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「大学病院で多忙な医師は、企業の健康管理にどこまで深く関われるのだろうか?」そう疑問に思う人事担当者の方もいるかもしれません。しかし、第一線の臨床現場とアカデミックな知見を持つ医師だからこそ、企業に提供できる価値があります。
今回は、常勤の大学病院で勤務しながら、嘱託産業医として全国の企業を訪問している先生にお話を伺いました。先生が大学の研究・教育現場に企業の知見をフィードバックしているように、その豊富な知識と戦略的な視点で、貴社の健康経営をどのように進化させられるのか、そのヒントをお届けします。
【プロフィール】 年代: 40代 専門科目: 泌尿器科 産業医経験: 10年(9社) 主な働き方: 大学病院常勤と嘱託産業医を兼任 |
――先生は大学病院で勤務されながら、嘱託産業医も長く続けていらっしゃいます。産業医の仕事は、先生のキャリアの中でどのような位置づけですか?
先生: 産業医の仕事は、臨床とは全く異なる現場です。移動時間や業務内容も普段と異なるため、良い意味で「リフレッシュ」になっています。臨床現場から一歩離れて企業の従業員と話をすることで、そこで得た気づきや知識を、大学病院の教育や研究の現場にフィードバックできる。このアカデミックな機関に民間企業で得た知見を還元できる「知の循環」に、非常に大きな意義を感じています。
―― 具体的に、企業での経験を臨床やアカデミアにフィードバックするというのはどのようなことでしょうか?
先生: たとえば、企業の衛生委員会で、残業削減や人事配置の相性、出産・子育てといったライフスタイルへのケアを議論する機会があります。これは、医師の働き方改革を進める上でも重要な視点です。企業で得たこうした経験を活かし、大学病院の環境改善にも声をあげて改善につなげられるのではと思っています。
―― 産業医として活動される中で、企業に対して「これは役に立った」と感じる具体的な成功体験を教えていただけますか?
先生: 企業ごとに異なる「年間スケジュール感や繁忙期」を深く理解し、それを踏まえた対応をしたことです。企業の担当者様には見えていなかった、特定の時期に人材の穴があくリスクや複合的な理由を現場の方から聞き取り、繁忙期に合わせた有休のタイミング調整や人材配置の助言を行いました。
―― その結果、どのような効果がありましたか?
先生: 会社側に「産業医がそこまで見てくれているのか」という気づきと安心感を与えられたのではないかと思います。特にメンタルヘルス不調は、一度発症するとリカバリーが非常に難しい。私は頭ごなしに指導するのではなく、他社の事例や自身の経験を共有して、不調を未然に防げるように「先回り」の予防を心がけています。
―― 企業が産業医を選任する際、どのような視点を持ってほしいと思われますか?
先生: 企業の担当者様は、どうしても目の前の課題解決に追われがちですが、産業医を選ぶ際は、「その産業医が企業の未来の課題にどこまで戦略的に関わろうとしているか」を見てほしいです。
臨床現場の最前線で得た知識と、アカデミックな視点を持ち合わせる産業医は、貴社の組織的な課題解決に貢献できます。企業のスケジュール感や風土を理解し、一歩引いた視点から組織全体に気づきを与えられる存在として、産業医を選んでいただきたいですね。
50人以上の事業場向け
1,000人以上の事業場向け
※有害業務従事の場合は500人以上
単発の面談が必要な事業場向け