#php if (is_mobile()) : ?> #php else : ?> #php endif; ?>
健康経営を推進するためには、他社事例を参考にしながら自社の課題や目標に合った適切な施策を講じることが重要です。
しかし「具体的にどんな施策を実行すべきか分からない」「成功事例に共通するポイントを知りたい」など、疑問や悩みをもっている企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
本記事では、健康経営の取り組み事例を大企業・中小企業別に詳しく紹介します。
大企業の健康経営の取り組み事例5選を紹介します。それぞれの取り組みのポイントを押さえて、自社に合った施策を検討しましょう。
【関連記事】健康経営とは?企業が取り入れるメリットや取り組み方法・必要性を徹底解説
NTTグループを構成する大手通信会社の日本電信電話株式会社は、データを活用した健康経営に取り組んでいます。当時、従業員の運動習慣や体重など、生活習慣に関わる健康指標の数値に課題がありました。
そこで、従業員が健診結果や各種PHRデータなどの健康状態をセルフチェックできる外部サービスを導入しました。また、健康データにもとづき、フィットネスなどの健康活動を促す機能を取り入れたのも工夫の一つです。
施策を通じて従業員の健康指標が改善し、生産性向上につながっています。
【参考】健康長寿産業連合会「健康経営先進企業事例集2024」
【関連記事】PHR(パーソナル・ヘルス・レコード)とは?健康経営に活用するメリットやポイントを解説
東京海上日動火災保険株式会社は、「Good Company」を創る原点は健康経営であるという理念を掲げ、従業員の健康増進に取り組んでいます。
50代以上の従業員割合が増加する中で、ヘルスリテラシーの向上が課題でした。
そのため、社内外の産業保健の専門家の協力を得て、女性特有の健康課題などへの知識が深まるe-learningを展開しました。また、従業員が自身の生活習慣を記録できる社内向けのホームページをつくるなど、参加型企画を実施したのもポイントです。
社内アンケートによると従業員の健康意識が向上し、運動習慣の指標も改善しました。
【参考】健康長寿産業連合会「健康経営先進企業事例集2024」
コニカミノルタ株式会社は、オフィス空間のデザインや情報機器の製品販売を手がける企業です。メンタル不調に伴う休務日数が増加するなど、ストレス疾患への対応に課題がありました。
そこで、全従業員を対象にストレスチェックを年2回実施して、産業医や外部の専門家によるカウンセリングを行いました。各組織長にストレスチェックの結果を伝えて、高ストレスの部署には重点的に改善策を講じたのも工夫の一つです。
その結果、ストレスチェックの結果が改善し、従業員の新規休務者の減少にもつながりました。
【参考】健康長寿産業連合会「健康経営先進企業事例集2024」
【関連記事】職場のメンタルヘルスケアとは? 企業が知っておくべき対策を徹底解説
株式会社ルネサンスは、フィットネススタジオやスポーツクラブの事業を展開するヘルスケア企業です。健診の再受診率が低いなど、従業員の疾病リスクに課題がありました。
そのため、健診で所見ありとなった従業員に対し、社長名の通知による受診勧奨を実施しました。また、治療など事後措置が必要となる場合に、社員会から受診費用の補助を受けられるようにしたのもユニークなポイントです。
施策によって健診の再受診率が向上し、従業員の疾病予防につながっています。
【参考】健康長寿産業連合会「健康経営先進企業事例集2024」
【関連記事】
健康診断の受診勧奨とは?二次検査を受けてもらうための取り組みを解説
西川株式会社は、主に寝具の製造や販売を手がける企業です。メンタルヘルスの不調を抱える従業員が増え、ストレス軽減対策の必要がある点が課題でした。
そこで、睡眠リテラシー向上を目的とするセミナーを部署単位で開催するなど、睡眠の質に関する意識啓発を行いました。また、勤務時間内に使用できる仮眠ルームを新たに導入して、活用を推奨したのも工夫の一つです。
社内アンケート調査ではストレス軽減効果が見られ、メンタルヘルスの予防や改善につながっています。
【参考】健康長寿産業連合会「健康経営先進企業事例集2023」
中小企業の健康経営の取り組み事例10選を紹介します。自社に似た課題をもつ企業の取り組みを参考に、効果的な施策を立案しましょう。
マツ六株式会社は、ビルや住宅の建築資材の提供を中心に事業展開する専門商社です。メンタルヘルスに不調がある従業員が多く、予防対策をできていない点が課題でした。
