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健康経営に取り組む企業が利用できる助成金には、さまざまな種類があります。助成対象となる取り組み要件が細かく規定されている助成金もあるので、申請をする前に助成金の種類や要件を把握しておくことが大切です。
本記事では、健康経営を推進するうえで役立つ助成金・補助金について詳しく解説します。
健康経営とは、従業員の健康管理を企業が成長するうえでの課題ととらえて、戦略的に実践することです。従業員の健康増進のために投資することで、従業員のモチベーションアップや企業全体の生産性向上などが期待できます。
健康経営を取り入れるメリットや取り組み方法などは、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
【関連記事】健康経営とは?企業が取り入れるメリットや取り組み方法・必要性を徹底解説
【参考】経済産業省「健康経営」
健康経営に取り組む際に役立つ助成金・補助金として、以下の9つの制度が挙げられます。
健康経営に取り組む際には初期費用が必要となるため、活用できる助成金・補助金にどのようなものがあるのか確認しておくとよいでしょう。具体的な内容について、詳しく紹介します。
職場環境・従業員の待遇改善のための助成金は、以下の4つです。
それぞれの助成金について解説します。
働き方改革推進支援助成金は、従業員の働き方を改善するための施策を行う事業者に対して支給される助成金です。長時間労働の見直しや年次有給休暇の促進など、職場環境整備にかかった費用の一部が助成されます。
働き方改革推進支援助成金には、以下のコースがあります。
コース | 助成対象となる取り組み |
労働時間短縮・年休促進支援コース | ・労務管理担当者や従業員に対する研修
・人材確保に向けた施策 など |
勤務間インターバル導入コース | ・就業規則や労使協定などの作成、変更
・労務管理用ソフトウェアの導入、更新 など |
団体推進コース | ・市場調査の事業
・新ビジネスモデル開発 など |
業種別課題対応コース(建築業・運送業・病院等) | ・労務管理用ソフトウェアの導入、更新
・労務管理用機器の導入、更新 など |
(出典:厚生労働省「労働条件等関係助成金のご案内」)
コースによって対象となる施策が異なるため、自社の施策に該当するコースを確認しておきましょう。
【関連記事】働き方改革による物流業の2024年問題とは?影響や取り組むべきことを解説
業務改善助成金は、生産性向上のために機械設備や教育訓練などの設備投資を行い、かつ事業場内最低賃金を30円以上引き上げた場合、設備投資費用の一部を助成する制度です。
すでに実施済みの取り組みではなく、これから実施する設備投資や事業場内最低賃金の引き上げが対象となります。対象事業者は、以下のとおりです。
(出典:厚生労働省「業務改善助成金」)
事業場の規模や事業場内最低賃金の引き上げ額などによって、助成上限額が異なります。要件が細かく定められているため、自社が対象となるのか分からない場合は労働局などに相談するとよいでしょう。
人材確保等支援助成金は、人材確保・定着を目指し、労働環境の向上を行う事業主や事業協同組合などに対して助成する制度です。助成条件や対象などによって以下のコースに分かれます。
コース | 助成対象となる取り組み |
中小企業団体助成コース | 中小企業団体が構成員である中小企業者に対して労働環境向上のための事業を行う |
人事評価改善等助成コース | 生産性向上のための人事評価制度、賃金制度の整備に取り組む |
・建設キャリアアップシステム等普及促進コース
・若年者および女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野) ・作業員宿舎等設置助成コース(建設分野) |
建設労働者の雇用環境の改善や技能向上を図るための取り組みを行う
|
外国人労働者就労環境整備助成コース | 外国人特有の事情に配慮した就労環境の整備を行う |
テレワークコース | テレワーク制度を導入し、労働者の人材確保、定着率向上に取り組む |
【参考】:厚生労働省「人材確保等支援助成金のご案内」
人材開発支援助成金は、従業員に対して職務に必要な専門的知識やスキルを習得させるために、計画的に職業訓練などを実施した場合に助成される制度です。人材開発支援助成金には、以下の6つのコースがあります。
コース | 助成対象となる取り組み |
人材育成支援コース | 従業員に対して職務に関する知識やスキル習得のための訓練を計画的に実施する |
教育訓練休暇等付与コース | 有給教育訓練休暇を導入し、実際に適用する |
人への投資促進コース | 高度デジタル人材を育成する訓練、定額制訓練(サブスクリプション型)などを実施する |
事業展開等リスキリング支援コース | 新事業への進出、新商品開発やデジタル化などに向けた訓練を実施する |
建設労働者技能実習コース | 認定職業訓練または指導員訓練のうち建設関連の訓練を実施した場合や、建設労働者に有給で認定訓練を受講させる |
建設労働者認定訓練コース | 雇用する建設労働者に技能向上のための実習を有給で受講させる |
障害者職業能力開発コース | 障害者が働くための教育訓練を継続的に実施する施設の設置・運営を行う |
【参考】厚生労働省「人材開発支援助成金」
従業員の心身の健康をサポートするための取り組みに対し、助成金が支給される制度は以下のとおりです。
従業員が健やかに働ける職場環境をつくるために、チェックしておきましょう。
団体経由産業保健活動推進助成金は、事業主団体などが傘下の中⼩企業に対し、産業保健サービスの提供にかかった費用を助成する制度です。
