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労働基準監督署は、適切な労働環境を守るために臨検を行い、事業者が労働基準法などの法令を守れているか確認しています。
臨検は原則として抜き打ちで実施されるため、行政指導や行政処分の対象とならないように日頃から備えておかなくてはなりません。
しかし「臨検」を聞いたことはあるけれども、調査内容やどのような点を指摘されるのか分からない人事労務の担当者も多いのではないでしょうか。
この記事では、臨検の種類や必要な書類などについて解説します。
労働基準監督署が行う、企業が労働基準法などの法令を守っているかを確認する調査を臨検監督(通称・臨検)といいます。労働基準監督官が企業を訪問して法律を遵守した経営ができているか確認し、問題があれば是正するように命じます。
労働基準監督官には、強制的に立ち入り調査(臨検)をする権限が法律により付与されており、企業は臨検を拒否できません。
【参照】e-GOV法令検索「労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)」
労働金監督署の臨検は、調査のタイミングによって4つに分類されます。
それぞれについて解説します。
【参考】厚生労働省「労働基準監督官の仕事」
定期監督とは、労働基準監督署が毎月対象となる事業場を選定して、法令全般にわたって調査することです。定期監督は毎月行われ、法令をきちんと守っている企業であっても対象となります。
申告監督は、労働者から企業が法令違反しているとの申告があった場合に、真偽を明らかにするための調査です。
労働者から申告があったことを事業者に伝えた上で実施する場合と、労働者からの申告を隠して定期監督と同様に実施する場合があります。
災害時監督は、労働災害による死亡者が出たり、同時に多くの人が被災したりした場合に、労働災害の原因を明らかにして再発を防止するために行う調査です。事故現場の様子や安全管理体制などについて調査します。
再監督は、すでに是正勧告を受けた企業を対象として実施する再調査です。是正報告書の提出後に、指摘された違反内容を適切に改善しているかを確認するために行われます。
労働基準監督署には逮捕・送検の権限があり、是正勧告に従わなければ書類送検されることもあります。
労働基準監督署の臨検で必要な書類は、以下のとおりです。
事前に必要書類に関して通知される場合もありますが、調査の途中で追加書類を提出しなければならないこともあるため、日頃からきちんと管理しておく必要があります。
労働基準監督署の臨検は、以下の流れで行われます。
それぞれの内容を解説します。
臨検は、予告なく抜き打ちで実施する場合と、事前に調査予定日を通知して実施する場合があります。
予告なしで実施する場合でも責任者・担当者が不在で対応できないときは、日程調整に応じてもらえることもあります。
調査予定日を予告して実施するパターンであっても、予告日から調査予定日までの期間は短めです。都合が合わない場合は、労働基準監督署に相談し日程を決めましょう。
臨検は、以下の流れで行われることが多いです。
労働基準監督官2名が調査のために企業を訪れ、自己の身分と訪問の目的を明かした上で責任者との面会を要求します。
その後、労働関係書類の確認や聞き取り調査により、労働条件や労働環境が法令を遵守しているかチェックします。
調査実施後、企業に結果報告があります。是正すべき項目がなければ臨検は終わりです。
是正すべき項目や法令違反があったときは、口頭での改善指導に加えて、指導票・是正勧告書・使用停止等命令書が交付されます。
文書 | 内容 |
指導票 | 法令違反ではないものの、改善すべき項目がある場合 |
是正勧告書 | 法令違反がある場合 |
使用停止等命令書 | 企業の法令違反により労働者が危険な状態にある場合 |
調査の結果、是正すべき項目や法令違反を指摘された場合は、定められた期日までに指摘された内容を是正して、是正報告書を提出します。
是正が終わっていない場合でも、途中経過報告として提出できます。
労働基準監督署の臨検で指摘されやすい項目について解説します。
労働基準法や労働安全衛生法に沿った運用ができているか確認しておきましょう。
臨検では、以下のような労働時間に関する事項をチェックされることが多いです。
従業員の労働時間は、労働基準法第36条で上限が定められています。36協定を結ぶことで時間外労働が法的に可能になりますが、労働時間は適切に集計しなければなりません。
タイムカードや出勤簿などの労働時間を管理できる仕組みが整備されているかもチェック項目となります。
【参考】厚生労働省「36協定で定める時間外労働及び休日労働について留意すべき事項に関する指針」
【関連記事】【社労士監修】新36協定の基本のキ│時間外労働の上限規制と特別条項の変更点を解説
臨検では、賃金に関するチェックも行われます。具体的なチェック項目は、以下のとおりです。
事業者は、賃金台帳を作成し一定期間保管しておかなければなりません。賃金の不払いやサービス残業は労働基準法違反であるため、発覚した場合は臨検で是正勧告されます。
労働安全衛生法により、事業者は年1回の健康診断を実施しなければなりません。また、常時50人以上の企業では年1回のストレスチェックの実施も義務付けられています。
臨検では、健康診断やストレスチェックの実施状況、必要に応じて適切な事後措置をしているかを確認されます。
【参考】
厚生労働省「ストレスチェック制度導入マニュアル」
厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しよう」
【関連記事】
健康診断は企業の義務! 会社で実施される健康診断の種類、対象者などを解説
ストレスチェック制度とは?導入された背景や目的、実施時の流れを解説
安全衛生管理に関するチェック項目は以下のとおりです。
産業医がきちんと機能しているか、安全衛生に対する取り組みができているかなどを確認します。
【関連記事】
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産業医の選任義務とは?設置基準や選任届について解説
労働基準監督署の臨検に関して疑問に感じやすい点を解説します。
労働基準監督署が臨検に来る理由は、労働基準法などの法令を遵守しているか確認するためです。
定期的な調査だけでなく、従業員からの申告や労働災害の発生などを理由に来る場合もあります。
臨検は抜き打ちで実施されることもあります。調査予定日を予告して実施する場合でも、予告日から調査予定日までの期間は長くはありません。
日頃から労働基準法などの法令を遵守して備えておきましょう。
労働基準監督署の臨検では、労働条件や健康診断の実施、事業場の安全衛生などがチェックされます。是正すべき項目や法令違反があると、行政指導や行政処分の対象となってしまいます。
臨検は原則として抜き打ちで実施されるため、日頃から労働基準法などの法令を遵守して備えておきましょう。
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