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【2024年版】ストレスチェックの費用相場は?費用を抑える方法についても解説

ストレスチェックとは、従業員のストレスがどのような状態にあるのかを調べる簡単な検査です。労働安全衛生法により、従業員が50人以上いる事業所では、年1回すべての従業員に対してストレスチェックの実施が義務付けられています。

ストレスチェックの実施には実施費用だけでなく、高ストレス者に対する面接指導や集団分析などにも費用がかかります。これらはすべて事業者が負担しなくてはなりません。

この記事では、ストレスチェックの費用相場とストレスチェックの費用を抑える方法について解説します。

【2024年版】ストレスチェックの費用相場

ストレスチェックにかかる費用には、以下が挙げられます。

  • ストレスチェックの実施費用
  • 高ストレス者に対する面接指導にかかる費用
  • 集団分析や職場改善にかかる費用

適切な費用でストレスチェックを実施するために、それぞれの費用相場を把握しておきましょう。

ストレスチェック自体の費用相場

ストレスチェックの実施にあたり、外部のストレスチェックサービスを利用する場合は、従業員一人あたり800円〜1,000円ほどの費用がかかります。実施費用は、受験形式(Web受験または紙ベースの調査票に記入するマークシート方式)や質問数によって変わります。

【参考】
厚生労働省「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」
一般社団法人中部地区医師会検診センター「ストレスチェック業務委託料金表(改訂版)」

【関連記事】ストレスチェック制度とは?実施によって得られるメリットや導入手順を解

高ストレス者に対する面接指導にかかる費用相場

高ストレス者への面接指導にかかる費用相場は、一人あたり60分で20,000円〜25,000円程度です。

ストレスチェックを実施した結果、高ストレス者と判定された従業員がいた場合、産業医による面接指導の対象となります。

面接指導を受けるかどうかは従業員の任意です。従業員から申し出があった場合、事業者は1ヶ月以内に面接指導を実施する義務があり、その費用は事業者が負担しなければなりません。

【参考】
厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」
一般社団法人中部地区医師会検診センター「ストレスチェック業務委託料金表(改訂版)」

【関連記事】
ストレスチェックで高ストレス者を選定する際の方法や注意点
産業医とは?企業での役割、仕事内容、病院の医師との違いを解説
〈2024年度版〉産業医にかかる費用は?料金・報酬相場の総まとめ

集団分析や職場改善にかかる費用相場

集団分析は、外部サービスに依頼することが一般的で、費用相場は1グループごとに15,000円〜25,000円程度です。

集団分析とは、ストレスチェックの結果を部署や課などの集団ごとに集計・分析することです。集団分析を実施すると職場環境におけるストレスの状況と健康へのリスクを詳細に把握できます。

集団分析の実施は努力義務ですが、ストレスチェックの結果を職場環境の改善につなげるためには実施することが望ましいです。

ストレスチェックの結果から職場や職位ごとのストレス負荷の状況、従業員の健康状態などを把握し、職場環境を改善していくことも求められます。職場環境の改善のために以下のような費用がかかる場合もあります。

  • メンタルヘルスやセルフケアに関するセミナー・社内研修会の開催
  • 外部セミナーや研修会への参加費
  • 相談窓口やカウンセラーの設置・運用
  • 職場改善コンサルティング

【参考】
厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」
一般社団法人中部地区医師会検診センター「ストレスチェック業務委託料金表(改訂版)」

【関連記事】
ストレスチェックにおける産業医の役割は?面談指導の内容や注意点も解説
ストレスチェックの集団分析の方法とは?分析結果別の対処方法も解説

ストレスチェック実施のために必要な人的リソース

ストレスチェック実施にあたり、以下のような業務を行うための人的リソースが必要になります。費用とあわせて確認しておきましょう。

  • ストレスチェックの実施を審議する衛生委員会の設置
  • 高ストレス者への面接指導申し出に関する書類の作成
  • 産業医などによる高ストレス者への面接指導の準備
  • ストレスチェックや面接指導の記録の保存

【関連記事】安全衛生委員会と衛生委員会とは? それぞれの役割と開催条件について

ストレスチェックの費用は誰が負担する?

ストレスチェックに関連する費用には、事業者が負担する費用と従業員が負担する費用があります。

事業者が負担する費用

厚生労働省が公表している「ストレスチェック制度関係Q&A」には、ストレスチェックの実施や面接指導にかかる費用は事業者が負担するべきと明記されています。

ストレスチェックは福利厚生の一つです。事業所の規模によっては労働安全衛生法により実施が義務付けられており、ストレスチェックの実施にかかる費用はすべて事業者が負担しなくてはなりません。

ストレスチェックで高ストレス者と判定された従業員に対する面接指導の費用も、事業者が負担します。

【参考】
厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」
厚生労働省「ストレスチェック制度関係Q&A」