そこで、企業のパーパスの中に従業員の健康を盛り込むなど、経営層が中心となって健康づくりの推進体制を構築しました。また、従業員へ健康状態ややりがいを定期的に聞き取り、健康増進の施策に活かしたのもポイントです。
その結果、高ストレス者の数が減少するとともに、従業員全体の健康意識が向上しました。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
株式会社福利厚生倶楽部中部は、企業に対して福利厚生施策の提案や実行支援を行う企業です。若い従業員の健康意識が低く、生活習慣が乱れていることが課題でした。
そこで、健康アプリを活用したチーム対抗のイベントを毎年企画して、結果を全従業員にレポートで共有しました。また、企画は事務局主体でなく、従業員一人ひとりが企画作成から携われるようにしたのが工夫の一つです。
社内アンケートによると、従業員の健康意識が向上し、生活習慣の改善につながりました。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
株式会社ワイドソフトデザインは、コンピューターの受託開発などを行う情報通信系の企業です。健康経営が総務部に任されているため推進力が弱く、従業員によって健康意識のばらつきが大きい状態でした。
そのため、健康経営の担当を総務部から「環境保全・環境委員会」に変更し、各部署からメンバーを派遣して施策を検討する仕組みとしました。
委員会を通じて従業員が皆で健康増進に取り組む雰囲気が生まれ、健康意識向上を図れています。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
株式会社REHA・LIBEROは、訪問介護・看護やデイサービスなどの福祉事業を展開する企業です。健康診断で所見ありとなった従業員の再受診率の低さや、治療後のアフターフォローの不十分さが課題でした。
そこで、自社で抱える理学療法士や看護師の活用を通じて、従業員の運動や食に関する健康管理をサポートし、健診の再受診も働きかけました。
その結果、健診の再受診率が100%を達成し、高ストレス者の割合も減少するなど、従業員の健康状態が大きく改善しています。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
株式会社SACOは、企業向けに従業員の運動不足を解消するサービスを展開する企業です。定期的な運動をする頻度が少ないなど、従業員の健康意識や習慣に課題がありました。
そのため、勤務中にトレーニングやストレッチができるエリアの解放や、スタンディングデスクの導入をしました。また、外部講習を通じて日ごろの動作を運動に活かせるよう、健康意識を啓発したのもポイントです。
社内アンケート調査では、運動習慣のある従業員が50%から100%になり、結果として健康意識が改善しました。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
【関連記事】VDT作業とは?健康への影響や取り組むべき対策を解説
有限会社宮地商店は、自動車保険をはじめ各種保険を販売する企業です。座ったままの業務が多く、従業員の肩こりや体重増加など健康状態の悪化が課題でした。
そこで「マイ健康宣言」として、各従業員がみずから健康に関する目標や取り組みを決め、報告し合う取り組みを実施しました。その際、従業員の健康宣言をもとに個々のニーズに合った福利厚生を提供する仕組みとしたのがユニークなポイントです。
スポーツジムの会員制度など福利厚生の利用率が向上するなど、従業員による自発的な健康増進を促せています。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
株式会社トヨタ名古屋教育センターは、自動車学校の運営をはじめ交通教育の事業を展開する企業です。当時、従業員の喫煙率の高さが健康状態の悪化を招いていました。
そこで、ヘルスケアアプリを活用し、禁煙や食生活・運動習慣の改善に応じてポイントを付与する仕組みを導入しました。社内の禁煙キャンペーンや禁煙日により、意識啓発を図ったのもポイントです。
その結果、従業員の喫煙率が改善し、健康に関するコミュニケーションも活性化しました。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
【関連記事】健康経営において禁煙対策はなぜ重要?取り組むメリットや事例を紹介
株式会社石井工機は、各業界の生産機械の製造やメンテナンスを行う企業です。肩こりや腰痛などの体調不良を抱える従業員が多く、離職率の高さが課題でした。
