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従業員から「適応障害」の診断書を提出され、どのように対応すべきかお悩みではありませんか?
休職から復職までのプロセスを適切に進めることは、ご本人の回復だけでなく、会社の法的リスクを回避するためにも重要です。
この記事では、人事労務担当者が知っておくべき適応障害の基礎知識から、休職・復職時の具体的な対応手順、そして再発防止策までを網羅的に解説します。
目次
従業員への適切な対応を行うためには、まず適応障害について正しく理解することが第一歩です。適応障害は、特定のストレスが原因で心身に不調が生じ、日常生活や社会生活に支障をきたす状態を指します。原因となるストレスが明確であり、そのストレス要因から離れると症状が改善する傾向がある点が特徴です。
適応障害の原因は、個人を取り巻く環境における様々なストレス要因によって引き起こされます。職場においては、以下のようなものが挙げられます。
症状は精神面、身体面、行動面の全てに現れる可能性があります。
これらのサインを見逃さず、早期に対応することが重要です。
企業は、労働契約法第5条に基づき、従業員がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする「安全配慮義務」を負っています。職場環境が原因で従業員が適応障害を発症した場合、この義務違反を問われ、損害賠償責任を負うリスクがあります。そのため、会社としては従業員のメンタルヘルス不調に対して、組織的かつ適切な対応を行うことが法的な観点からも求められます。
従業員から適応障害の診断書が提出された場合、企業は感情的にならず、定められた手順に沿って冷静に対応を進める必要があります。ここでは、休職から復職までの具体的なフローを解説します。
従業員から適応障害と診断された旨の申し出があった場合、まずは医師の診断書を提出してもらいます。診断書には、病名、必要な療養期間、就業上の配慮事項などが記載されていますので、その内容を正確に把握します。
診断書を受理したら、就業規則の休職規定に基づき、休職手続きを進めます。休職期間中の給与の有無、社会保険料の取り扱い、連絡方法などを本人に丁寧に説明し、不安を取り除くことが大切です。
また、休職中の経済的な支えとなる傷病手当金制度についても案内し、申請手続きをサポートしましょう。
休職は療養に専念するための期間であり、過度な連絡は本人の負担になります。一方で、完全に連絡を絶つと孤立感を深めさせてしまう可能性もあります。そのため、事前に本人と連絡頻度(例:2週間に1回など)や方法(メール、電話など)について合意しておくことが望ましいです。
連絡内容は、事務的な連絡事項に加え、体調を気遣う言葉を添えるなど、温かみのあるコミュニケーションを心がけましょう。
また、本人の同意を得た上で、産業医や直属の上司とも状況を共有し、社内のサポート体制を整えておくことが、スムーズな復職支援につながります。
休職期間が満了に近づき、本人から復職の意向が示されたら、復職の可否を判断するプロセスに入ります。この判断は、企業が主体となって慎重に行う必要があります。
復職が決定したら、再発を防ぎ、スムーズな職場復帰を支援するための「復職支援プラン」を作成します。このプランは、本人、上司、人事担当者、産業医が連携して策定します。
プランには、以下のような内容を盛り込むことが一般的です。
一人の従業員の復職支援にとどまらず、組織全体として適応障害を含むメンタルヘルス不調を予防する取り組みを進めることが、企業の持続的な成長には不可欠です。
適応障害の原因が職場環境にある場合は、その要因を特定し、改善策を講じる必要があります。
産業医による職場巡視や、ストレスチェックの集団分析結果を活用することで、専門的かつ客観的な視点から課題を抽出し、効果的な改善策につなげることができます。
従業員がストレスや悩みを早期に相談できる環境は、メンタルヘルス不調の重症化を防ぐ上で非常に重要です。
部下の変化に最も早く気づける立場にいるのは、直属の上司です。管理職が部下のメンタルヘルスケア(ラインケア)に関する正しい知識を持つことは、不調者の早期発見・早期対応に直結します。
ラインケア研修では、以下のような内容を取り上げることが効果的です。
管理職が適切な知識とスキルを身につけることで、安心して相談できる職場環境が育まれ、組織全体のメンタルヘルスレベル向上につながります。
従業員が適応障害になった際の会社の対応は、休職から復職までの一連の流れを、本人・主治医・産業医・職場と密に連携しながら、法的義務と本人の心情に配慮して丁寧に進めることが求められます。
個別の対応に留まらず、職場環境の改善や相談体制の整備、管理職への教育といった予防的な取り組みを組織全体で推進することが、従業員が健康に働き続けられる、生産性の高い企業を実現する鍵となります。
従業員のメンタルヘルス対応は、もはや福利厚生ではなく、企業の成長を支える重要な経営課題です。本記事を参考に、自社の体制を見直し、より良い職場環境づくりを進めていきましょう。
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