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「うちの会社で特別教育って必要なんだっけ?」「技能講習とは何が違うの?」
人事労務担当者として、このような疑問をお持ちではありませんか。
特別教育は、労働安全衛生法で定められた、危険または有害な業務に従事する従業員に対して事業者が実施すべき重要な安全衛生教育です。実施義務を怠ると、罰則の対象となる可能性もあります。
この記事では、特別教育の基本から対象業務の一覧、技能講習との違い、罰則、具体的な実施方法まで、担当者が知っておくべき実務知識を網羅的に解説します。
特別教育とは、労働安全衛生法第59条第3項に基づき、危険または有害な特定の業務に従事する労働者に対して、事業者が実施しなければならない安全衛生教育のことです。従業員の安全を確保し、労働災害を未然に防ぐことを目的としています。
特別教育は、法律で定められた事業者の義務です。対象となる業務に、教育を実施していない従業員を就かせることは法令違反となります。企業規模にかかわらず、対象業務があるすべての事業者が実施しなくてはなりません。
特別教育の最大の目的は、専門的な知識や技能が求められる業務における労働災害を防止することです。事前の教育を通じて、業務に潜む危険性や正しい作業手順、安全装置の取り扱い方などを従業員に理解させ、安全意識を高めることで、事故のリスクを低減させます。
特別教育の実施を怠った場合、事業者には「6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰金」が科される可能性があります(労働安全衛生法第119条)。罰則は、万が一労働災害が発生した場合だけでなく、教育を実施せずに対象業務に従事させただけで適用される可能性があるため、確実な実施が求められます。
特別教育の対象業務は、労働安全衛生規則第36条に定められており、多岐にわたります。ここでは代表的な業務を抜粋してご紹介します。自社の業務が該当しないか、必ず確認しましょう。
詳細な業務一覧は、厚生労働省のウェブサイトなどで確認することをおすすめします。
特別教育と混同されやすい「技能講習」や「一般安全衛生教育」との違いを解説します。
最も大きな違いは、修了すると国家資格として扱われるかどうかです。
項目 | 特別教育 | 技能講習 |
---|---|---|
位置づけ | 業務に必要な知識を付与する教育 | 業務独占資格 |
講師 | 社内でも実施可能(一定の知識・経験者) | 都道府県労働局長に登録した教習機関 |
修了証 | 事業者が発行(様式は任意) | 登録教習機関が発行 |
具体例 | 最大荷重1t未満のフォークリフト運転 | 最大荷重1t以上のフォークリフト運転 |
一般安全衛生教育は、業種や職種を問わず、全ての労働者が対象となる安全衛生に関する教育です(雇入れ時や作業内容変更時など)。一方、特別教育は、これまで見てきたように特定の危険・有害業務に従事する労働者のみを対象とする、より専門的な教育という点で異なります。
特別教育をどのように実施し、管理すればよいのか、実務上のポイントを解説します。
特別教育の講師には、「特別教育の科目の全部又は一部について十分な知識、経験を有する者」であることが求められますが、公的な資格は必須ではありません。そのため、社内に適切な人材がいれば社内(自社)で実施することも可能です。
社内での実施が難しい場合は、外部の教育機関が実施する講習会に参加させる方法もあります。
一部の特別教育では、オンライン(eラーニング)での実施も認められています。ただし、実技教育が必要な科目については、別途対面での実施が必要です。オンラインで実施する場合も、教育内容が法令で定められたカリキュラムを満たしているか、受講履歴が適切に管理できるかなどを確認する必要があります。
事業者は、特別教育を実施した際、受講者、科目、時間などの記録を作成し、3年間保存する義務があります(労働安全衛生規則第38条)。この記録は、労働基準監督署の調査などで提示を求められることがあります。決まった様式はありませんが、以下の項目は含めておきましょう。
最後に、担当者の方がよく疑問に思う点についてお答えします。
A. 特別教育は、技能講習と異なり国家資格ではありません。あくまで「業務に必要な安全衛生教育を受けた」という経歴であり、一般的には「資格」として履歴書に記載しません。ただし、業務経験をアピールする目的で職務経歴書などに記載することは差し支えありません。
A. はい、対象になります。雇用形態にかかわらず、対象となる危険・有害業務に従事させる場合は、派遣元事業者または派遣先事業者のいずれかが特別教育を実施する必要があります。どちらが実施するかは、派遣元と派遣先の契約で定めるのが一般的です。パートタイマーやアルバイトも、同様に教育の対象となります。
A. 労働者が過去に同等の特別教育を受けていることが確認できれば、転職先の事業者で再受講する必要はありません。ただし、事業者はその労働者が教育を修了したことを、修了証の写しなどで確認し、記録を保管しておく必要があります。確認が取れない場合は、改めて教育を実施するのが安全です。
50人以上の事業場向け
1,000人以上の事業場向け
※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け