#php if (is_mobile()) : ?> #php else : ?> #php endif; ?>
集団の健康状態を見る指標として、平均寿命と健康寿命があります。
「人生100年時代」といわれる現代において、ただ寿命を伸ばすだけでなく、健康に過ごせる期間を伸ばすことが重視されるようになってきました。健康寿命の延伸には、個人の意識改革だけでなく企業の取り組みも重要です。
この記事では、健康寿命の定義や、従業員の健康寿命を延伸するために企業が取り組むべきことについて解説します。
健康寿命とは、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指します。
集団の健康状態を見る指標として、かつては平均寿命が一般的に使用されていました。しかし、日常の生活の質も重視されるようになり、健康寿命が注目されるようになりました。
日本では、3年ごとに行われる国民生活基礎調査(大規模調査)で得られたデータから健康寿命を算出しています。
厚生労働省が公表している「令和4年版厚生労働白書」によると、2019年時点での日本人の健康寿命は男性72.68歳、女性75.38歳となっています。
【参考】
厚生労働省「令和4年版厚生労働白書」
e-ヘルスネット「健康寿命の定義と算出方法」
健康寿命と平均寿命の違いは、以下のとおりです。
健康寿命 | 日常生活に制限なく健康に生きられる期間 |
平均寿命 | 生まれてから亡くなるまでの期間 |
2023年時点の日本人の平均寿命は男性81.09歳、女性87.14歳であり、平均寿命と健康寿命には約10年の差があります。平均寿命との差は、病気や加齢などにより日常生活に支障が出る期間があることを意味します。
【参考】厚生労働省「令和5年簡易生命表の概況」
いつまでも元気で充実した人生を過ごすためには、健康寿命を延伸することが大切です。事業者は従業員の健康寿命を延伸するために、以下のことに取り組むとよいでしょう。
それぞれの取り組みについて詳しく解説します。
従業員の健康寿命の延伸のために、健康診断の受診を推進しましょう。健康診断を受診して病気を早期に発見し、早めに治療することで健康寿命の延伸につながるからです。
病気を発症すると日常生活に支障をきたし、健康寿命が縮まる原因となります。日本人の死因第1位であるがんは、とくに早期発見・早期治療が重要です。
【参考】厚生労働省「令和5年(2023)人口動態統計月報年計(概数)の概況」
【関連記事】
健康診断は企業の義務!実施すべき健診の種類や対象者を解説
健康診断の受診率向上につなげる方法は?企業の成功事例も紹介
健康寿命の延伸のためには、生活習慣病を予防することも大切です。
生活習慣病には、日本人の死因の上位であるがんや循環器疾患、重大な合併症を引き起こす可能性がある糖尿病などが含まれます。これらの疾患の発症には、食事や運動、喫煙などの生活習慣が大きく関わっています。
健康セミナーを開催したり、社員食堂で健康的な食事を提供したりすることによって、生活習慣病のリスクが下がると、従業員の健康寿命は延伸するでしょう。
【参考】e-ヘルスネット「生活習慣病とは」
【関連記事】死の四重奏とは?発症要因になりやすい生活習慣や企業が講ずるべき対策を解説
従業員の健康寿命を延伸するためには、メンタルヘルスのケアも重要です。
長時間労働や職場の人間関係のストレスにより、うつ病などの精神疾患を発症する可能性があります。ストレスチェックやストレスを抱えた従業員へカウンセリングなどを行い、メンタルヘルス不調の早期発見・早期治療につなげましょう。
また、福利厚生を充実させ、従業員がストレスなく働ける環境を整えることも大切です。
【関連記事】
職場のメンタルヘルスケアとは? 企業が知っておくべき対策を徹底解説
ストレスチェック制度とは?実施によって得られるメリットや導入手順を解説
従業員の健康寿命の延伸に取り組むことで、企業には以下のようなメリットがあります。
それぞれについて詳しく解説します。
健康寿命延伸の取り組みにより生産性の向上が期待できます。従業員の健康状態が良くなると、本来のパフォーマンスを発揮できるようになるからです。
また、病気による欠勤や離職のリスク軽減にもつながるため、安定して商品やサービスを提供できるでしょう。
健康寿命の延伸は、医療費の軽減にもつながります。
従業員の健康状態が良くなると、医療機関を受診する頻度が減ります。福利厚生として医療費の補助制度などを設けている企業では、企業が負担する医療費の軽減につながるでしょう。
また、病気による離職を減らせるので、新規採用や新人教育のコストも削減できます。
従業員の健康寿命の延伸に取り組むことで、企業の評価が高まります。健康寿命の延伸に取り組んでいることをアピールすれば、従業員を大切にしている企業と認識され、企業のイメージアップや優秀な人材の確保が期待できます。
厚生労働省では、2012年度から健康寿命を延伸するために優れた取り組みをしている企業や自治体を表彰する「健康寿命をのばそう!アワード」を実施しています。
ここでは、「健康寿命をのばそう!アワード」で表彰された企業事例を紹介します。
JFEスチール株式会社 西日本製鉄所では、作業中の転倒や腰痛による欠勤が多かったことから、勤務中の作業動作を分析し、オリジナルの体操を制作しました。
オリジナル体操を各職場で毎日実施のうえ、体操前後で転倒リスクが改善されているのか検証も行いました。取り組みを継続した結果、作業中の転倒や腰痛による欠勤が減少しています。
【参考】スマート・ライフ・プロジェクト事務局「健康寿命をのばそう!アワード 総合事例集(運動分野)」
建設業を営む三幸土木株式会社では、体重記録や健康目標をチェックするアプリを導入し、従業員の日々の健康チェックの習慣化をサポートしています。
また、自社農園で採れた野菜を従業員に無料配布したり、野菜レシピを毎月の給与明細に添付したりすることで野菜を積極的に摂るように促しています。
【参考】スマート・ライフ・プロジェクト事務局「健康寿命をのばそう!アワード 総合事例集(食生活分野)」
アクロクエストテクノロジー株式会社では、全従業員で話し合い、当時ヘビースモーカーだった社長も含めて禁煙の取り組みを実施しました。
喫煙所に行く際はタイマーをかけたり、喫煙所に行っているあいだに電話がかかってきた場合にペナルティを科したりするなどして、禁煙に取り組みました。
施策を行った結果、全社禁煙に成功。喫煙者と非喫煙者が一緒になって話し合い、禁煙のための取り組みを考えたことが成功につながった要因だと考えられます。
【参考】スマート・ライフ・プロジェクト事務局「健康寿命をのばそう!アワード 総合事例集(禁煙分野)」
健康寿命の延伸は、個人の人生をより良いものにするためだけでなく、企業の生産性の向上や医療費の削減のためにも重要です。企業と個人それぞれが健康寿命の延伸に取り組む必要があります。
従業員に健康診断の受診を促して疾患の早期発見につなげたり、メンタルヘルスのケアをしたりすることは企業の義務です。疾患の早期発見・早期治療や精神疾患の予防は健康寿命の延伸につながります。
また、健康寿命を延伸するためには、福利厚生を充実させるなど、従業員にとって働きやすい環境をつくることも大切です。
他の企業の事例も参考にしながら、従業員の健康寿命を延伸するための取り組みを検討してみましょう。
エムスリーキャリア・エムスリーグループが展開する健康経営サービスについてまとめた資料です。 健康経営の関心の高まりや健康経営を疎かにするリスクについても解説しています。
50人以上の事業場向け
1,000人以上の事業場向け
※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け