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心の健康づくり計画は、企業が定める従業員のメンタルヘルスケアに関わる中長期的な計画のことです。
心の健康づくり計画には7項目の盛り込むべき内容があり、どの項目に何を記載すればよいのか把握しておく必要があります。
本記事では、心の健康づくり計画に盛り込むべき内容やひな形を紹介します。
心の健康づくり計画とは、従業員のメンタルヘルスケアを推進するために、基本方針や取り組みなどを策定した計画です。
メンタルヘルスケアを効果的に実施するには、中長期的な計画が必要であると考えられています。そのため、心の健康づくり計画を立てて、実施状況を都度評価する必要があります。
心の健康づくり計画の策定は、義務化されていません。しかし、労働安全衛生法にもとづいて厚生労働省が定めた「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、心の健康づくり計画の策定が推奨されています。
【参考】厚生労働省「職場における心の健康づくり」
【関連記事】職場のメンタルヘルスケアとは? 企業が知っておくべき対策を徹底解説
近年、仕事や職場での不安・ストレスを抱える労働者が増加傾向にあるため、職場における心の健康づくり計画を推進することが望ましいと考えられています。
厚生労働省の「令和4年労働安全衛生調査」によると、仕事や職業生活でストレスを感じる労働者の割合は82.2%との結果で、令和3年の53.3%から増加しています。
上記の他にも増加傾向にあるのが、精神障害が原因の労災です。厚生労働省が公表している「令和4年度過労死等の労災補償状況」によると、精神障害に関する労災認定件数は令和4年度が710件で、前年度から81件増加しています。
上記の課題を解決に導くために、厚生労働省が「第14次労働災害防止計画」の中で掲げているのが以下の目標です。
(出典:厚生労働省「職場における心の健康づくり」)
目標を達成するためにも、事業者は心の健康づくり計画を策定し、従業員のメンタルヘルスケアを実施しましょう。
【参考】
厚生労働省「令和4年労働安全衛生調査(実態調査)」
厚生労働省「令和4年度過労死等の労災補償状況」
心の健康づくり計画に盛り込むべき事項は、以下の7つです。
(出典:厚生労働省「職場における心の健康づくり」)
それぞれの内容を詳しく解説します。
本項目では、以下のことを記載しましょう。
心の健康づくり計画で掲げる目標は長期目標として扱い、何年までにどのようなことを達成するかを明確にします。
推進体制は、従業員や管理監督者、産業医など心の健康づくり計画に関わる人材の呼称を羅列して記載します。それぞれの役割についての詳細は、別の項目に記載するため本項目では不要です。
推進事項に関しては以下の項目を立てて、何を実施するのか概要を記載します。
従業員や管理監督者、事業場内産業保健スタッフなど、社内の人材が心の健康づくり計画においてどのような役割を担うのか定義しましょう。
たとえば、「衛生管理者は産業医に協力を仰ぎ、メンタルヘルスケアを実施する」などです。
また、衛生委員会がどのように心の健康づくり計画に関わっていくのか、その位置付けも明らかにしましょう。
【関連記事】【産業医寄稿】事業場内産業保健スタッフ等によるケアは何を行うのか
本項目では「4つのケア」を軸に、誰がどういう目的でどのようなメンタルヘルスケアを実施するのか定義します。
たとえば、ストレスチェックや教育について定義する場合は、事業場内産業保健スタッフが従業員のセルフケアを推進する目的で実施することを記載しましょう。
【関連記事】4つのケアでメンタルヘルスケアを推進しよう!具体的な取り組み方法を解説
本項目では、従業員がどの事業場外資源を利用できるのかを定義しましょう。たとえば、産業医や提携クリニック、その他相談可能な部署へどのような内容を相談できるかを明記します。
【関連記事】【産業医寄稿】事業場外資源によるケアの種類と役割を知っておこう
心の健康づくり計画には、個人のプライバシーに関する内容も盛り込まなければなりません。
個人のプライバシーとは、ストレスチェックの結果や産業医などへの相談内容、健康情報などです。また、知り得た個人情報については法令に遵守して扱う旨を明記します。
本項目では、自社で策定した心の健康づくり計画の評価基準の設定と、目標に対する実施状況の評価を記載しましょう。また、目標達成状況を踏まえて次期の年間計画を見直し、評価基準を再設定します。
先述した6つの項目以外で、心の健康づくりに必要な措置を記載します。
記載する内容は、どのような内容の措置を実施するか、どのような取り組みをしたかなどです。たとえば、セルフケア促進のための情報を提供するポータルサイトを立ち上げる計画や、その効果を測るために設定した目標閲覧数など、自主的に実施する内容を記載します。
厚生労働省は、心の健康づくり計画のひな形(Word)を公開しています。
(参考:厚生労働省:「事業場における心の健康づくり計画(例)」)
また、鹿児島産業保健総合支援センターのホームページでも、Excel形式のひな形と作成手順書を配布しているので活用するとよいでしょう。
メンタルヘルスケアは継続性をもって計画的に実施することが重要なため、心の健康づくり計画とあわせて年間計画を作成すると効果的です。
心の健康づくり年間計画を作成する際は、月ごとに取り組む内容を決めます。たとえば、その月の衛生委員会で話し合う内容や、何月に相談窓口を設置するかなど、メンタルヘルスケアに関わる年間の活動計画を立てましょう。
また、計画に対して評価基準を決めておくと、次期の年間計画を立てるときに、より具体的で効果が得やすい内容にブラッシュアップできます。
【参考】厚生労働省「心の健康づくり年間計画の作成について」
心の健康づくり計画で、留意すべきメンタルヘルスケアの3段階は以下の項目です。
それぞれの内容について解説します。
【参考】厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策の現状等」
一次予防では、従業員がメンタルヘルス不調にならないよう対策することが求められています。たとえば、職場環境の整備やメンタルヘルス不調に陥る前にストレスチェックを実施して対策することが挙げられます。
【関連記事】ストレスチェックの集団分析の方法とは?分析結果別の対処方法も解説
メンタルヘルスケアの二次予防は、重症化する前にメンタルヘルス不調を発見し、適切な措置を取ることです。
また、同僚や上司の目から見て異変を感じた場合は、相談に乗ったり産業医や医療機関への受診を促したりすることも二次予防につながります。
三次予防では、メンタルヘルス不調になってしまった従業員に対して、治療や職場復帰を支援します。産業医などの意見を聞きながら、必要に応じて勤務時間の短縮や勤務場所の変更、休職などの措置を取りましょう。
一度メンタルヘルス不調になると、期間を置いて再発してしまうこともあるため、産業保健スタッフと連携し職場復帰支援プランを作成して、予防することが重要です。
【関連記事】産業医面談が休職時に必要な理由とは?タイミングと復帰支援の方法を解説
【関連資料】【産業医監修】従業員の復職対応6点セット
4つのケアとは、厚生労働省が示す以下のメンタルヘルスケアの指針です。
上記のケアを含めて心の健康づくり計画を策定します。4つのケアによるメンタルヘルスケアの推進については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
【関連記事】4つのケアでメンタルヘルスケアを推進しよう!具体的な取り組み方法を解説
心の健康づくり計画は、従業員の心の健康を保つために厚生労働省が推奨している計画です。基本方針や推進体制、計画を推進するために実施すべき内容を策定することで、自社の従業員のメンタルヘルスケアを効果的に実施できます。
また、心の健康づくり計画の効果を測るために、評価基準を設けておくことも重要です。心の健康づくり計画を立て、従業員のメンタルヘルスケアに積極的に取り組みましょう。
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