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4つの生活習慣病を併発している状態を指す「死の四重奏」は、生命を脅かす病気の発症リスクが高いといわれています。
死の四重奏に該当する従業員に対し、どのような対策をすべきかと悩んでいる人事労務担当者の方もいるでしょう。
本記事では、死の四重奏になりやすい生活習慣や、従業員が死の四重奏を患わないようにするための対策を解説します。
死の四重奏とは、生活習慣病のうち「内臓脂肪型肥満」「脂質異常症(高脂血症)」「高血圧」「糖尿病」の4つの病気を同時に患っている状態のことです。この状態は、メタボリックシンドロームとも呼ばれます。
死の四重奏を抱えた状態は、動脈硬化を進行させ心筋梗塞や脳卒中など生命にかかわる病気になる可能性が高いといわれています。
死の四重奏に含まれる病気は自覚症状なく進行することもあるため、従業員が死の四重奏を抱えないよう、適切な対策を講じることが大切です。
【参考】厚生労働省「死の四重奏」
ここでは、死の四重奏を抱えやすい生活習慣を紹介します。
運動不足は、死の四重奏となる大きな原因の一つです。運動不足だと消費エネルギーが少ないため、摂取したカロリーを消費しきれずに内臓脂肪型肥満につながります。その影響で糖尿病や高血圧、脂質異常症などが引き起こされます。
【参考】一般社団法人 日本生活習慣病予防協会「身体活動・運動不足|生活習慣用とその予防」
死の四重奏になりやすい要因の1つが、栄養バランスが偏った食事です。
たとえば、カップラーメンなどの塩分が多い食事を頻繁にとっていたり、アルコールを過剰に摂取したりしていると、高血圧になりやすい傾向にあります。
また、脂質異常症は肉類や揚げ物など高脂質・高カロリーの食事の摂り過ぎ、糖尿病は炭水化物や糖質の過多が原因の一つとされています。
【参考】
MSDマニュアル家庭版「高血圧 – 06. 心臓と血管の病気 – MSDマニュアル家庭版」
厚生労働省「脂質異常症 | e-ヘルスネット」
過剰なストレスは、不安やイライラ、不眠などさまざまな悪影響をおよぼし、過度のアルコール摂取や喫煙量の増加、過食など生活習慣病につながる行動を起こしやすい傾向にあります。
そのため、精神的なストレスが大きいと死の四重奏になりやすいといわれています。
【参考】全国健康保険協会 協会けんぽ「【ストレス】あなたもストレスを抱え込んでいませんか?」
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【産業医寄稿】メンタルヘルス不調のサインかも!部下の様子がおかしい時に適切な対応について解説
死の四重奏には、多量の飲酒や喫煙も関係しています。過度のアルコール摂取は、肝障害や膵炎、心疾患などさまざまな病気のリスク要因です。
以下に挙げる純アルコール量を継続摂取している場合、病気のリスクが高まるといわれています。
性別 | 病気のリスクを高める純アルコール量 |
男性 | 40g以上(500mlのビール2本以上) |
女性 | 20g以上(500mlのビール1本以上) |
また、たばこの煙には7,000種類以上の化学物質が含まれており、糖尿病・心疾患・がんなどさまざまな生活習慣病のリスクが高まります。
【参考】東京都保健医療局「気軽に実践!健康づくり応援ガイド」
死の四重奏を従業員が患わないようにするための対策には、以下が挙げられます。
それぞれ詳しく解説していきます。
従業員が死の四重奏を抱えないようにするためには、健康診断を実施して健康状態を客観的に把握することが大切です。
事業者には、労働安全衛生法にもとづき医師による健康診断を年に1回実施する義務があります。
健康診断で死の四重奏が認められた場合には、医療機関の受診を強く勧め、必要であれば業務内容の変更や労働時間短縮などの措置を講じましょう。
【参考】厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう 」
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健康診断の再検査、従業員に受けてもらうには?企業がとるべき対応を解説
ストレスチェックを実施し従業員のストレス度合いを把握して、死の四重奏の予防につなげましょう。
ストレスチェックは、従業員50名以上の事業所では年1回の実施が義務化されていますが、50人以下の職場は努力義務となっています。
義務化されていない事業所でも、従業員のストレスに対し適切な措置を講じられるようにするために、ストレスチェックは導入したほうがよいといえるでしょう。
【参考】厚生労働省 滋賀労働局ストレスチェック制度が始まりました(労働者の皆様へ)
【関連記事】ストレスチェック制度とは?実施によって得られるメリットや導入手順を解説
生活習慣病予備群の対象者には、産業医や保健師、栄養士などの保健指導をもとに、生活習慣における課題発見と健康的な行動変容に必要な指導、情報の提供が必要です。
具体的には、まず運動習慣を身につけるよう指導しましょう。適度な運動は消費エネルギー増加や身体機能活発化につながり、血糖や脂質の消費量が増えることで内臓脂肪が付きにくくなるからです。
通勤時に会社の最寄りより一つ手前の駅で降りて歩く、エレベーターやエスカレーターは使わないなど、通常より運動時間が増える習慣を実践してもらいましょう。
また、生活習慣病予防には食生活の改善も大切です。バランスの良い食事を1日3食とる、油や食塩を使う料理は少なめにする、副菜は多めに食べるなどの指導をするとよいでしょう。
【参考】
厚生労働省「新たな健診・保健指導と生活習慣病対策 標準的な健診・保健指導プログラム(確定版)」
【関連記事】トータルヘルスプロモーションプラン(Total Health Promotion Plan)とは?推進方法や導入するメリットを解説
喫煙本数の減量を図るために、社内を全面的に禁煙とするのも死の四重奏予防に効果的です。
ただし、最初から全面禁煙とするのではなく、はじめは曜日を決めて禁煙にするなど、従業員のストレスを最小限に抑える配慮もしましょう。
従業員の食生活をサポートするために、社員食堂で健康的なメニューを提供するのも良い方法です。
自分で用意するとなると、栄養バランスを考えた食事は難しいと感じる従業員もいるでしょう。社員食堂で栄養バランスのとれた美味しい食事を提供すれば、従業員の食生活改善に役立ちます。
死の四重奏の予防策を講じ従業員の健康を守ろう
死の四重奏を抱えると脳梗塞や心筋梗塞など、生命にかかわる病気のリスクが高まるとされています。
死の四重奏になりやすい要因には、運動不足や栄養バランスが偏った食事、精神的なストレスなどが関係しています。
健康診断やストレスチェックの実施はもちろんのこと、産業医や保健師などと連携して保健指導を行い、死の四重奏にならないよう従業員の健康を守りましょう。
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