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第4期特定健診・特定保健指導とは?主な変更点について解説

特定健診・特定保健指導は、生活習慣病を防ぐために実施される健診や指導であり、2024年4月から第4期が開始しました。

実施主体は健康組合などの保険者ですが、職域においては企業と保険者が連携して健康改善の取り組みを進める必要があります。そのため、企業担当者の方も制度のポイントを押さえることが重要です。

本記事では、第4期特定健診・特定保健指導について、第3期からの主な変更点を紹介します。本記事を参考にして、自社の健康経営をさらに推進しましょう。

第4期特定健診・特定保健指導の概要

特定健診・特定保健指導とは、生活習慣病を予防するために、メタボリックシンドロームに着目した健診や改善の指導を行う制度です。保険者に実施が義務付けられています。

2008年度に制度が開始し、定期的に健診・保健指導それぞれの内容がアップデートされてきました。2024年4月からは、第4期特定健診・特定保健指導が新たに始まっています

特定健診とは、40歳〜74歳の被保険者・被扶養者を対象に、問診や血液検査などにより生活習慣病のリスクを確認する健診です。

また、特定保健指導とは、特定健診で生活習慣病のリスクが高いと判断された人に対して、医師や保健師が生活習慣の見直しをサポートすることです。

なお、対象者には健診や指導を受ける義務はありません。企業においては、従業員の受診率向上が健康確保のために重要です。

【参考】厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」

特定健診・特定保健指導の実施にあたりコラボヘルスが重要

特定健診・特定保健指導の実施にあたっては、保険者と企業が連携して健康に関する取り組みを進めること、いわゆるコラボヘルスが重要です。

特定健診・特定保健指導の実施主体は保険者であり、企業が行う健康診断とは異なります。しかし、特定保健指導は実施にあたって産業医を中心とした体制構築が必要であるなど、産業保健と密接に関わっているのがポイントです。

企業による保険者との連携強化の取り組み例には、以下が挙げられます。

  • 従業員向けの健康情報の発信や、社員食堂でヘルシーメニューの提供を行う
  • 対象者の勤務時間に配慮する(勤務中の保健指導を可能とするなど)
  • 企業が行う健康診断のデータを保険者へ提供する

健康経営を推進したい企業担当者の方も、第4期特定健診・特定保健指導の要点をしっかり理解して、保険者とともに取り組む必要があります

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第4期における特定健診の主な変更点

第4期における特定健診の見直しは、対象者の現状をより的確に把握して、保健指導の実施を促進するためのものです。

以下では主な変更点を2つ紹介します。

【参考】厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」

健診が受けやすくなるよう健診項目を修正

第4期の特定健診においては、対象者の受診率向上に向けて、健診がより受けやすくなるよう健診項目の修正を行いました。

具体的には、健診の基本項目である中性脂肪の基準について、「空腹時」だけでなく「随時」の数値を新たに設けています。これまでは健診前に10時間以上の絶食が必要でしたが、やむを得ない場合は食後3時間半以上経っていれば受診可能になりました。

企業側は、健診を受けやすくする制度変更の趣旨を理解して、従業員へ必要な情報発信を行うなど受診率向上の取り組みを進めることが重要です。

対象者の実態把握につながるよう質問票を修正

第4期の特定健診では、対象者の実態をより正確に把握できるように、健診における質問票の修正を行いました。

とくに、メタボリックシンドロームの原因となる喫煙・飲酒に関する質問を見直しています。

たとえば喫煙について、これまでの質問では現在の喫煙習慣の有無のみ把握していました。第4期からは質問を細かくして、たばこをやめている「禁煙者」と、元々たばこを吸っていない「生涯非喫煙者」を分類できるようにしています。

企業側は、実態をより把握しやすくなった特定健診の結果を参考にしながら、保険者とともに従業員の健康改善に取り組むのがポイントです。

第4期における特定保健指導の主な変更点

第4期における特定保健指導の見直しは、より幅広い対象者に指導を実施しやすくするとともに、指導の効果をさらに高めるためのものです。

以下では主な変更点を4つ紹介します。

【参考】厚生労働省「標準的な健診・保健指導プログラム」

保健指導の実効性を高めるために評価体系を見直し

第4期の特定保健指導では、指導の実効性を高めるために、成果を重視した評価体系、いわゆるアウトカム評価を導入しました。

これまでは指導を受けた回数や時間などのプロセスのみが評価されており、対象者の健康が改善したかどうか不透明でした。

第4期からはプロセスだけでなく、「腹囲2cm・体重2kg減」などの目標達成や具体的な行動変容を評価する仕組みへと変更しています。

企業側も従業員が行動変容をしやすくなるよう、社員食堂のメニューを改善するなど、従業員の健康に配慮した取り組みや情報発信が重要です。

質を高めるために保健指導の見える化を推進

第4期の特定保健指導では、対象者への指導の成果を見える化することで、指導の質を向上させる方針が新たに打ち出されました。

保険者は、対象者の目標達成の現状や経年変化を把握して、達成・未達成の要因となっている生活習慣を分析します。そのうえで、分析をもとに対象者の健康改善に向けた取り組みを進める必要があります。

企業側も保険者が集めたデータや分析を把握し、指導の質向上に向けて産業保健体制を整えるなどの連携強化が不可欠です。

保健指導を実施しやすくするためにICT活用を拡大

第4期の特定保健指導からは、より多くの対象者の受診を促すために、ICTを活用した保健指導についても対面と同様に扱うこととされました。在宅勤務をはじめ、柔軟な働き方をする人が増加傾向にあることを踏まえた変更です。

推進にあたっては、通信環境の整備やアプリケーションの導入、個人情報を保護するための措置などがポイントとして挙げられます。

特定保健指導は勤務時間中に行われることがあるため、企業側も従業員が指導を受けやすいようICT設備の導入や個室の整備などが必要です。

対象者の動機づけのために初回面接の早期実施を促進

第4期の特定保健指導では、特定健診の当日など早期の面接指導も初回の面接とみなし、評価するよう制度を変更することで、指導の実施を促しています。

健診直後には対象者の健康意識が高まっており、面接の早期実施は行動変容につながりやすいためです。

医師や保健師などによる早期の面接では、暫定版の行動計画を立てます。その後、健診結果が出そろった段階であらためて計画を完成させ、長期的なサポートを開始します。

企業側も従業員の保健指導の動機づけ・実施率向上に向けて、勤務時間の配慮や必要な情報発信を行うのがポイントです。

特定健診・特定保健指導を活用して健康経営を推進しよう

第4期特定健診・特定保健指導は、生活習慣病を防ぐために保険者が実施する制度です。実効性を高めるためには保険者と企業のコラボヘルスが重要であり、企業側も制度のポイントを押さえる必要があります。

第4期における変更点として、特定健診では、対象者の現状把握や保健指導の実施を促進するために健診項目や質問票の修正が行われました。

また、特定健康指導では、指導の効果を高めるためのアウトカム評価の導入、より幅広い対象者への指導の推進に向けたICT活用の拡大などが行われています。

本記事をもとに第4期特定健診・特定保健指導を理解し、保険者と連携して健康改善に取り組むことで、自社の健康経営を進めていきましょう。

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