#php if (is_mobile()) : ?> #php else : ?> #php endif; ?>
前回、健康経営の取り組み3STEPに簡単に触れましたが、今回は具体的に紹介します。
STEP1として、毎年夏に開示される健康経営度調査を見るとよいでしょう。調査票には、多くの項目(2022年度版で71)があり、また関係する部署の多さに驚かれる事だと思います。さらに、各設問項目には「●●データを取得していますか?」等の質問もあり、取り組めていないことも多々実感するはずです。健康経営には多くの効果がありますので、初期の準備はコストに該当しますが、 できる限り早く、少しずつでも制度の整備に取り組んでいくのがよいでしょう。
次に、STEP2として、経済産業省が2020年に開示した「健康投資管理会計ガイドライン」をご覧いただき、健康投資とリターンについて推計してみましょう。また戦略マップを描くことにより自社の取り組みが、従業員レベルなのか、または組織制度レベルなのか、それとも会社の目標とする経営理念等に該当するのか、そしてそれらはどのようにつながっている、または関係しているのかを考えることができます。ポイントは、多少強引になったとしても、まずは下記の通り推計してみることをおすすめします。これによって、多くの効果を得ていることが金額で「見える化」され、経営陣含め担当者も実感できるはずだからです。
STEP3として、経営資源を活用し、また健康経営の対象を自社の従業員のみにするのではなく、従業員の家族、関係会社、地域、社会へと拡大していくことが考えられます。健康経営は、持続可能な開発目標であるSDGsの「3.すべての人に健康と福祉を」と「8.働きがいも経済成長も」にも該当します。また、ESG投資のSocial(社会)にも該当し、投資先に選ばれる環境になっています。さらに健康経営は、早ければ2024年にISO(国際標準)化が予定されています。まずは取り組みを始め、取り組んでいる企業はさらに進化させ、このムーブメントに乗っていくことが肝要です。
その際、取り組みで重要なのは、戦略広報(商品サービスの開発時期から広報的要素をそれらに組み込むことで宣伝告知効果を高め、顧客の認知や期待、そして信頼を最大化させる新たなPR戦略)という考え方が必要です。具体的には、健康経営に取り組むメンバーや座組に広報IR部が入り、取り組みを常に外部に発信していくことです。ホームページに載せることや、社員を大事にしている会社であると外部に伝えることをプレスリリースし、メディアから取材をうけ媒体に紹介されることです。メディアから紹介されることにより、家族や知り合い、また地域から高い評判をえることができます。これをブーメラン効果(企業→メディア→家族・地域→従業員)と呼んでいます。これには更に良い効果として従業員からロイヤリティーが高まる効果も期待できます。イメージは下記となります。
※筆者作成
いかがでしたでしょうか?自社の取り組みが健康経営度調査に留まっているようであれば、ぜひ次のSTEPに進めてください。次回は最終回として、今後の健康経営トレンド予測をご紹介します。どうぞ最後までお付き合いください。
最新刊が5/18に発売されます。Amazonで予約が始まりましたので、よかったら下記よりお申し込みください。お待ちしています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4496056003/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_YMGM5AGM6SV7F2VKDVHK
※「健康経営®」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です。
【参考文献】
健康経営度調査票について
健康投資管理会計ガイドライン
SDGsとは? JAPAN SDGs Action Platform
ESG投資
健康経営に関する海外展開と国際標準化の狙い
井上岳久:広報・PRの実務 組織づくり、計画立案から戦略実行まで,日本能率協会マネジメントセンター ,2017
従業員数が50名を超えた事業場には、労働法令によって4つの義務が課せられています。 「そろそろ従業員が50名を超えそうだけど何から手をつければいいんだろう」「労基署から勧告を受けてしまった」。従業員規模の拡大に伴い、企業の人事労務担当者はそんな悩みを抱えている人も少なくありません。 本資料ではそのようなケースにおいて人事労務担当者が知っておくべき健康労務上の義務と押さえるべきポイントについて詳しく解説していきます。
50人以上の事業場向け
1,000人以上の事業場向け
※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け