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健康経営に取り組む際には社内外に健康宣言をして、従業員の健康維持・増進のための取り組みを明確に示すことが大切です。健康宣言をすることで、従業員の健康意識の変化や社会的評価の向上などが期待できます。
本記事では、健康宣言の概要や策定するメリット、実施手順について解説します。
健康宣言とは、従業員の健康維持・増進のために、企業全体で取り組む内容を明文化して社内外に意思を示すことです。企業が従業員の健康づくりに積極的に取り組み、健康増進を図ることを目的としています。健康宣言は、経済産業省の承認制度である「健康経営優良法人」の認定を受けるために必要な条件の一つとされています。
健康経営優良法人とは、健康経営において良い取り組みをしている法人を「見える化」し、社会的に評価を受けられるようにするための制度です。中小規模の企業は、健康宣言事業への参加も健康経営優良法人の認定要件となっています。
各地の協会けんぽや健康保険組合が、健康宣言を行う企業の健康づくりをサポートする事業制度を健康宣言事業といいます。健康宣言事業の内容や名称、受けられるサポート内容は組織毎に異なるため、詳細は自社が所属する組織への確認が必要です。
【関連記事】健康経営優良法人制度とは?認定されるメリットや申請方法を解説
【参考】全国健康保険協会「「健康宣言」とは」
健康宣言を策定するメリットには、以下の5つが挙げられます。
それぞれのメリットについて詳しく解説します。
健康宣言を通して従業員の健康維持・増進に取り組み、健康的な職場環境を整えると「プレゼンティズム」の防止となり、生産性の向上につながります。
プレゼンティズムとは、出勤していても心身に健康上の問題があるために能力が低下している状態のことです。
健康宣言を策定し生活習慣病予防や禁煙への取り組み、メンタルヘルス対策などを実施すれば、プレゼンティズムの改善につながります。
プレゼンティズムの原因や改善方法については、以下の記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
【関連記事】プレゼンティズム、アブセンティズムとは?違いや原因、改善方法を解説
企業が率先して健康増進に取り組むことは、従業員の健康意識向上につながります。健康増進の取り組みを進め、従業員が健康についてより関心をもつようになれば、自発的に生活習慣を改善することが期待でき、健康経営の実現に大きく近づくでしょう。
健康宣言を通して健康維持・増進に努めている点をアピールすれば、安心して働ける環境であると周囲から認識されやすくなり人材確保につながります。
経済産業省の公表資料によると「どのような企業に就職したいか」のアンケート調査で、43.8%の就活生が「従業員の健康や働き方に配慮している企業」と回答しています。
(出典:経済産業省「健康経営の推進について」)
以上の結果からも、健康宣言の実施は人材確保に一定の効果が期待できるといえるでしょう。
また、既存の従業員からも安心して働ける企業と認識されれば離職率低下につながり、優秀な人材の流出を防げます。
健康宣言を通じて従業員の労働時間や生活習慣が改善されれば、労働災害リスクを軽減できます。
厚生労働省が2022年に実施した調査によると、精神疾患にかかわる労働災害請求件数は、年々増加傾向にあります。
(出典:厚生労働省「令和4年度我が国における過労死等の概要及び政府が過労死等の防止のために講じた施策の状況」)
上記のような現状においては、従業員が仕事でのストレスによって精神疾患にかかるかもしれません。
健康宣言を策定して職場環境の見直し、働きやすいように整えることで、精神疾患や集中力低下による事故などの労働災害リスクを抑えられるでしょう。
健康宣言を策定し、健康経営へ積極的に取り組む企業であることを示せば、社外からも評価が上がりやすくなります。
取り組みが高く評価され健康経営優良法人に認定された場合、投資家や株主、取引先などからも注目されるようになり、株価の上昇や業績アップが期待できます。
健康宣言を通じて健康宣言事業に参加すると、健康経営推進にかかわる以下のようなサポートが受けられます。
とくに、健康経営に取り組み始めたばかりの企業にとって、ノウハウをもつ組織からサポートを受けられるのは大きなメリットといえるでしょう。
健康宣言を表明するには、まず社内の健康に関する課題の洗い出しから始める必要があります。具体的な実施手順は、以下のとおりです。
健康宣言の取り組みの実効性を高めるために、それぞれの手順について理解しておきましょう。
まずは従業員の健康に関する状況を把握し、問題点を抽出します。従業員の健康診断・ストレスチェック結果の調査や、従業員へのアンケートなどから健康課題を調べるとよいでしょう。
また、健康経営優良法人の認定を目指す場合は、認定項目や健康経営調査票についても事前に確認をしておく必要があります。
課題の把握後は、改善に向けた具体的な目標を立てます。目標作成の際に意識すべきポイントは以下のとおりです。
中小規模の企業の場合、健康宣言事業を通じて取り組む内容や優先度を決めていくのがおすすめです。
設定した目標を健康宣言として表明します。以下のような方法で表明しましょう。
社外への主な通知方法 | ・マニュアルレポート
・統合報告書 ・CSR報告書 ・株主総会資料 ・自社のWebサイト ・有価証券報告書 |
社内への主な通知方法 | ・企業行動指針・規範・行動憲章
・経営計画・経営方針 ・メール・コミュニケーションツール |
宣言した内容にもとづいて取り組みを実施します。協会けんぽや自治体からのサポートを受けられるケースもあるので、積極的に活用しましょう。
また、取り組みの効果を定期的に検証し、課題に応じて改善することも重要です。
実際に健康宣言を実施し、取り組みを行っている企業を3つ紹介します。健康宣言策定の参考にしてください。
【参考】全国健康保険協会「わが社の健康宣言取組事例集 第3版」
アサヒ物産株式会社は、メタボ・運動不足の従業員や健康意識の低い従業員が多いことを健康課題とし、健康宣言をしました。
宣言内容は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)や、その予備群と判定された従業員に特定保健指導を受けてもらい、生活習慣病のリスク保有率を低下させることです。
健康宣言の実現のために、健康増進活動を行った従業員を対象に補助金を支給する「健康増進支援規定」を定めました。
その結果、企業指定の運動施設を利用する従業員が増加するなど、従業員の運動不足解消が見られ生活習慣病のリスク保有率の低下に役立っています。
アスカカンパニー株式会社は、従業員の喫煙率の高さを課題とし、禁煙推進の健康宣言をしました。健康宣言の策定により、以下の取り組みを実施しています。
取り組みの結果、社内喫煙率を24.2%から20.5%へ減少させることに成功しました。
株式会社JR西日本あいウィルは、「運動不足の従業員が多い」「従業員の健康意識が低い」の2点を健康課題として、以下の健康宣言を行っています。
取り組みの結果、従業員の健康診断受診率は100%を達成しました。また、費用補助により、人間ドック受診率も増加傾向にあり、健康意識の向上が感じられるようになっています。
健康宣言を表明し宣言内容を実践することで、生産性の向上や労働災害リスクの軽減などのメリットを得られます。
健康宣言を策定する際は、まず従業員の健康課題を洗い出し、具体的な目標を設定することが重要です。従業員の健康維持・増進のために健康宣言を策定し、健康経営を推進していきましょう。
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