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過重労働による健康被害や過労死をなくそうという社会的な要請を受け、産業医にはメンタルヘルス対策などへの貢献がますます求められています。 この流れは企業のみならず、病院といった医療機関でも同様です。これまで医療法人代表者などが自らの事業場で産業医を兼務するケースがありましたが、利益相反の観点から、2017年4月より禁止となりました。本記事では、産業医の役割や職務内容、要件を解説した上で、医療機関における院長の産業医兼任が禁止となった背景や、産業医を選任する方法について紹介していきます。
産業医とは、事業場において労働者が健康で快適な作業環境のもと仕事が行えるよう、専門的立場から指導・助言を行う医師のことです。2022年10月時点の認定産業医有効者数は70,208人で、そのうち産業医として活動している人は48.7%となっており、産業医として活動している医師は半分も満たないのが現状です。
産業医には、医師免許を取得していることに加え、産業保健の理念や労働衛生に関する専門的知識に精通していることが求められます。 労働安全衛生法第13条第1項において、事業者にはその規模に応じて以下の人数の産業医を選任し、労働者の健康管理などを実施させることが義務付けられています。
また、常時 1,000 人以上の労働者を使用する事業場と、労働安全衛生規則が指定する有害業務に常時 500人以上の労働者を従事させる事業場については、その事業場に専属の産業医を選任する必要があります。 産業医の選任義務が生じる企業の規模やそのタイミング、専属産業医と嘱託産業医の違いについては以下の記事を参考にしてください。
【関連記事】 「うちの会社も必要!?」産業医選任の5大ポイント
専属産業医を選任する義務がある企業とは?従業員1,000人以上になる企業は要注意!
嘱託産業医とは?専属産業医との違いや報酬相場、選び方のポイント
産業医の役割は、労働者の健康障害の予防および心身の健康を保持増進することです。産業医は医師ではありますが、病院の医師のように診察や治療を行うわけではありません。この「臨床をしない」というのが、病院の医師と産業医との大きな違いです。
企業と従業員の間に立ち、従業員の心身の健康について専門的な立場から助言・指導を行うことが産業医の任務です。 産業医の職務は、労働安全衛生規則第14条第1項にて以下のように定められています。
上記に加えて、労働者の実態と現状を知り、より適切な健康管理等を行うために、月に1回の職場巡視や衛生委員会への参加、長時間労働者に関する情報の把握も必要とされています。 産業医の具体的な職務内容については、以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】産業医とは? 企業での役割、仕事内容、病院の医師との違いを解説
出典:独立行政法人 労働者健康安全機構「中小企業事業者の為に産業医ができること」
産業医は、医師免許を持っていれば誰でもなれるわけではありません。労働者の健康管理を担うための専門知識を持っている人のみが、産業医として働く資格を得られるのです。産業医の要件は、労働安全衛生規則第14条第2項において、以下のように定められています。
出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法」 e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
2017年4月1日の労働安全衛生規則の改正により、上で紹介した産業医になるための要件に該当していても、産業医の兼任が禁止されるケースが出てくるようになりました。それは、法人代表者が医師であり、自らの事業場で産業医を兼務するケースです。
先述の法改正により、法人代表者が自社の産業医を兼務すると、労働者の健康管理より事業の利益を重視するリスクがあると想定されるため、これが禁止となりました。 特に医療機関などでは、これまでは院長が産業医を兼務しているケースも珍しくなかったでしょう。このような場合、法改正により、新たに産業医を選任する必要が出てきます
医療機関が産業医を選任する際には、大きく2つのルートがあります。1つは、自院から代表者などではない医師を選任すること、そしてもう1つは外部からの招聘です。前者については、自院から産業医を選出することになりますが、その人が代表者でなければ法的問題はありません。 しかし、産業医の任務である「第三者の立場で事業者と労働者の間に立ち、物事を公平に判断する」ということを踏まえると、外部から招聘する方がよいでしょう。
従業員が職場の悩みを産業医に相談したいと考えたとき、自らが働く医療機関との間にしがらみがない産業医の方が従業員も相談しやすいからです。また、産業医側の視点に立っても、労働者からの相談を受けて事業場への指摘や提案が必要な際に、対象が自分の勤務先だとやりにくく感じる可能性もあります。
なお、専属産業医の場合、契約した事業場の専属として業務にあたるのが基本ですが、産業医の兼務が禁じられているわけではありません。「専属産業医となる事業場」と「兼務する事業場」が、地理的に密接な関係にあるなど、一定の条件を満たしていれば兼務が認められます。ただし、兼務する事業場では、非専属の産業医(=嘱託産業医)にしかなれないため注意が必要です。
出典:厚生労働省「事業場の皆様へ 確認しましょう! 産業医を選任していますか?代表者が産業医を兼務していませんか?」
これまで代表者が産業医を兼務していた医療機関などでは、「新たに産業医を選任する必要があるけれど、どう探せば良いかわからない」と悩むこともあるかもしれません。産業医を探すには、以下のような方法が挙げられます。
産業医を探す際に、気になるポイントのひとつがコストでしょう。
「地域医師会に依頼する場合と比べると、医師紹介会社はコストが掛かる」と考える人も多いかもしれません。確かに、民間企業からの紹介方式だと、年収に対して一定割合の手数料が掛かります。初期費用の掛からない成功報酬型とはいえ、入職月に費用支出が集中してしまいます。
この点がネックとなっている場合、実はもうひとつの手があります。それは、企業と契約した嘱託産業医に来てもらう業務委託方式です。月額定額制で、一回あたりの費用を紹介よりも抑えられます。 業務委託方式には、紹介方式のような直接雇用でないからこそのメリットもあります。例えば、委託先の企業が産業医との交渉や、訪問日時・業務内容の調整などを担ってくれる場合もあります。業務委託方式なら、万一、現任者が辞めざるを得なくなった場合に、委託先が次の産業医を探してくれるので後任も見つかりやすいです。 なお、産業医を紹介してもらうための相談先としてお悩みの方は、以下の記事も参考にしてください。
【関連記事】【まとめ】産業医の探し方 紹介を受けられる5つの相談先と選び方のポイント
2017年の法改正により、法人の代表者が産業医を兼任することが禁止されました。また、第三者の立場で事業者と労働者の間に立つ必要のある産業医の役割を考えると、医療機関における産業医は外部からの招聘が最適と言えるでしょう。 産業医を探すには、いくつかの方法があります。コストについてお悩みの場合は、嘱託産業医に依頼する業務委託方式なども検討してみてください。エムスリーキャリアでも紹介方式と業務委託方式(または顧問形式)を提供しています。この方法では、コストを抑えつつ、委託先の企業に産業医との交渉、訪問日時、業務内容の調整などを委任できます。産業医の選任について課題を感じている場合は、お気軽にご相談ください。
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