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健康経営銘柄とは、東京証券取引所の上場企業のうち、健康経営に積極的かつ継続的に取り組む優良な企業を顕彰する制度です。
健康経営銘柄に選ばれると、企業イメージの向上などが見込めます。しかし、選定されるには、所定の要件を満たしていなければなりません。
本記事では、健康経営銘柄の認定基準や選定されるメリットを解説します。
健康経営銘柄とは、健康経営に取り組む東京証券取引所の上場企業のなかから、とくに優れた健康施策を立案し、実施している企業を称える制度です。
健康経営に注力している企業を魅力的な投資対象として投資家に紹介し、社会的に評価される環境を整備することで、健康経営の裾野を広げることを目的としています。
健康経営銘柄は2014年に創設され、第10回となる健康経営銘柄2024では26業種から52社が選定されました。選ばれた企業は健康経営を牽引する役割を担うことになります。
【参考】経済産業省「健康経営銘柄」
【関連記事】
健康経営とは?企業が取り入れるメリットや取り組み方法・必要性を徹底解説
どこから手をつけたらいい?健康経営導入の流れと成功のポイント
健康経営銘柄と似た制度に、健康経営優良法人認定制度があります。両者とも健康経営を積極的に実施している企業を顕彰する制度です。しかし「認定・選定機関」と「対象法人」が異なります。
認定・選定機関 | 対象法人 | |
健康経営銘柄 | 経済産業省と東京証券取引所が共同で選定 | 東京証券取引所の上場企業のみ |
健康経営優良法人認定制度 | 日本健康会議が認定 | 制限なし(法人格がない場合は申請不可) |
健康経営銘柄は、経済産業省と東京証券取引所が共同で選定しています。TOKYO PRO Market上場会社を除く東京証券取引所の上場企業のみが選定対象です。
一方、健康経営優良法人認定制度の認定機関は、日本健康会議です。「大規模法人部門」と「中小規模法人部門」の2つの部門で構成されており、上場・非上場問わず申請できます。
健康経営優良法人に認定された法人のうち、大規模法人部門の上位500法人には「ホワイト500」、中小規模法人部門の上位500法人には「ブライト500」の称号が与えられます。
【参考】
経済産業省「健康経営銘柄」
経済産業省「健康経営優良法人認定制度」
【関連記事】
健康経営優良法人制度とは?認定されるメリットや申請方法を解説
ホワイト500とは?メリットや認定要件を分かりやすく解説
健康経営銘柄に選定されると、以下のようなメリットが得られます。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
健康経営銘柄に選ばれると、企業イメージの向上が見込めます。従業員の健康投資に積極的な企業であることをアピールできるため、企業のブランド力向上につながります。
また、健康経営銘柄に選ばれた企業の株価は、TOPIX(東証株価指数)の平均株価を上回る水準で推移しているというデータもあり、株価の上昇が期待できる点もメリットです。
【参考】経済産業省「健康経営の推進について」
健康経営銘柄に選定され、従業員の健康に配慮した企業であることが広く認知されることで、求職者からの注目が高まり優秀な人材を確保しやすくなります。
また、人材の定着率向上が見込める点も健康経営銘柄に選定されるメリットです。健康経営銘柄に選ばれた企業は、全国平均に比べて離職率が低い傾向にあります。
健康経営銘柄の選定企業は、有給取得率と有給取得日数が全国平均より高く、働きやすい職場環境が離職率の低下に貢献していると考えられます。
【参考】経済産業省「健康経営の推進について」
健康経営銘柄2024の主な認定基準は、以下のとおりです。
(出典:経済産業省「「健康経営銘柄2024」に53社を選定しました!」)
申請する場合は、8〜10月に実施される健康経営度調査に回答しなければなりません。申請の時期が近づくと「ACTION!健康経営」ポータルサイトでスケジュールが発表されるので、チェックしておきましょう。
健康経営銘柄の申請から選定までの流れは、以下のとおりです。