そのため、健康管理のチームを形成し、各従業員の健康上の悩みを聞き出して個別にフォローする仕組みを導入しました。その際、産業医や作業療法士などの専門家を交えてチームで対応したのが工夫の一つです。
メンタル面を含む従業員の健康問題を早期に聞き出し解決することで、離職率が改善しています。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
損保ジャパンキャリアビューロー株式会社は、顧客企業に対してスタッフを派遣する人材サービス企業です。スタッフの多くは50歳以上で健診の有所見率が高いものの、再受診率が低いことが課題でした。
受診勧奨の方法を郵送からメールでの個別連絡へと変更し、派遣スタッフの営業担当からも直接働きかけるなど、きめ細やかな対応を実施しました。
その結果、再受診率が67%から85.7%へと改善し、病気の予防や早期発見につながっています。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
株式会社岡崎土質試験所は、土質に関する試験や報告書の作成を行う企業です。従業員の多くは女性で、女性特有の健康課題を抱える世代が多いことが課題でした。
そこで、女性の従業員が担当する相談窓口を設置したうえで、女性である創業者みずから窓口の周知をしました。健康リスクを抱える従業員へ早期にアプローチができるよう、気軽に相談できる雰囲気をつくったのがポイントです。
女性からの相談数が増加するとともに、働きやすくなったという声が出るなど、職場環境が改善しました。
【参考】経済産業省「健康経営優良法人2024 中小規模法人部門」
健康経営の取り組み事例から分かる施策のポイントは、以下の3つです。
各ポイントについて解説します。
施策の効果を出すためには、経営層が主体となって、健康増進を重要課題の一つに位置づけて取り組みを進める必要があります。事例から分かるとおり、健康課題は従業員の生産性や離職率など、社内の人的資源に大きな影響をもたらします。
社長メッセージや社内ニュースレターなどを活用し、経営層みずからが健康増進の機運をつくる取り組みを検討しましょう。また、経営層の中にCHO(健康管理最高責任者)を設置し、責任者を明確にして取り組みを強化するのも選択肢の一つです。
【関連記事】CHO(健康管理最高責任者)とは?必要性や設置時のポイントを解説
従業員の行動変容を促すためには、従業員一人ひとりが健康経営に当事者意識をもてるよう工夫するのがポイントです。
成功事例の中には、従業員参加型の企画やインセンティブの付与を通じて、主体的な行動を促進しているケースが多くあります。その際、アンケート調査などを活用して、企画段階から関与する部署や従業員を増やすのも重要です。
また、健康アプリの導入により従業員の健康状態を可視化して、日々の健康意識を増進する施策も効果があります。
効果の高い施策の立案のためには、専門家と一体で専門性の高い施策を展開することが重要です。健康リテラシーを向上させるe-learningや、受診勧奨を含む健診の課題への対応など、専門家の協力が不可欠な施策が多くあります。
産業医や保健師、理学療法士など、社内で抱える専門家と企画段階から積極的に連携して、必要な施策を検討しましょう。自社の課題に合った社外の専門家をスポットで呼ぶのも、選択肢の一つです。
健康経営の施策の立案から実施までの流れは、以下のとおりです。
目標や具体策を検討する際には、多くの成功事例を参考にして、自社の課題に合った取り組みを幅広く検討しましょう。
各段階の具体的な流れは以下の記事で紹介しているので、参考にしてください。
【関連記事】健康経営とは?企業が取り入れるメリットや取り組み方法・必要性を徹底解説
健康経営を進めるにあたっては、自社と課題が近い成功事例のポイントを参考に、幅広い視点から施策を検討する必要があります。
施策の立案・実施にあたっては、経営層主導のもと健康経営を重要課題と位置づけて、従業員が当事者意識をもてる仕組みをつくることが重要です。その際、社内外の専門家と協力して、施策に取り組むことも欠かせません。
本記事を参考にして、自社の健康経営の施策を強力に推進しましょう。
エムスリーキャリア・エムスリーグループが展開する健康経営サービスについてまとめた資料です。 健康経営の関心の高まりや健康経営を疎かにするリスクについても解説しています。
50人以上の事業場向け
1,000人以上の事業場向け
※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け