#php if (is_mobile()) : ?> #php else : ?> #php endif; ?>
リワークは、復職を目指す従業員に対して段階的に支援を行い、スムーズな職場復帰をサポートするためのプログラムです。休職者にとってリワークは、仕事に戻るための第一歩となり、復職成功への道を開く重要なプロセスです。
従業員が安心して復職できるよう、事業者は適切なサポート方法について理解を深めておくことが大切です。
本記事では、リワークプログラムの種類や内容、メリット・デメリットを解説します。
リワークとは、うつ病やパニック障害などのメンタルヘルス不調により休職している労働者の復職をサポートするためのリハビリテーションプログラムです。「return to work」の略称で、リワーク(復職支援)プログラムとも呼ばれます。
リワークの主な目的は、職場復帰の支援および復職後の再休職の予防です。リワークは、休職者の職場復帰に対する不安を解消したり、職場での適応力を高めたりするための重要なステップです。
そのため、事業者は積極的に取り入れることを検討するとよいでしょう。
【参考】一般社団法人日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」
リワークプログラムには、以下の3種類があります。
それぞれの内容について解説します。
医療リワークは、医療機関で行われるリワークプログラムです。医師や作業療法士、心理職などさまざまな専門職が連携して医学的リハビリテーションを行います。
医療リワークリワークプログラムの対象者は、基本的には休職者ですが、家族や上司が参加できるプログラムもあります。職場環境や家庭でのサポート体制についてや、問題解決に向けたアドバイスを得られる点がメリットです。
医療リワークは、自立支援医療制度や健康保険制度の適用対象なので、かかった費用の3割負担で利用できます。
【参考】一般社団法人日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」
職リハリワークは、全国47都道府県に設置されている「地域障害者職業センター」で実施されるリワークプログラムです。独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構が運営しています。職リハリワーク対象者は、休職者と雇用主です。
職リハワークでは、以下のような支援が行われます。
対象者 | 支援内容 |
休職者 | ・生活リズムの立て直し
・職種に応じた職業訓練や指導 ・ストレスの対処法やコミュニケーションスキル向上の指導 |
雇用主 | ・復職にあたっての留意事項など、病気の理解の促進に関する助言
・復職後の職務設定の仕方などの助言 |
職リハリワークの目的は、休職者と雇用主への支援を通じて職場復帰を促進することです。プログラムは、休職者・雇用主・主治医の3者の合意にもとづき、3~4ヶ月間実施します。
職リハリワークは無料で利用できます。ただし公務員は対象外です。
【参考】一般社団法人日本うつ病リワーク協会「リワークプログラムとは」
職場リワークとは、企業内で実施する復職支援プログラムです。休職から復職して安定して働けるかを見極め、職場復帰をスムーズに行えるようにするために実施します。
復職者が再休職しないようにするためには、事前にサポート体制を整えておくことが重要です。厚生労働省は、各企業に対して「職場復帰支援プログラム」の策定を求めています。
復職支援プログラムとは、休職開始から復職までの流れを明確にし、復職者が安心して職場復帰できるためのガイドラインや指針を示すものです。
復職支援プログラムを定めることで、復職後の業務にスムーズに戻れるようサポートできます。
【参考】厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」
【関連記事】
産業医面談が休職時に必要な理由とは?タイミングと復帰支援の方法を解説
従業員の再休職を防ぐには復職支援が必須!産業医との連携による支援の流れを解説
リワークで実施される主なプログラムの主な内容は、以下のとおりです。
それぞれのプログラムの内容を解説します。
リワークでは、自己分析シートなどを用いて、症状が現れた経緯や環境などの自己分析を行います。自己分析を行う目的は、自身の課題を把握し再休職をしないための対策を考えるためです。
また、参加者同士が自己分析した内容を発表し合うこともあります。各参加者の経験や対策方法を知ることで、新たな気づきや改善点が見つかることもあるでしょう。
リワークでは、ストレスを軽減するためのセルフケアについて学びます。セルフケアとは、ストレスに気づき、自身でストレスに対処してメンタルヘルス不調を予防するためのケアです。
セルフケアの方法を身につければ、ストレスがかかる状況に陥ったとしても自発的に対処できるようになるため、再休職のリスクを軽減できます。
【関連記事】セルフケアとは?種類や具体例を紹介
リワークの一環として通勤訓練も実施します。通常の通勤経路・通勤時間で、自宅から職場付近まで歩き、通勤のシミュレーションをします。通勤訓練は週1回からスタートし、徐々に回数を増やしていくのが一般的です。
通勤訓練をすることで、通勤に必要な体力をつけられます。また、通勤訓練には、休職中の生活リズムを整える目的もあります。
【関連記事】リハビリ出勤(試し出勤)制度とは?期間の目安や導入時の注意点を解説
業務で必要となる集中力や問題解決能力を向上させるために、リワークでは復職へ向けたスキルアップトレーニングを行います。
スキルアップトレーニングの主な内容には、以下などが挙げられます。
スキルアップトレーニングにより復職後に求められる能力を強化できるため、自信をもって職場に戻る準備を整えられます。
医療リワークには、復職後の不安軽減や再休職防止のために、フォローアッププログラムがあります。
フォローアッププログラムでは、実際に復職してみて感じた不安や悩みをヒアリングし、問題点を解決するための対策を復職者と一緒に考えます。
また、自身の成長を認識してもらうこともフォローアッププログラムの目的の一つです。休職する前とリワークに参加して復職した後までの過程を振り返り、自身の成長を認識してもらうことで自信につなげます。
【関連記事】産業医の復職面談の目的、従業員が職場復帰できる基準とは?
