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ロコモティブシンドロームは、人の移動機能が衰えた状態です。事業場でロコモティブシンドロームの従業員が発生すると、業務が滞るなどの影響が出る可能性があります。
健康経営促進のためには、ロコモティブシンドロームやその予防策を事業場で周知しておくことも方法の一つです。本記事では、ロコモティブシンドロームを引き起こす原因や予防策、チェック方法などを解説します。
ロコモティブシンドロームとは運動器症候群のことで、「ロコモ」という略称でも呼ばれています。運動器症候群は、骨や筋肉など体を動かすための組織に障害が起き、座る・立つ・歩くなどの移動機能が衰退した状態です。
ロコモティブシンドロームの影響で身体が動かしにくくなると、筋力や体力がさらに衰えて介護が必要になる場合があります。要支援・要介護となる原因のなかで、ロコモティブシンドロームと関連性があると想定される「骨折・転倒」の割合は全体の13.9%です。
この数値は、認知症(16.6%)・脳血管疾患(16.1%)についで第3位であり、ロコモティブシンドロームへの対策は重要といえます。
【参考】厚生労働省「SMART LIFE PROJECT」
健康経営とは、事業場において経営戦略的な観点から、従業員の健康管理に取り組むことです。事業場の健康経営を促進するためには、従業員のロコモティブシンドロームを予防する防ぐための対策を講じる必要があります。
従業員がロコモティブシンドロームになると、十分に能力を発揮できなかったり欠勤したりする可能性があります。プレゼンティズムやアブセンティズムにつながるリスクが高まるため注意が必要です。
とくにデスクワークは、従業員が身体を動かす機会が少なくなりやすいため、事業場での対策が重要です。
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ロコモティブシンドロームを引き起こす原因には、以下の4つが挙げられます。
それぞれの内容について詳しく解説します。
運動習慣のない生活や長時間の座り仕事などで活動量が低下した状態が続くと、肥満につながりやすくなります。肥満は、メタボリックシンドロームを招く要因です。
メタボリックシンドロームとは、内蔵肥満に高血圧や高血糖、脂質代謝異常が組み合わさり、心臓病や脳卒中のリスクが高まっている状態を指します。
メタボリックシンドロームになると膝や腰に負担がかかり、体を動かしにくくなることでロコモティブシンドロームになる可能性が高まります。
【参考】
厚生労働省 e-ヘルスネット「メタボリックシンドローム(メタボ)とは?」
公益財団法人「ロコモティブシンドロームの予防」
【関連記事】死の四重奏とは?発症要因になりやすい生活習慣や企業が講ずるべき対策を解説
痩せすぎると栄養不足を引き起こしやすく、骨粗しょう症やサルコペニア(筋肉減少症)になるリスクが高まるので注意が必要です。
骨粗しょう症やサルコペニアにより、骨密度や筋肉量の減少によって身体機能に影響が出れば、ロコモティブシンドロームの原因にもなり得ます。
【参考】公益財団法人「ロコモティブシンドロームの予防」
過度の運動は、関節や筋肉に大きな負担がかかるため、怪我や障害を負うリスクが高まりやすい行動です。反対に、エレベーターや自転車の使い過ぎによって活動量が減ると、下半身の筋肉は減少しやすくなります。
怪我や障害、筋肉の減少は身体を動かしにくくなる原因になりやすいため、ロコモティブシンドロームを招く可能性があります。
【参考】小平市「ロコモティブシンドローム(運動器症候群)を予防しよう」
がんやその治療によって骨・関節・筋肉・神経などに障害が起こり、移動機能が低下した状態は「がんロコモ」と呼ばれます。具体的には、がんが骨にできて痛みや麻痺などが起こり、体を動かしにくくなる状態です。
また、がんの治療では抗がん剤投与や手術のために長期間安静が必要になったり、副作用によって神経に影響が出たりすることがあります。こうした状況によって移動機能が低下した状態も、がんロコモの一つです。
【参考】日本整形外科学会「がんロコモとは」
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ロコモティブシンドロームを予防するための対策には、以下の2つが挙げられます。