健康経営銘柄に選ばれるのは、原則1業種につき1社です。健康経営銘柄に選定された企業は、毎年3月ごろに経済産業省の公式サイトなどで公表されます。
【参考】
ACTION!健康経営「申請について」
経済産業省「令和5年度健康経営度調査【サンプル】」
健康経営銘柄に選定されるためには、健康経営度調査の評価結果が同業種内で最高順位になる、もしくは全業種の最高順位企業の平均点を上回らなければなりません。
2024年度には3,520社もの法人が健康経営度調査に回答しています。回答法人数は右肩上がりに伸びているため、今後も増えていくことが予想されます。
この狭き門を突破するためには、健康経営の取り組みをただ継続するだけでなく、絶えず施策をブラッシュアップしていくことが大切です。
健康経営銘柄の選定に向けて効率よく施策を改善するために活用したいのが、健康経営度調査の回答後に送付・開示されるフィードバックシートです。総合順位や評価の内訳などが詳細に記載されているため、自社の立ち位置や強化・改善すべきポイントが明確になります。
競合他社のフィードバックシートから、自社の施策に活かせる情報を見つけられることもあるでしょう。
【参考】
経済産業省「健康経営銘柄2024選定企業紹介レポート」
ACTION!健康経営「認定企業評価結果(フィードバックシート)の開示」
健康経営銘柄2024に選定された企業の取り組み事例を3つ紹介します。
【参考】経済産業省「健康経営銘柄2024選定企業紹介レポート」
食品、化粧品、医薬品などを製造・販売する株式会社ヤクルト本社では、従業員が健康でいきいきと働き続ける職場環境を目指すために、以下の取り組みを行っています。
全従業員を対象にした健康に関する社内調査の結果を受け、肩こり、腰痛、眼精疲労を軽減するために、毎日全国の事業所でオリジナルの体操を実施。オリジナル体操を実践した従業員の85%が効果を体感しています。
また、女性従業員にがん検診の受診を促すために、医療機関との連携や一部費用の助成も行っています。その結果、2018年度には50%以下だった乳がん・子宮がん検診の受診率が2022年度には60%超に改善されました。
さらに、男性従業員の育児休業取得を後押しするための施策として、社内報に育児休業を取得した男性従業員のインタビューを掲載しました。この取り組みにより2018年度から2022年度の5年間で、男性従業員の育児休業取得率を9.3%から95.0%まで引き上げることに成功しています。
第一三共株式会社は、医薬品の研究開発や製造・販売などを行う企業です。従業員の心理的変化を早期に察知できるよう、年1回のストレスチェックに加えて、年4回のエンゲージメントサーベイを実施しています。
調査結果が一定基準より下回っていたり、前回の調査から大幅に低下したりしている場合は、上長などが当該従業員に声かけをして対策を講じています。
メンタルヘルスケアに注力した結果、2022年度から2023年度の1年間で高ストレス者の割合が5.2%から4.3%に改善しました。
システム開発事業やソリューション事業を展開する株式会社NSDでは、独自に開発した健康アプリを使用して従業員の健康維持・増進をサポートしています。
具体的な施策は、健康アプリへのバイタルデータの登録やウォーキングイベントへの参加などでポイントを付与し、健康関連グッズに交換できる制度の実施です。
積極的に参加したくなるような仕掛けを施すことで、従業員の健康増進につなげています。
健康経営銘柄に選定されれば、従業員を大切にしている企業であることを社内外にアピールできます。企業のイメージ向上や人材の確保・定着につながるので、目指すメリットは大きいでしょう。
健康経営銘柄に選定されるには、健康経営優良法人(大規模法人部門)申請法人の上位500位以内に入る必要があります。
競合他社のフィードバックシートを参考にしながら自社に足りない部分を補強するなど、健康経営銘柄の選定に向けて必要な取り組みを始めていきましょう。
エムスリーキャリア・エムスリーグループが展開する健康経営サービスについてまとめた資料です。 健康経営の関心の高まりや健康経営を疎かにするリスクについても解説しています。
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