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その食環境、社員の疲労度をあげていませんか?【連載vol.2】

笠井奈津子(かさい なつこ)

笠井奈津子(かさい なつこ)

栄養士・フードアナリスト・生活リズムアドバイザー・健康リズムカウンセラー

聖心女子大学文学部哲学科卒業後に香川栄養専門学校(現 香川調理製菓専門学校)を経て栄養士に。都内心療内科クリニック併設の研究所で食事カウンセリングに携わる。フリーランス転身後、“メタボとうつ”“心と食”などをテーマに講演を行う。企業研修では、数百人単位の参加者でも事前に食事記録をチェックし、机上の空論にならないアドバイスを大事にしている。

食事で疲労度は変わる

週末はちゃんと休めたのに月曜日から体が重く感じる、睡眠時間はしっかり取れたはずなのに朝から疲れている…このように、休養や睡眠を取っても疲れが抜けないと感じるときには、その原因のひとつに“食事”があげられます。

たとえば、夜遅く食事をしたり暴飲暴食した翌日に朝から倦怠感を感じた、昼食後にダルさを感じたり眠気に襲われたりする、ダイエットに成功して体重が落ちたのはいいけれど集中力や活力まで落ちてしまった…そんな経験、みなさんも一度はありませんか?

このように、食事は短期的にも長期的にも体へ影響を及ぼします。
しかし、仕事が忙しいと疲れが抜けない状態が常習化してしまい、疲れている自覚、つまり“これが自分のベストな状態ではない”という自覚すらない方も少なくありません。

「時間がないから朝食をとらない」

「ボリュームが最優先で栄養バランスは二の次」

「太りたくないけれど甘い物を食べたいから食事がわりにお菓子を食べる」

というような生活を続けていれば、疲労回復に欠かせないビタミンB群などの補給が追い付かなくなります。
それ以外にも、体に必要な栄養素が不足すれば、消化吸収もスムーズにいかなくなり、疲れはどんどん溜まっていきます。

 

社員が選択肢をもてるように

お弁当

前述したような理由で食事がおろそかになれば、社員の自己責任だといえるかもしれません。しかし、実際には、それだけでは片付けられないケースがたくさんあります。

たとえば、オフィスが高層ビルに入っていて、社員食堂がない場合。昼食をとるのであれば、オフィスから出なければいけません。

しかし、昼時のエレベーターは大混雑。オフィス近くのお弁当屋さんやレストランはどこも大行列。会社として昼の休憩時間を1時間設けていたとしても、実際に食事にかけられる時間は10分もない、なんてこともありえるのです。

そうした環境下では、昼食の選択基準として“ちゃんと栄養をとれるもの”は上位にはあがってきません。

会社側も、社員がランチ難民にならないようにと仕出し弁当などを導入したりしますが、多くの場合、揚げ物や炭水化物が多い安価なお弁当になりがちです。
昼食時に健康的な選択肢がないに等しい、というオフィス環境は少なくありません。

社員が疲れをためにくい食環境をつくることができるのは、会社側です。価格帯に配慮しつつ、より中身が充実した仕出し弁当屋を再度探す、混雑を避けるために昼の休憩時間に幅を持たせるなど、改めて考えてみることが大切ですたとえば、 デリバリーの利用を認めることも、会社が食環境に配慮するからこそできることですよね。

会社の未来に必要な人材像から逆算して考える

スタートアップ企業などでは、人材を確保する目的もあって、カフェテリアを導入したり、健康的な食堂を作ったりと、食環境も込みでブランディングをしているところもあります。

ただ、健康経営という言葉が浸透してきた今でも「食環境を整えることに力をいれています」という会社はそう多くはありません。初めての取り組みだからこそ、何から始めたらいいかわからない、という声もよく聞かれます。

そんなときには、会社の未来に必要な人材像から逆算して考える、という大きな視点をもつのも良いと思います。たとえば、体力が必要な仕事なのか、集中力が必要な仕事なのか、という違いでも環境は変わってきますよね。

 

まずは、メタボになりにくいランチの環境から構築

どんな企業も、社員には心身ともに健康であってほしい、というのは共通の願いです。
その上で、まず現場レベルでできることから考えると、メタボになりにくいランチの環境づくりから取り組むのが現実的かもしれません。

なぜならば、“心と体に良い食事を心がけましょう”といわれてもピンとこなくても“メタボにならない食事”といえば、ある程度は目指すイメージを共有できるからです。

そして、メタボにならない食事は、疲れにくい体づくり、心身共に健やかでいるための食生活の基本とも重なるからです。

疲れが溜まりやすい、もしくは溜まった状態が続くと、免疫力が落ちるので、風邪などの感染症にかかりやすくなったり、ストレスにもさらされやすくなったりします。

同じ業界でみたときに、うちの会社だけメタボ率やメンタルの疾患が非常に高い、なんてお墨付きは欲しくないはずです。

次回は、企業での食環境改善の実例とメリットを具体的にお話していきます。組織規模でもできることは変わってきますし、小さな組織だからこそできることもたくさんあります。ご自身、そして、御社にとって良いヒントが得られることを願っています。

 

↓笠井氏の連載はこちらから
【連載vol.1】今、働き方改革で注目したいのは”働き方”に直結する社員の“食環境”
【連載vol.2】その食環境、社員の疲労度をあげていませんか?
【連載vol.3】企業における食環境改善の実例とメリット
【連載vol.4】ストレスに強くなる食事とは

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