対象となる産業保健サービスは、以下のとおりです。
による治療と仕事の両⽴⽀援
※化学物質取扱に係る健康相談、改善指導、研修等も対象になります。
(出典:厚生労働省「団体経由産業保健活動推進助成⾦のご案内」)
団体経由産業保健活動推進助成金は、費用総額の90%(上限500万円 ※一定の要件を満たした団体は1,000万円)が支給されます。
【関連記事】
産業保健師とは?仕事内容や産業医・産業看護師との違いを解説
治療と仕事の両立支援とは?対象疾患や取り組み事例も紹介
団体経由産業保健活動推進助成金とは? 補助内容や支給要件を解説
受動喫煙防止対策助成金は、非喫煙者の受動喫煙を防ぐための対策に取り組む中小企業を支援するための助成金制度です。喫煙専用室の設置や改修などにかかる費用の一部が助成(上限額100万円)されます。
工事の実施前に申請が必要となるため、申請のタイミングに注意しましょう。
【参照】厚生労働省「受動喫煙防止対策助成金 職場の受動喫煙防止対策に関する各種支援事業(財政的支援)」
【関連記事】7月納品分「健康経営 禁煙」公開後に設置
両立支援等助成金は、働きながら育児や介護などが両立できる職場環境づくりに取り組む中小企業事業主に支給される助成金です。
従業員が休暇制度・両立支援制度を取得すると申請できます。両立支援等助成金には、以下のコースがあります。
【参考】厚生労働省「2024年(令和6)年度両立支援等助成金のご案内」
【関連記事】7月納品分「改正育児・介護休業法 2025年」公開後に設置
高齢者の雇用をサポートするための助成金・補助金には、以下の2つがあります。
エイジフレンドリー補助金は、高年齢の従業員を含めたすべての従業員が安心して働けるよう、職場環境整備に取り組む事業主を支援するための制度です。エイジフレンドリー補助金には、取り組み内容に応じて以下3つのコースがあります。
コース | 補助対象となる取り組み |
高年齢労働者の労働災害防止コース | 転倒・墜落災害防止対策、腰痛予防対策などに取り組む |
転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コース | 身体機能維持改善のための専門家による身体機能チェックや運動指導などを行う |
コラボヘルスコース | 禁煙指導・メンタルヘルス対策等の健康教育、栄養指導などに取り組む |
高年齢労働者の労働災害防止コースと、転倒防止や腰痛予防のためのスポーツ・運動指導コースで支給される上限額は100万円、コラボヘルスコースは30万円です。複数コースで申請した場合は、100万円が上限額となります。
【参考】厚生労働省「エイジフレンドリー補助金について」
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65歳超雇用推進助成金は、高齢者の雇用管理制度の整備などに取り組んだ際、費用の一部が助成される制度です。施策に応じて、以下3つのコースに分かれています。
コース | 助成対象となる取り組み |
65歳超継続雇用促進コース | 65歳以上への定年引上げや定年廃止などを実施する |
高年齢者評価制度等雇用管理改善コース | 高年齢者向けの雇用管理制度の整備などを実施する |
高年齢者無期雇用転換コース | 50歳以上で定年年齢未満の有期契約労働者を、無期雇用労働者に移行させる |
65歳超継続雇用促進コースは、措置内容や年齢の引上げ幅などに応じて支給額が異なります。
高年齢者評価制度等雇用管理改善コースは、対象となる経費の60%が助成され、上限額は50万円です。
高年齢者無期雇用転換コースは、1事業所あたり10人までを上限とし、対象労働者一人あたり30万円が支給されます。
【参考】厚生労働省「65歳超雇用推進助成金」
助成金や補助金を活用すれば、コストを抑えて健康経営に取り組めます。
事業推進に役立つ施策を実施するための費用を自己資金のみでまかなえない場合、金融機関から融資を受ける必要があり、返済額に利息が上乗せされます。
それに対して、助成金や補助金には返済義務がないため、費用負担を大幅に軽減できます。
健康経営に取り組むうえで助成金・補助金を活用する際は、以下の点に注意が必要です。
申請にあたっての注意点をきちんと把握しておきましょう。
助成金を申請する際は、対象事業の要件などをしっかり把握しておく必要があります。助成金の取得のみを目的に申請すると、自社の取り組む健康経営と合致せず、目指す活動ができない可能性も考えられます。
また、電子申請が可能な助成金や補助金も増えているため、電子申請の方法も確認しておくとよいでしょう。
助成金や補助金は精算払いが多く、取り組みを実施する時点では経費の全額を事業者が負担する必要があります。
機械装置やシステム構築費、事業の遂行に必要な研修費など、各種料金表や見積もり表などを参考に、あらかじめ必要な費用の準備をしておくことが大切です。
助成金や補助金には、申請期限が設けられています。申請時期を把握し余裕を持って申請しましょう。毎年同じ時期に申請の受付をする助成金も多いため、年間活動を計画する際に助成金申請についても組み込んでおくことをおすすめします。
健康経営の推進に役立つ助成金や補助金には返済義務がないため、コストを抑えて健康経営に取り組めます。助成金を利用するには要件を満たしている必要があるため、申請前に助成対象となる取り組み内容をよく確認しておく必要があります。
従業員が働きやすい職場環境に整えるために、助成金を活用して健康経営を推進しましょう。
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