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禁煙対策は健康経営優良法人の認定要件であり、社会的にも禁煙意識が高まる昨今では重要性が高まっています。禁煙対策を推進することで、従業員の健康維持や業務効率化が期待できるでしょう。
本記事では、健康経営のために禁煙対策に取り組むメリットや、禁煙対策に成功している企業の事例を紹介します。
健康経営において禁煙対策が重要とされている理由には、以下の3つがあります。
それぞれの理由について説明します。
禁煙対策が重要な理由として、健康経営優良法人の認定要件の必須項目に「受動喫煙に対する関する取り組み」が含まれていることが挙げられます。
健康経営優良法人とは、健康経営を実践している優良な大企業・中小企業が認定される制度です。受動喫煙対策は2017年の制度開始時には選択要件であったものの、2019年度に必須要件になりました。
また、選択要件には「喫煙率低下に向けた取り組み」も含まれるため、禁煙対策を実施すると認定の可能性が高まります。
【参考】
経済産業省「健康経営優良法人2024(中小規模法人部門)認定要件」
経済産業省「健康経営銘柄2024選定基準及び健康経営優良法人2024(大規模法人部門)認定要件」
【関連記事】健康経営優良法人制度とは?認定されるメリットや申請方法を解説
健康増進法の改正により、受動喫煙対策に取り組むことがルール化されたことも、禁煙対策が重要とされる理由の一つです。
改正法が施行された2020年4月以降、事業者は望まない受動喫煙を防ぐための取り組みが求められています。さまざまな施設において屋内が原則禁煙となった代わりに、煙の流出防止基準をクリアした喫煙室の設置が認められました。
違反した事業者には罰金が科せられるため、改正法を理解して取り組みを進める必要があります。
【参考】厚生労働省「受動喫煙対策」
喫煙の有害性が世間的に認知されるようになり、禁煙対策・受動喫煙対策が重要視されるようになってきたことも理由の一つです。
喫煙は健康障害のリスク要因であり、2019年に喫煙が原因で命を落とした人は年間約19万人にものぼります。また、喫煙によって健康寿命が男性は3~4歳、女性は4~5歳短くなるとされています。
一生を健康に過ごせる人を増やすために、望まない受動喫煙を減らすための取り組みが重要視されているのです。
【参考】
スマートライフプロジェクト「禁煙して心身の健康を取り戻そう」
厚生労働科学研究成果データベース「健康寿命の延伸可能性に関する研究」
健康経営を実践するために禁煙対策に取り組むメリットには、以下の3つが挙げられます。
それぞれのメリットを解説します。
禁煙対策をすることで数多くの疾患を予防でき、従業員の健康維持・増進につながります。
たばこには5,300以上の化学物質・70以上の発がん物質が含まれ、肺がん以外にも多くのがんの原因になります。さらに喫煙によって、感染症の発症・重症化のリスクが高まる可能性があることも問題です。
禁煙対策に取り組むことで従業員に長く健康に働いてもらえるようになれば、組織の生産性向上も期待できます。
【参考】スマートライフプロジェクト「禁煙して心身の健康を取り戻そう」
【関連記事】死の四重奏とは?発症要因になりやすい生活習慣や企業が講ずるべき対策を解説
禁煙対策をすれば、喫煙のために離席して業務が中断することがなくなるため、業務の効率化が期待できます。また、非喫煙者の従業員からの不公平感をなくすことにもつながるでしょう。
職場の禁煙対策は、企業の社会的評価向上につながります。禁煙対策・受動喫煙対策は、企業がはたすべき社会的責任の一つと考えられているためです。
主要な事業以外に社会的価値のある活動を行っている企業は、投資家からの評価も得やすくなります。企業イメージが高まれば、優秀な人材が集まりやすくなる効果も見込めます。
職場の禁煙対策を実施する流れは、以下のとおりです。
それぞれのステップを解説します。
まず社内の喫煙率を調整して課題を明らかにすることから始めます。自社の課題を明確にすることで、具体的な取り組みが検討しやすくなるためです。
社内全体の喫煙率を把握するには、アンケートを実施するとよいでしょう。また、個別の課題を把握するためには、従業員へのヒアリングが効果的です。
喫煙者・非喫煙者のどちらかに不公平感を抱かせないために、両者の意見を対等に聞くように心がけましょう。
特定した自社の課題に合わせて、禁煙対策のルールを決めて社内に発信します。
具体的なルールとしては、就業時間内の喫煙禁止や、喫煙場所の限定などが挙げられます。喫煙所や禁煙エリアを設置する場合、それらを利用するルールを明確に決めておくとよいでしょう。
また、ルールの必要性を理解してもらい、認知を拡大するための取り組みも重要です。産業医や保健師による禁煙セミナーや、社内報の配布などにより周知しましょう。
