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現役精神科医であり、主にマインドフルネスを研究されている藤井英雄先生。20年以上前にマインドフルネスに出会ってから、自身でマインドフルネスを取り入れるだけでなく、セミナー・ワークショップでの指導にも精力的に取り組まれているといいます。今回は、複数の企業で産業医をつとめながら、マインドフルネスについて情報発信を続ける藤井先生に、マインドフルネス習得のポイントを執筆いただきました。
私は精神科の臨床医であり、複数の企業にて産業医を務めております。また、マインドフルネスの普及のため情報発信をしております。
マインドフルネスとは「今、ここ」に生きることでネガティブ思考を客観視して手放し、ネガティブ感情を癒す効果がある、とても素晴らしいスキルです。
仏教の枠組みの中で座禅や瞑想を通じて伝えられてきたマインドフルネスは、近年、メンタルヘルスへの効果が証明されてFacebookやGoogleなど欧米の大企業の社員研修に採用されており、日本にも入ってまいりました。今では日本でも多くの企業でメンタルヘルスのあたらしい手法としてマインドフルネスは導入されています。
私自身がマインドフルネスに出会ったのは20年以上も前のことです。
当時は患者さんのメンタルヘルスに役立てるというよりも、むしろ自分自身が悩んでいるネガティブ思考を改善したかったというのが正直な理由です。
認知(行動)療法では、思考(認知)が原因であり感情はその結果であると考えます。
つまり、ある現実をネガティブにとらえれば(認知)、ネガティブ感情となり、ポジティブに考えることができればポジティブな感情となるのです。うつや不安を改善することを目的として行き過ぎたネガティブ思考を修正していきます。
しかしやみくもにポジティブ思考をしてみても「そうはいってもなあ…」という疑いの心が出てきますし、人によっては逆にポジティブ思考すること自体が負担になってむしろ苦しくなることもあります。
そんな時に役に立つのがマインドフルネスです。
自分が悲しみや恐れ、イライラなどのネガティブ感情に悩まされている時に、そのネガティブな想いを抱えている自分自身をマインドフルネスで客観視できれば、冷静な視点に立ってほっと一息つくことができます。
治療するほどではないが気分が晴れないというケースや、うつや不安の症状はあるが軽症で緊急性がない場合には、抗うつ剤や抗不安剤の投与の前にマインドフルネスを用いたアプローチをすることで症状が改善することもあり重宝しています。
本格的にマインドフルネスを習得するためには瞑想の修行が必要ですが、簡単なものであれば短時間で実施可能であり、指導も可能です。
ただし、指導者がマインドフルネスを体験し、その効果を実感していることが望ましいでしょう。これを機会に産業医のみなさんもマインドフルネスを試してみていただきたいと思います。
マインドフルネスの要点は「今、ここ」の気づきと客観視です。逆に、「今、ここ」で自分が何を考え、感じているかに気付いて客観視できればマインドフルネスです。
皆さんの「今、ここ」の気づきは何でしょう?
それはもちろん、「マインドフルネスに関する文章を読んでいること」ですね。
そんなことは当然わかっているように思うでしょうが、おそらく皆さんの「今、ここ」の気づきは?と問われるまでは気付いていなかったのではないでしょうか?
同様に、悲しみ、恐れ、怒りなどにとらわれている時にも「今、ここ」の気づきはありません。
ハッと我に返ったとき、「ああ、自分は悲しみ(恐れ、怒り)にとらわれていた」と気付けるのです。そしてハッと我に返って気付いた時、ほんの一瞬ですがマインドフルネスの扉が開きます。しかしその気づきはすぐに失われてまたクヨクヨと悩み始めるのです。
その開いた扉を開いたままにしておき、再びネガティブ感情に巻き込まれないためにマインドフルネスの練習が必要なのです。
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