予防策を従業員に周知し、事業場でのロコモティブシンドローム対策を促進するとよいでしょう。
ロコモティブシンドロームの予防には、下半身の筋肉強化が大切です。ウォーキングやジョギングなど、足腰に負荷がかかりやすい運動は効果的といえます。また、自宅でできるスクワットや踏み出し運動などでも下半身を鍛えられます。
運動する時間が取れない場合は、通勤時にできるだけ歩いたり積極的に階段を利用したりするのがおすすめです。
厚生労働省のコンテンツではロコモティブシンドローム予防のための「ロコトレ」を紹介しているので、参考にするよう従業員に伝えるのもよいでしょう。
【参考】厚生労働省「SMART LIFE PROJECT」
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筋肉を強くするにはタンパク質、骨を強くするにはカルシウムが有効です。これらを多く含む食材を意識的に摂取することで、ロコモティブシンドローム予防につながります。
厚生労働省が推奨している、成人一人あたりの1日のタンパク質・カルシウム摂取量は以下のとおりです。
タンパク質摂取量/日 | ・男性:60~65g
・女性:50g |
カルシウム摂取量/日 | ・男性:700~800mg
・女性:650mg |
なお、健康的な食事のためにはタンパク質やカルシウムだけでなく、ビタミンなど他の栄養素も摂取する必要があります。魚や肉、野菜や海藻類などをバランスよく食べるよう従業員に周知するとよいでしょう。
【参考】
厚生労働省 e-ヘルスネット「カルシウム」
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) たんぱく質」
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ロコモティブシンドロームの度合いをチェックするには、以下のような方法があります。
予防策とあわせて従業員に共有しておくとよいでしょう。それぞれの内容について、詳しく解説します。
ロコモティブシンドロームは、日常生活のなかで以下の7項目のうち一つでも当てはまれば、発症の可能性があるとされています。
日常的な行動のなかでできないことや困難なことが出てきたら、ロコモティブシンドロームが始まっている場合があることを社内で周知しておきましょう。
立ち上がりテストとは、椅子に座った状態から片足、または両足で立ち上れるかを試す方法です。反動をつけずに立ち上がって3秒間その状態を保てなければ、下半身の筋力が低下しているといえます。
なお、床から40cmの高さから両足でも立ち上がれない場合は、ロコモティブシンドロームが始まっている可能性があるため注意が必要です。
【参考】厚生労働省「SMART LIFE PROJECT」
2ステップテストとは、2歩分の歩幅から算出した2ステップ値をもとにチェックする方法です。以下の手順で行いましょう。
2歩幅(cm)÷身長(cm)=2ステップ値 |
2ステップ値が1.3未満の場合は要注意です。それぞれの数値の状態は、下表を参考にしてください。
2ステップ値 | 状態 |
1.1以上1.3未満 | ・ロコモティブシンドロームが始まっている
・運動を習慣づけたりタンパク質・カルシウムの摂取を意識する必要がある |
0.9以上1.1未満 | ・ロコモティブシンドロームが進行している
・運動習慣や食生活を改善する ・痛みが出ている場合は医療機関を受診すべきである |
0.9未満 | ・ロコモティブシンドロームによって生活に影響が出ている
・自分で生活できなくなる可能性が高く、医療機関を受診すべきである |
【参考】厚生労働省「SMART LIFE PROJECT」
ロコモティブシンドロームは、身体の移動機能が衰えた状態を指します。事業場の健康経営を促進するためには、ロコモティブシンドロームへの対策を講じることが大切です。
ロコモティブシンドロームを予防するには運動習慣をつけたり、タンパク質やカルシウムを十分に摂取したりする方法があります。本記事で紹介したチェック方法なども活用しながら、自分に合った方法を続けることがポイントです。
事業場では、ロコモティブシンドロームの情報を掲示したり社内連絡ツールで周知したりして、従業員が予防策を取れるよう促進しましょう。
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