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〈独自調査〉産業保健活動に関する人事担当者の悩みと産業医稼働の実態

「従業員の健康を守る」という重要な役割を担う産業保健活動。しかし、その実務を担う人事担当者の方のなかには、業務の進め方に課題を感じている方も少なくありません。

当社は、このような産業保健活動における人事担当者のリアルな課題を明らかにするため、企業の産業保健担当者1,300名以上に対し、独自のアンケート調査を実施しました。本調査の結果から見えてきた、多くの企業が直面している課題とその解決の糸口について解説します。

▼調査概要
内容:「健康経営と産業医の活用・選任に関する市場調査」
調査期間:2025年1月10日(金)~1月15日(水)
調査方法:GMOリサーチ&AI株式会社のパネルを用いたインターネット調査
対象者:全国の企業産業保健担当者(性別不問)
回収サンプル数:1,318

企業における産業保健活動の意識は「法令遵守」がメイン

産業保健活動に関する意識調査の結果、トップ3は法令遵守に関する回答が占め、全体の6割以上に達しました。最多は「法令遵守の体制整備と維持」で26.3%、次いで「法令を遵守しようと努力中」が19.9%、「最低限の活動をしていれば問題ない」が16.5%となりました。

この結果から、産業保健活動への意識は「法令を遵守しているか」という視点に集中していることが分かります。意識の中心は「従業員の健康を守る」という本来の目的よりも、まずは法律や規則を守ることを最も重要な課題と捉えていることが示唆されます。特に、「法令遵守の体制整備と維持」が最多であることから、義務として産業医を設置しているケースや、産業医の稼働が十分ではない可能性も考えられます。

 

産業医業務の依頼状況は「メンタル対応」が最多

産業保健活動に取り組むためには、産業医の協力が重要になります。

産業医に依頼している業務に関する調査では、最も多い回答が「メンタルヘルス関連」で23.1%を占めました。次いで「ストレスチェック関連」が16.5%という結果でした。

この結果は、多くの企業が産業医に、従業員のメンタルヘルス対策を最優先に求めている現状を示唆しています。近年増加傾向にある精神的な不調への対策として、法定義務であるストレスチェックやそれに伴う面談指導が重要視されているためと考えられます。また、「追加依頼したい業務」の結果も同様の項目が上位となっており、企業においてメンタルヘルス対応が喫緊の課題になっていることが見えてきます。

なお、その一方で「健康経営」に関する業務の依頼が5.6%と少ないことは、企業が産業医を従業員の健康増進や生産性向上といった戦略的なパートナーとして十分に活用できていない可能性を表しています。

 

産業医に業務の追加依頼をできない理由は

産業医への業務依頼ができない理由に関する調査(回答者335名)では、最も多い回答が「産業医側の都合によるもの」で45.1%を占めました。

これに続くものは、企業側の事情が上位にあり「自社の対応工数が不足しているから」が34.3%、「追加費用を捻出できないから」が25.4%という結果になりました。

この調査結果から、企業が産業医に業務を依頼できない背景には、産業医側の事情だけでなく、企業内部の人的リソースや予算の不足が大きく影響していることが明らかになりました。特に「自社の対応工数不足」と「費用捻出の難しさ」については、産業保健活動により一層取り組みたいと考えつつも、なかなか実現が難しい現実もあるようです。

 

まとめ

今回の調査から、企業の産業保健活動は、法令遵守をベースとした取り組みが最も注力されていることがわかりました。その活動の中心人物となる産業医の業務については、メンタルヘルス対策が最優先事項となっており、不足していると感じる対応も同様の結果でした。

また、さらなる産業医業務の充実化については企業側のリソースやコストが課題となっていることも見て取れます。

昨今では、産業保健活動をコストとして捉えず、投資として考える「健康経営」の潮流もあります。一方で、職場では慢性的な人手不足も叫ばれており、人事業務の効率化やアウトソーシング、産業医費用などの見直しなどの対応が今後求められていく可能性があります。

 

エムスリーキャリア健康経営コラム編集部

エムスリーキャリア健康経営コラム編集部

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