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安全衛生対策項目の確認表は、建設工事における安全衛生経費の適切な支払いにつなげるためのものです。
しかし、自社にとって確認表は必要なのか、どう作成すればよいのかなど、確認表に関して疑問を持っている企業担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、建設業における安全衛生対策項目の確認表の必要性や作成手順、国土交通省公表の参考ひな形について解説します。確認表の作成にあたって、ぜひ参考にしてください。
安全衛生対策項目の確認表とは、建設工事における注文者と下請負人の安全衛生対策の分担を明確にするものです。確認表は工事ごとに作成し、必要な安全衛生対策の実施主体と費用分担を分かりやすく一覧にします。
工事における確認表の使用タイミングは以下のとおりです。
確認表により分担を明確にして、工事の見積りにしっかりと反映させるのがポイントです。
なお、国土交通省は各専門工事業団体やすべての建設企業に対して、確認表の作成や活用を促しています。
実際、同省が令和5年8月に作成・活用を促す発信をしてから、確認表を作成する団体が増加傾向にあります。同省の調査によると、確認表を作成済みまたは参考ひな形を使用する団体は、令和5年9月時点で17団体だったのに対し、同年12月には21団体まで増加しました。
【参考】
国土交通省「建設工事における『安全衛生対策項目の確認表(参考ひな形)』を作成しました」
国土交通省「『安全衛生対策項目の確認表(参考ひな形)』説明書」
国土交通省「安全衛生対策項目の確認表について」
建設業において安全衛生対策項目の確認表が必要な理由は、以下のとおりです。
それぞれ詳しく解説していきます。
確認表により安全衛生経費の費用分担が明確になるので、適切な支払い確保につながります。
安全衛生経費は、労働災害防止対策の実施の前提です。そのため、建設工事の下請負人までしっかり支払われる必要があります。
しかし、工事の見積りの際に、経費の支払いに関して認識の齟齬が生じてしまう問題があります。たとえば、元請負人は提示金額に経費が含まれていると認識しているのに対し、下請負人は含まれていないと認識しているケースです。
確認表を作成すれば経費の支払いに関する認識の齟齬がなくなり、トラブルを防げます。
なお、確認表に関連して、国土交通省のワーキンググループでは、安全衛生経費を内訳として明確にする「標準見積書」の作成が議論されています。令和6年3月頃に作成手順書などが取りまとめられる予定です。気になる方は以下のページをご覧ください。
【参考】国土交通省「安全衛生経費を内訳として明示するための『標準見積書』について」
確認表によって、建設工事における安全衛生対策の実施漏れを防げます。
安全衛生対策は、建設工事に従事する従業員の安全や健康確保のために不可欠です。また、「建設業の2024年問題」が取り上げられる中、建設業の従業員の安全や健康への関心が高まっています。
しかし、注文側の企業の安全衛生対策に関する意識が薄く、結果として十分な対策がなされない場合があります。対策の実施漏れは、従業員の命にも関わる深刻な問題です。
確認表を使用すれば、注文者と下請負人が安全衛生対策の全体像や重要性を共有でき、対策を漏れなく実施できます。
【関連記事】建設業の働き方改革とは?『建設業の2024年問題』に備えて対策を
安全衛生対策項目の確認表を作成する手順について、以下の3つに分けて説明します。
あらかじめ流れを把握すればスムーズに作成できるので、ぜひチェックしてください。
最初に、国土交通省公表の参考ひな形を入手する必要があります。
参考ひな形は、確認表のベースとして使用するものであり、はじめて確認表を作成する際に必須です。国土交通省のホームページからダウンロードできます。
また、すべての工種に使える参考ひな形以外にも、一部の工種(型枠、管、内装仕上、住宅)には専用の参考ひな形があるので、あわせて活用が可能です。
【参考】国土交通省「安全衛生対策項目の確認表(先行工種)」
次に、専門工事業団体による確認表に関する取り組みを確認する必要があります。
国土交通省が各団体に対して工種ごとの確認表の検討を依頼しており、団体が会員会社に向けて役立つ情報を発信している場合があるためです。ただし、団体が会員会社に任せていることもあります。
いずれにせよ、専門工事業団体としっかり連携しながら進めることが大切です。
確認表を作成する際には、参考ひな形を使用しつつ、自社にとって必要な安全衛生対策を盛り込む必要があります。
安全衛生対策は、工種や工事の規模、場所、時期によってさまざまです。また、技術の進化によって今後も内容が変わり続けていくものといえます。
工事ごとに必要な対策を漏れなくリストアップした上で、参考ひな形をもとに自社に合わせた確認表を作成しましょう。
国土交通省が公表する確認表の参考ひな形について、以下の3つの特徴を紹介します。
参考ひな形の特徴を理解すれば自社向けにカスタマイズしやすくなるので、しっかりチェックしましょう。
【参考】国土交通省「安全衛生対策項目の確認表(参考ひな形)説明書」
参考ひな形には、分担を明確にする必要性の高い安全衛生対策の区分と、対策項目が以下のようにまとめられています。
区分 | 対策項目(一部抜粋) |
安全衛生管理体制 | 工事現場管理など |
労働者の危険又は健康障害を防止するための措置 | 固定式足場の組立と解体、固定式足場以外の作業床の組立と解体など |
機械並びに危険物及び有害物に関する規制 | 調査の実施、安全点検の実施など |
労働者の就業に当たっての措置 | 安全衛生教育 |
健康の保持増進のための措置・快適な職場環境の形成のための措置 | 作業環境の測定・構築、職場生活支援施設など |
その他 | 安全意識、注意喚起など |
上記の主要な項目は労働安全衛生法などをもとに抽出し、法令の章立てに合わせて整理されたものです。
それぞれの対策項目には、対策の実施と費用負担を注文者と下請負人のどちらが行うか記載するチェック欄があり、分担を見える化できます。
参考ひな形には、工事に合わせて安全衛生対策を追加できる欄があります。あらかじめ書かれている項目は、ひな形として分かりやすくする趣旨で限定的に列挙されたものです。
そのため、確認表を作成する際には、対策の記載漏れがないよう、工事ごとに必要な項目を追記する必要があります。
なお、追加項目についても対策の分担を見える化できるチェック欄の設置が可能です。
参考ひな形には、分担の確認が必要な主要項目に加えて、法令であらかじめ実施主体が明らかな対策も記載されています。安全衛生対策の全体像を見える化して、注文者と下請負人の認識を揃えることで、対策の適切な実施につなげるためです。
なお、分担が明らかな対策の箇所にも、工事に合わせてさらに対策を追記できる欄があります。確認表の網羅性を高めるため、実施する対策を漏れなく追記するのがおすすめです。
安全衛生対策項目の確認表は、安全衛生対策の実施主体と費用分担を明確にするものです。経費の支払いトラブルと対策の実施漏れを防げるため、建設業における必要性は高いといえます。
確認表を作成する際には、国土交通省公表の参考ひな形を使用しながら、工事ごとに必要な対策を盛り込む必要があります。
本記事を参考に確認表を作成して、安全衛生経費の適切な支払いにつなげましょう。
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