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産業医には非常勤の嘱託医と常勤の専属医がいますが、事業場の規模によって選任できる産業医は異なります。
従業員数が増え産業医の設置を検討しているものの、「嘱託医の選任でもよいのか」「そもそも嘱託医と専属医の違いがよく分からない」などの疑問をもっている人事労務担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、嘱託医と専属医の違いや嘱託医を選任できる条件、嘱託医を選任するメリットについて解説します。
企業で働く嘱託医とは、企業の依頼により一定期間、従業員の健康管理をする医師のことです。非常勤の「嘱託産業医」として嘱託契約(業務委託契約)を結び、従業員の健康指導や職場巡視などを行います。
嘱託医と専業医の違いは、勤務形態や事業場規模における選任義務です。
嘱託産業医は非常勤で、一般的に月1〜数回程度の頻度で業務委託契約をしている職場を訪問します。そのため、複数の企業や医療機関と掛けもちしているケースも少なくありません。
一方専属医(専属産業医)は、常勤として特定の企業と雇用契約を結び、週に3〜5日程度勤務し産業医の業務を行います。
嘱託医・専属医の勤務日数や勤務時間についての基準は、法令で定められていません。契約時に、お互いの合意にもとづいて決める必要があります。
従業員が1,000人以上いる事業場では、専属産業医の設置が義務づけられており、嘱託産業医は選任できません。
【関連記事】常勤の専属産業医とは? 専属産業医の定義や選任基準などを解説
従業員数が50人以上の企業では、産業医の設置が義務づけられています。その中でも、嘱託医が必要なのは、従業員数が1,000名未満の企業に限られています。従業員数に応じて選任する産業医の種類と最低人数は、下表のとおりです。
従業員数 | 産業医の種類 | 産業医の最低人数 |
50名未満 | 選任義務なし | |
50以上~1,000名未満 | 嘱託医も選任可能 | 1名 |
1,000以上~3,000名未満 | 専属医のみ | 1名 |
3,000名以上 | 専属医のみ | 2名 |
ただし、有害業務に従事している従業員が常時500名以上いる企業では、従業員数が1,000名未満でも専属医の選任が必要です。
従業員数には正社員だけでなく、派遣社員やパート、アルバイトの従業員も含まれます。
【参考】厚生労働省「産業医について」
【関連記事】50名未満の事業所にも産業医って必要?―今さら聞けない産業保健vol.3
企業での嘱託医の職務には、以下が挙げられます。
上記の業務を通じて、従業員の適切な健康管理を行います。嘱託医の詳しい業務内容については、以下の記事で解説していますのでご覧ください。
【関連記事】非常勤の産業医とは?専属産業医との違いや報酬相場、選び方のポイント
【参考】厚生労働省「産業医ができること」
嘱託医を選任することのメリットは、以下の2つがあります。
それぞれの内容を解説します。
嘱託医を選任することで、従業員の健康管理が適切にできます。従業員数が50人未満の企業には、産業医の選任義務はありません。
しかし、企業は労働契約法により安全配慮義務が課せられているため、従業員が健康を維持して安全に働ける環境づくりが必要です。
嘱託医は医学の専門知識だけでなく、労働衛生に精通しています。そのため嘱託医を選任し、心身の健康に問題のある従業員への面談指導や職場巡視などを実施してもらうことで、従業員の健康管理が適切にできます。
【参考】厚生労働省「労働契約法のあらまし」
【関連記事】安全配慮義務とは?違反しないために企業が取り組むべき必須ポイント徹底解説
費用を抑えられるのも、嘱託医を選任するメリットです。嘱託医は非常勤になるため、1ヶ月に勤務する日数が限られています。そのため、常勤の専属医と比較すると支払う報酬が少なくなるため、費用の負担を軽減できます。
【関連記事】産業医に支払う費用はどれくらい?報酬相場と報酬以外にかかる費用を解説
嘱託医の探し方には、以下の方法があります。
それぞれの探し方にはメリットとデメリットがあり、以下の記事で詳しく解説していますのでぜひ参考にしてください。
【関連記事】【まとめ】産業医の探し方 紹介を受けられる5つの相談先と選び方のポイント
従業員が50名以上になったら産業医を設置しなければなりません。そのような場合には、非常勤嘱託医を選任することで解決ができます。
嘱託医を選任し、長時間労働者や高ストレス者への面接指導、職場巡視などを実施してもらえば、従業員の健康管理が適切にできます。自社に合った嘱託医を探し、従業員の健康維持に努めましょう。
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※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け