企業がリワークを取り入れるメリットには、以下などが挙げられます。
それぞれの内容について解説します。
リワークのメリットは、復職後の負担を軽減できる点です。プログラムを受けることで、業務に必要なスキルやコミュニケーション能力の向上などが図れるため、復職後スムーズに職場に適応しやすくなります。
また、リワークは決まった日・時間に通うため、休職者の生活リズムが整いやすいことも特徴です。休職中に崩れていた生活リズムが安定することで、体力面での不安も軽減されるでしょう。
リワークを通じて体調を崩した原因を客観的に把握し、ストレスの対処法を学ぶことで再休職の予防につながります。
自己分析により自分がどのような状況や環境でストレスを感じやすいかを理解できるため、ストレスを感じやすい場面に直面しても対処しやすくなるからです。
また、リワークにより不安や怒り、プレッシャーに対する対処法を身につけることで、休職する前の思考パターンに陥るのを防げるため、再休職するリスクが低減します。
リワークを取り入れるデメリットは、以下の2つが挙げられます。
メリットだけでなくデメリットについても理解しておきましょう。
リワークプログラムは通常3〜4ヶ月の期間を要するため、復職までに時間がかかります。そのため、継続して参加するのがつらいと感じ、途中で挫折してしまう可能性があります。
リワークプログラムの種類によって一定の費用が発生するため、休職者の経済的負担が懸念されます。医療機関や福祉施設などで行われるリワークに通う場合、交通費や食費なども休職者の自己負担となります。
リワークを行っている間は休職扱いとなり給与の支給はないため、休職者は経済的に不安定な状態に陥る可能性があります。
休職者がリワークを「しんどい」と感じている場合、以下のような対応をしましょう。
休職者に対して、リワークプログラムへの参加を強制しないようにしましょう。休職者の体調やメンタルの状態を最優先することが大切です。
休職者がリワークをしんどいと感じている場合は、リワークに通う日数や時間を減らすなどの調整をしましょう。
休職者がリワークをしんどいと感じている際は、干渉しすぎないよう注意しましょう。「休職者の助けになりたい」と思うことは悪いことではありません。しかし、詮索しすぎたり気を遣いすぎたりすると、かえって休職者の負担となり逆効果になる可能性があります。
迅速にサポートできるフォロー体制を整えておきましょう。休職者が「リワークに通うことがしんどい」と思っているときに、サポートが受けられる環境が整っていれば、休職者の心の安定につながります。
リワークは、復職に対する不安を解消し安心して職場復帰をするための重要なステップです。
リワークでは、業務に必要なスキルやコミュニケーションの取り方を学べるため、復職後の負担が軽減されます。また、セルフケアやストレス対処法を身につけることにより、再休職の予防にもつながります。
休職者がリワークをしんどいと感じた場合は参加を強要せず、通う日数や時間を調整するなどの配慮が大切です。
従業員が安心して復職できるようリワークへの理解を深め、適切な支援を行いましょう。
休職中の従業員が職場復帰をするにあたり、事業者にはさまざまな対応が求められます。 本資料は産業医監修のもと、厚生労働省「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」の内容に基づいて作成した以下の資料をセットにしたものです。 流れがわかる!従業員の職場復帰支援ガイド 復職及び就業上の配慮に関する情報提供書 復職支援に関する情報提供依頼書 産業医面談記録表 両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成フォーマット 生活記録表 「従業員の職場復帰の流れについて把握したい」 「従業員の職場復帰時に必要な資料がほしい」 とお考えでしたら、ぜひご活用ください。
50人以上の事業場向け
1,000人以上の事業場向け
※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け