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・企業名:株式会社日東物流
・業種 :物流
・従業員:124名(2020年9月末現在)
・所在地:千葉県
・認定部門:中小規模ブライト500
・ウェブサイト
※取材、文:株式会社empheal(エンフィール)
「ごくごく、普通のことしかやっていないんです」と語るのは、代表取締役の菅原拓也氏。しかし、その“普通”を定着させるのに10年以上かかった。
ハードな労働環境が当たり前。そんな物流業界のイメージを覆したのが株式会社日東物流。2018年に物流会社として千葉県で初めて「健康経営優良法人(中小規模法人部門)」に認定され、4年目の今年は上位500法人のみが選ばれる“ブライト500”に選出された。
健康経営について意識が高まるきっかけとなったのは、14年前の死亡事故。健康起因の事故ではなかったものの、そこから従業員の健康の“本質”について考えるようになった。
「従業員の健康は安全運行、延いてはビジネスをうまく回すことにつながる。中身のあるものをしっかりやっていこうと考えました」。従業員の健康を守るためには何が必要かを模索する中で、健康経営優良法人はひとつのガイドラインになった。「足りない項目をチェックして、毎年アップデートしているイメージです。認定されたのは、その結果という形でした」。
一歩間違えれば文字通り命取りになる業界で、健康促進は単なる「福利厚生」にはおさまらない。“なぜそれが必要なのか”を徹底的に考え、継続してきた10年間。ブライト500の認定は、健康経営というトピックに根底から向き合った結果だった。
同社の健康意識に対するフォローアップは、“当たり前”から一歩踏み込んだところに強みがある。健康診断は受診の徹底だけでなく、診断結果をもとに管理栄養士との面談を実施。MRI(脳)検査やSAS(睡眠時無呼吸症候群)検査、心電図検査も、会社の全額負担で行っている。
長時間労働が課題のドライバー業だが、2024年の「働き方改革関連法」の時間外労働の上限規制適用に先駆けて一か月の最大拘束時間293時間の遵守を徹底。さらに2021年10月からは、トラックや社用車を含めた完全禁煙化を予定している。そんな大胆な取り組みができるのも、会社として健康意識を高めるための基盤を作ってきたからだ。
「健康経営は、従業員一人ひとりの意識が高まらないとできません。会社として強制するのではなく、従業員の意識を高めるための環境作りが大切です。運送会社では夢みたいな話だと思っていましたが、徐々に形にできていると思います」。同社にとって、ブライト500への認定はひとつの通過点。運送業界の“当たり前”を塗り替えるため、従業員とともに日々新しい取り組みを考えている。
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