従業員が負担する費用

高ストレス者と判定された場合の面接指導の費用は事業者が負担するため、従業員の負担はありません。

ただし、面接指導において産業医から医療機関の受診を勧められた場合の医療費や、通院にかかる交通費などは従業員本人が負担します。

例外として、メンタルヘルスの不調の原因が業務によるものと判断された場合は、労災となるケースもあります。

【関連記事】労災認定基準をケース別に解説!直近の改正や認定されない例も紹介

ストレスチェックの費用を抑える方法

ストレスチェックの実施にはさまざまな費用がかかります。ここからは、ストレスチェックの費用を抑える方法について解説します。

ストレスチェック実施プログラムを利用する

厚生労働省が提供している「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」を利用すれば、ストレスチェックを無料で行えます。このストレスチェック実施プログラムの活用でできることは、以下の3つです。

  • ストレスチェックの実施
  • ストレスチェック結果の出力
  • 集団分析

厚生労働省は、職業性ストレス簡易調査票(57項目)の利用を推奨しており、多くの企業がこのプログラムをもとにストレスチェックを実施しています。

厚生労働省のプログラムは無料で利用できますが、業務内容や労働環境に合わせて質問内容を変更することはできません。また、ストレスチェックを実施するシステム環境の整備を自社で行う必要があります。

より自社の状況にあった内容でストレスチェックを実施したい場合や、システム環境を整備できる担当者がいない場合は、有料のストレスチェックサービスを利用したほうがよいでしょう。

【参考】
厚生労働省「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」
厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」

【関連記事】 自社に適したストレスチェックの項目数は?4つの調査票の特徴を解説23項目

助成金制度を利用する

助成金制度を活用すれば、ストレスチェックの費用負担を軽減できます。

ストレスチェックに関連する助成金制度には「団体経由産業保健活動推進助成金」があります。団体経由産業保健活動推進助成金は、2021年に廃止されたストレスチェック助成金を含む産業保健に関する助成金を一つにまとめたものです。

ストレスチェック実施後、職場環境改善を目的として産業保健サービス提供のために産業医などと契約した場合、その活動費用の90%(上限500万円)の助成金を受け取れます

ストレスチェックの実施費用や、集団分析にかかる費用は助成の対象にはならないため注意が必要です。高ストレス者に対する面接指導や産業保健スタッフによる事業者に対する職場環境改善の支援などが助成の対象になります。

団体経由産業保健活動推進助成金の支給要件や助成対象となる保健サービスの詳細は、以下の記事で解説しているので参考にしてください。

【関連記事】団体経由産業保健活動推進助成金とは? 補助内容や支給要件を解説

【参考】厚生労働省「団体経由産業保健活動推進助成金のご案内」

外部サービスに委託する

ストレスチェックの費用を抑えるためには、外部のストレスチェックサービスの利用がおすすめです。

ストレスチェックの代行業者は、ストレスチェックの一連業務に関して豊富な知識を有しています。そのため、自社でストレスチェックの実施体制を整えるよりも、迅速かつ適切に進められ、人件費を削減できます

また、外部に委託すればストレスチェックツールの開発や導入費用が発生しないで済むため、費用負担の軽減が可能です。

ストレスチェックの外部委託先を選ぶ際のチェックポイント

ストレスチェックの外部委託先を選ぶ際は、以下の点を考慮しましょう。

  • 費用が予算内に収まるか
  • 受験方法をえらべるか

費用が予算内に収まるか

費用対効果を考慮し、予算内に収まる委託先を選びましょう。

業者によって料金に含まれるサービス内容が異なります。そのため、たとえば一人あたり500円と比較的安価であっても求める作業内容が含まれておらず、オプション料金が別途発生して割高になることも考えられます

必要なサービスを洗い出して見積もりをとり、予算に合ったサービスを選ぶことが大切です。

受験方法を選べるか

ストレスチェックの受験方法を選べるか確認してから委託先を選びましょう。現在は、紙ベースの調査票を用いた受験方法(用紙版)だけでなく、PCやスマホ、タブレットなどによるWeb受験もあります。

費用面では紙ベースの受験よりもWeb受験のほうが、一人あたりの費用が安い傾向にあるため、Web受験にすれば費用を抑えられるでしょう。

ただし、どちらの受験方法が適しているかは、企業規模や従業員の年齢層などによって異なります。費用面だけでなく従業員の受験のしやすさも考慮しましょう。

【関連記事】ストレスチェックを外部委託するには?導入の流れや費用相場などを紹介

ストレスチェックの費用相場を理解して適切に運用しよう

​​ストレスチェックの実施には、さまざまな費用がかかります。事業者には、ストレスチェックを実施することが義務付けられており、費用は事業者が負担しなければなりません。

ストレスチェックの費用は、ストレスチェックの実施形式や事業所の規模、高ストレス者と判定された従業員の人数などによって変わります。

助成金制度や自社に合った外部のストレスチェックサービスを利用して適切に運用しましょう。

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