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両立支援コーディネーターとは?取得方法や難易度、研修内容を解説

疾患を抱える従業員の治療と仕事の両立支援には、幅広い知識が求められます。そのため、両立支援コーディネーターの資格を取得して、知識を身につけるのも一つの選択肢です。

本記事では、両立支援コーディネーターの概要や取得方法、研修内容を詳しく解説します。

両立支援コーディネーターとは

両立支援コーディネーターとは、治療と仕事の両立支援が必要な従業員が、両立支援に関わる企業や主治医と円滑にコミュニケーションをとれるよう支援する人材です。

両立支援コーディネーターの介入によって、疾病を患っている従業員が離職することなく、治療を継続できるよう支援する目的があります。

両立支援が必要な従業員は、がんや糖尿病などをはじめとした疾患や、メンタルヘルス不調などを患っている従業員です。

働き方改革実行計画には、当該従業員を両立支援コーディネーター・企業・医療機関(主治医)でサポートできる体制を構築するよう明記されています

このサポート体制の中で両立支援コーディネーターは、企業と医療機関の連携の中心となり、従業員を支援することが求められています。

【参考】
厚生労働省治療と仕事の両立支援ナビ」
厚生労働省「働き方改革実行計画」

【関連記事】
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両立支援コーディネーターの取得方法

両立支援コーディネーターを取得するには、労働者健康安全機構が無料で主催する「両立支援コーディネーター基礎研修」にオンラインで参加する必要があります

両立支援コーディネーター基礎研修の受講対象者は、日本国内在住で医療機関や企業、支援機関などで両立支援に携わっている人、および携わる予定のある人です。

両立支援コーディネーターは、以下の要件をすべて満たすと取得できます。

  • 動画配信研修の講義を受講期間内にすべて受講する
  • WEBライブ講習に出席し、離席せずにすべての時間受講する
  • WEBライブ講習内で実施するアンケートの質問にすべて回答する
  • 各研修の受講者アンケートを提出する

WEBライブ講習に離席せず参加しているかはWEBカメラでチェックされるため、WEBカメラがオンにできる環境で受講しなければなりません

【参考】労働者健康安全機構「令和6年度 両立支援コーディネーター基礎研修申し込み要領」

両立支援コーディネーター基礎研修の内容

両立支援コーディネーター基礎研修は、8つの動画配信と1回のWEBライブ講習で構成されます。研修のプログラムは、以下のとおりです。

受講方法 講義 時間数
(分)
動画配信研修 治療と仕事の両立支援におけるコーディネーターの必要性とその役割及び留意点 50
基本的な医療に関する知識 75
産業保健に関する知識 60
労務管理に関する基本的知識 60
社会資源に関する知識 60
両立支援のためのコミュニケーション技術 45
精神疾患の両立支援に関する留意点 20
がん経験者による当事者談話 40
WEBライブ講習 両立支援コーディネートの実際 120

(出典:労働者健康安全機構「令和6年度 両立支援コーディネーター基礎研修申し込み要領」

上記の研修プログラムは、年間で合計7回の実施が予定されています。どの回も研修内容は同じです。

両立支援コーディネーターの難易度

両立支援コーディネーターの資格試験はなく、研修をすべて修了すれば取得できるため、難易度は低いといえるでしょう。

両立支援コーディネーター基礎研修の受講修了をもって、修了証が郵送で交付されます。

令和6年度の両立支援コーディネーター基礎研修の日程

2024年6月現在、第3回までの日程が公表されています。

(出典:労働者健康安全機構令和6年度両立支援コーディネーター基礎研修日程のご案内」

令和6年度は計7回の開催を予定しており、第4回以降の日程は追って公表されます。

定員よりも応募者が多い場合は、抽選によって受講者が選ばれ、抽選結果がメールで通知されます

両立支援コーディネーターの仕事内容

両立支援コーディネーターの資格取得で得た知識は、以下のような業務に活かします。

  • 治療しながら働く従業員の相談支援
  • 従業員・企業・主治医との連携支援

両立支援コーディネーターの仕事内容を理解しておきましょう。

【参考】
厚生労働省「治療と職業生活の両立支援についての取り組み」
労働者健康安全機構「治療と仕事の両立支援コーディネーターマニュアル」

治療しながら働く従業員の相談支援

従業員やその家族が両立支援の申し出をした場合、両立支援コーディネーターは基礎研修で得た知識を活かして、従業員からの相談支援を実施します。

相談支援は、従業員が自分の身体の状態や社会保障制度を理解し、心理的・経済的負担を軽減させることが目的です。

両立支援コーディネーターは当該従業員の意思を尊重しながら、本人の健康状態や家族・親族の協力体制、収入状況などに応じてアドバイスします。

また、相談内容を踏まえて仕事と治療を両立するためのプランを作成することも相談支援の一つです。

従業員・企業・主治医との連携支援

従業員の治療と仕事の両立のために、主治医や企業に提出する必要のある資料の作成・報告などを行います。

具体的には、業務内容や勤務状況などを主治医に報告するための書類作成や、主治医が作成した意見書の内容を企業へ報告するなどの業務です。

両立支援コーディネーターの役割は、あくまでも三者(従業員・企業・主治医)の理解を促す支援です。従業員の休職や解雇など、具体的な契約内容を企業と交渉することはできません

両立支援コーディネーターを取得して両立支援の質を向上させよう

両立支援コーディネーターは、治療と仕事を両立したい従業員への相談支援や、関係者との連携をサポートする役割を担います。

両立支援コーディネーターの資格を取得するには、オンラインでの基礎研修を受講して修了しなければなりません。

基礎研修プログラムの受講により、両立支援のためのコミュニケーション技術や、産業保健に関する知識など、支援に必要な知識を身につけられます。

両立支援コーディネーターを取得して、自社の両立支援の質を向上させましょう。

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