた経験が少ないがゆえに精神的な成長のタイミングを逃してしまったパターンが多いといえるでしょう。
企業がここまで面倒を見るべきではないという意見もありますが、叱咤激励よりも肯定的な言葉が有効だといえます。ただし、甘やかすような表現は企業にとって不利益を生じさせる可能性があります。あくまで人材育成という考え方のもと、スモールステップのように小さい成功体験を重ねていくことが大切。
感情の起伏が激しいことも、新型うつの特徴として挙げられます。
結果的に周囲の社員が振り回されてしまうことも少なくないでしょう。
新型うつと思われる社員ばかりに目をとられ、ほかの社員をないがしろにしてしまうことは、最も最悪なケースといって過言ではありません。
ほかの社員とのバランスを考慮することが大切です。そのためには、一定の心理的距離を保ち、人事労務管理の枠組みで対応するといったある程度強固な姿勢も意識しておきましょう。
前述の通り、新型うつの場合、環境を変えることで症状が急激に改善されるケースもあります。
自分にとって利益があると感じた環境においては、本来のポテンシャルを発揮してくれるでしょう。ただし、定型うつの場合には逆効果になるため注意が必要です。
まずは慎重に症状を確認してから、対処することを心掛けましょう。
大前提として、うつ病疑いのある従業員には慎重に対応することが求められます。
まずは、頭ごなしに否定せず、本人の話をしっかりと聞きましょう。無理に励ましたり、「あなたのやる気の問題だ」と決めつけたり一般論を押し付けて説教するのは逆効果です。
職場で以下の症状が見られる場合、うつ病の可能性があるため産業医と連携して対応していきましょう。
新型うつは、病気ではないとされています。とはいえ、素人判断で対応を進めてしまうと、企業にとって不利益が生じてしまうことも少なくありません。
間違った対応をとることで、ほかの社員に悪影響を及ぼしたり、会社としての信頼を失ってしまったりすることもあるでしょう。
的確な対処をすることが大切です。
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