ルールを決めたら終わりではなく、企業が主導して喫煙者の禁煙をサポートする体制を整えましょう。
ニコチンには依存性があり、禁煙したいと思っていても本人の努力だけではなかなか止められないケースも多いためです。
取り組み例としては、禁煙したい人向けのコミュニティ作りや、禁煙グッズの費用負担などが挙げられます。また、禁煙支援の専門家によるカウンセリングの実施も効果的です。
健康経営のために禁煙対策の取り組みを成功させるには、以下の2つを実施しましょう。
それぞれの内容について解説します。
禁煙対策・受動喫煙対策を成功させるには、従業員の理解を得てから取り組みを実施しましょう。施策を実行して禁煙に取り組むのは従業員であるため、従業員に協力してもらわなければ、禁煙対策を成功させるのは困難です。
強引に取り組みを進めると、離職者が発生するケースも考えられます。事前に禁煙セミナーを実施するなど、従業員に禁煙に対する意識づけをする機会を設けるとよいでしょう。
禁煙対策で効果をあげるには、社長・役員が率先して取り組む必要があります。経営陣が喫煙者で禁煙に消極的な場合、従業員だけに禁煙を呼びかけても効果が薄いためです。
たとえば「社長が喫煙しているから」などの理由で、決めたルールが形骸化してしまう恐れもあります。
よって、経営陣が禁煙対策の重要性・意義を理解し、取り組みを進める意識をもつことが重要です。そのうえで従業員に、禁煙対策・受動喫煙対策に主体的に取り組む姿勢やメッセージを発信しましょう。
就業時間内での禁煙をルール化すること自体は、パワハラになりません。ただし、ルール化されていないのに決められた場所で喫煙している従業員に禁煙を強要するのは、パワハラ(逆スモハラ)になる可能性があります。
また、休憩時間中やプライベートの時間にまで禁煙を命じることは逆スモハラになり、好ましくありません。
就業時間内でルール化するにしても、禁煙の強要がエスカレートすると、職場のトラブルや離職につながるため注意が必要です。
健康経営のために禁煙対策に取り組み、成果を上げている企業の事例を紹介します。
それぞれの事例において、企業がどのようなポイントを意識して取り組みを進めたのかを理解することが重要です。自社における禁煙対策・受動喫煙対策を考える際の参考にしてください。
オムロン株式会社は、効果的に禁煙をサポートする取り組みの実施により効果を上げています。
禁煙対策の施策は、卒煙マラソンの実施です。喫煙者2名、サポーター1名のグループを組み、3ヶ月間での禁煙達成を目指す取り組みを行いました。2019年には卒煙マラソンが3回実施され、参加した喫煙者のうち85%が禁煙に成功しています。
ただ禁煙を呼びかけるのではなく、禁煙しやすい仕組み作りも検討すべきポイントです。
【参考】オムロン株式会社「活力に満ち溢れ、イノベーションの創出を支える健康経営」
味の素株式会社は、禁煙対策の目標を社内外に発信し、味の素健康保険組合がそのサポートをする取り組みを実施しています。
味の素株式会社では、2020年度に「吸わない会社」を目指すことを宣言し、すべての事業所において就業時間内・屋内全面禁煙としました。
健康保険組合では個人向けに卒煙プログラムの提供、事業所向けに健康セミナー費用の補助を行いました。これらの取り組みの実施により、2023年には非喫煙率89%を達成しています。
このようにトップがメッセージを示したうえで、健康保険組合とも連携して禁煙対策に取り組むことも重要です。
【参考】味の素株式会社「味の素社の社員食堂に潜入!従業員が「自然に健康でいられる」企業の取り組みとは?」
アクサ生命保険株式会社は喫煙率をKPI(重要業績評価指標)として定め、健康保険組合と連携して禁煙対策に取り組んでいます。社内の喫煙率20%を目標値とし、就業規則で就業時間内禁煙と定めています。
実施している取り組みは、オンライン禁煙プログラムの提供や、禁煙にかかる費用の補助です。また、3ヶ月間禁煙を達成した従業員にインセンティブを付与する制度も設けています。
この結果、喫煙率が27.0%(2020年度)から25.7%(2022年度)に減少しました。
具体的な目標を設定した場合、それを達成するための取り組みをセットで実施することが重要なポイントです。
【参考】アクサ生命保険株式会社「健康経営に関する取り組みと関連指標」
企業が禁煙対策に取り組むことで従業員の健康増進や業務の効率化、企業の社会的評価向上が期待できます。
禁煙対策を成功させるためには、従業員の理解を得たうえで経営陣が積極的に取り組みを進めることが重要です。
健康経営優良企業を目指すためにも、社内の禁煙対策・受動喫煙対策を積極的に取り組みましょう。
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