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ドクターストップで休職に。診断書の適切な依頼方法と会社への提出手順を解説

医師からドクターストップがかかり、会社から診断書の提出を求められた場合、どのように手続きを進めればよいのでしょうか。本記事では、診断書の内容や休職手続きの具体的な流れについて、一般的なケースを元に解説します。

主治医から診断書をもらうには

診断書の作成医師に伝えるべきこと

不調を抱えたまま仕事を続けることはさらなる体調悪化を招くおそれがあります。一方で、収入の面などから仕事を休むことに躊躇してしまう場合もあるでしょう。

休職中は傷病手当金を受け取りながら雇用を継続できますので、可能な限り速やかな診断書の提出と休職の開始が望まれます。

主治医に診断書をスムーズに作成してもらうために、診察時に以下の点を伝えるようにしましょう。

また、休職手続きのため、会社からの要望に応じて、事前に「記載してもらうべき情報」を確認した上で、医師に診断書を作成してもらいます。

  • 症状と仕事への影響:どのような症状があり、それが仕事のどのような業務に支障をきたしているのかを具体的に伝えます。
  • 休職を希望する旨:休職を希望していることをはっきりと伝えます。
  • 会社の就業規則:もし会社の就業規則で診断書に特定の記載が求められている場合は、その旨を医師に伝えておきましょう。

診断書は即時発行されないことが多いため注意する

基本的に患者からの要望がない限り医師が診断書を作成することはありません。これは、診断書の作成に費用が発生するからです。

診断書は診察後に発行されることが一般的です。よって、「休職するほどではない」と医師が判断したような場合では、休職を目的とした診断書が発行されないことも考えられます。

このように、医師は診察を通じて休職の必要性やその緊急性について判断するため、一部のクリニックでは初診日に診断書の即時発行が難しい場合や、診断書作成に数日かかる場合もあります。

診断書の発行にかかる期間については事前にクリニックに確認しておくと安心です。特に、メンタルヘルスを理由とした休職診断書については、精神科であり産業医の吉野聡先生が解説した記事がありますので、ぜひ参考にしてください。

 

休職診断書に記載される主な6つの内容

診断書に記載される内容は、診断書を発行する医療機関や医師によって異なりますが、一般的には以下の項目が含まれます。

  1. 患者の情報:氏名、生年月日、住所など
  2. 病名:国際疾病分類(ICD-10)に基づいた正式な病名
  3. 症状の経過と現在の状態:いつから症状が現れたか、現在の具体的な症状など
  4. 要休業期間(加療期間):「〇年〇月〇日から〇年〇月〇日まで」といった形で、医師が必要と判断した休職期間が記載されます。
  5. 就労の可否:「〇〇の症状により、当期間は就労不能と診断する」といった内容が記載されます。
  6. 治療内容:服薬内容や通院の頻度など

診断書を依頼する際の注意点

診断書は病状や休業の必要性を会社に理解してもらい、証明する重要な書類です。よって、医師が診断書を作成する際に、事前に現在の具体的な症状や、それが仕事にどう影響しているかを正確に伝えましょう。

また、多くの企業では、休職の正当性を判断するために「就労不能」という文言が診断書に記載されていることを求めます。この点が明確に記載されているか確認しましょう。

 

会社への診断書提出と休職手続きの流れ

主治医から診断書を受け取ったら、会社の就業規則に沿って休職手続きを進めます。ここでは、一般的な休職手続きとその流れについて紹介します。

まずは直属の上司や人事担当者など、定められた窓口に連絡を入れ、ドクターストップがかかり、休職が必要になった旨を伝えます。また、「休職したい」という希望を伝えることも大切になります。

その上で、会社の指示に従い、診断書を提出します。提出方法は、直接手渡し、郵送、メールなど、会社によって異なります。

なお、提出前には診断書のコピーを取っておきましょう。万が一の紛失や、傷病手当金などの申請で再確認が必要になった際に役立ちます。

次に、診断書と併せて休職届を提出します。会社が用意した書式にて「休職届」や「休職願」の提出が求められる場合があります。

その後、人事担当者や産業医との面談が行われます。これは、休職の妥当性を改めて確認するために行われます。

 

傷病手当金の支給要件と申請

休職期間中は、安心して治療や療養に専念することが最も重要です。休職期間中の経済的な不安を軽減するために、健康保険組合等から支給される「傷病手当金」制度があります。

傷病手当金とは、病気やケガで一定期間以上、仕事を休んだ場合に生活保障として支給される手当です。その支給要件は次のようになっています。

傷病手当金の支給要件

  • 業務外の理由による病気やケガであること
  • 療養のために業務にあたることがきないこと
  • 連続した3日間(待機期間)を含み4日以上休んでいること
  • 休業期間中に給与の支払いがないこと

傷病手当金の支給額は、支給開始日の以前12ヵ月間の標準報酬月額を平均した額を基準に計算されます。支給期間: 支給開始日から最長1年6ヵ月となっています。

傷病手当金の申請には、会社と医師の記入が必要な申請書を提出します。

なお、一般的に傷病手当金の申請には、別途診断書の提出は不要です。申請書に医師が「労務不能である」と証明する記入欄がありますので、主治医に記入を依頼してください。

 

休職期間中の過ごし方

休職期間中は、仕事から完全に離れ、心身の回復に専念することが最も重要です。主治医の指示に従い、通院や服薬など治療に集中します。

休職期間中もなるべく規則正しい生活を送り、十分な睡眠と栄養を確保することが回復の土台となります。無理に何かをしようとせず、心と体をゆっくり休ませましょう。

また、仕事からは離れることを意識します。体調確認や生活状況の確認といった会社からの最低限の確認は発生することが一般的ですが、業務を行うことは避けます。よって、メールや電話の確認はしないようにしましょう。

同僚からの連絡も、仕事の話は避けてもらうよう伝えておくと安心です。仕事のことを考えてしまうと、回復が遅れる原因になります。

また、症状が落ち着いてきたら、散歩や軽い運動など、無理のない範囲で体を動かすことから始めましょう。

趣味や好きなことに時間を費やすことも、心身のリフレッシュに繋がります。

復帰に向けた準備

主治医から許可が出たら、復帰後の生活リズムを整える練習を始めます。

会社に提出する復職診断書や、復職後の勤務形態について、主治医や会社の産業医と相談する準備を進めましょう。復職までの流れについてはこちらの記事で解説していますので、参考にしてみてください。

また、一般的に復職の際も産業医や人事担当者との面談が行われます。「どのようなことを話すのか?」などは、関連記事で紹介しています。

 

まとめ

ドクターストップがかかった際は、主治医と会社、そして必要に応じて産業医と密に連携しながら手続きを進めることが大切です。

診断書は、あなたの病状を会社に証明する重要な書類であり、その記載内容が休職やその後の手続きに大きく影響します。

また、金銭的な不安を軽減するための傷病手当金など、利用できる制度をしっかりと活用することも大切です。

参考:厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」

エムスリーキャリア健康経営コラム編集部

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