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OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)とは?実施するメリットや導入方法も解説

職場の労働安全衛生水準の向上のために、OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)の実施が推奨されています。

しかし、「OHSMSがどのようなものか分からない」「OHSMSを採用するとどんなメリットがあるのだろう」などの疑問から導入に踏み切れず悩んでいる企業担当者もいるのではないでしょうか。

この記事では、OHSMSの概要や実施メリット、導入方法を解説します。

OHSMS(労働安全衛生マネジメントシステム)とは

OHSMSは、Occupational Health and Safety Management System(労働安全衛生マネジメントシステム)の略語です。職場の安全衛生水準の向上を図り、従業員が健康かつ安全に働けるようにすることを目的とした、安全衛生管理の枠組みを示しています。

事業者が職場の現状を把握したうえでPDCAサイクルを策定して安全衛生管理を自主的に進め、従業員の健康増進や労働災害の防止、働きやすい職場環境の形成を目指します。

【参考】厚生労働省職場のあんぜんサイト:労働安全衛生マネジメントシステムOSHMS)」

OHSMSを実施するメリット

OHSMSの実施には、以下のメリットがあります。

  1. 労働災害を減少できる
  2. 組織的な意識改革につながる
  3. リスクに対し適切に対処できるようになる

それぞれについて解説します。

労働災害を減少できる

OHSMSの導入・運用により、労働災害の減少効果が期待できます。

厚生労働省が公表しているデータによると、2017年にOHSMSを導入した事業場では、OHSMSの導入後に安全衛生水準が向上したとの回答が93%を占めています

そのため適切にOHSMSを運用できれば、従業員が安全に働ける職場環境を作れるといえるでしょう。

【参考】厚生労働省「労働安全マネジメントシステム」

組織的な意識改革につながる

OHSMSの導入は、経営陣だけでなく従業員も含めた組織全体の意識改革につながります。安全衛生に関する方針を明確にし、組織全体に伝わるように明文化することで、安全衛生に対してより意識が向くようになるためです。

また、OHSMSでの方針を打ち出す際には、従業員の意見も取り入れます。そのため、全従業員が安全衛生に対して問題意識を持って取り組むことが期待できます。

リスクに対し適切に対処できるようになる

OHSMSを実施すれば、従業員がリスクに対し適切に対応できるようになります。

OHSMSを運用するには、職場の危険性や有害性を洗い出し、実施すべき対策を明確にしなければなりません。

さらに、必要に応じて誰にでも分かるように詳しい手順を記録に残す必要がありますそのため、全従業員がリスクに対し適切に対処できるようになるといえます。

OHSMSの実施方法

OHSMSの実施は、以下の手順で進めます。

  1. OHSMSの導入を宣言する
  2. OHSMSを構築するための体制を整備する
  3. 労働安全衛生管理の状況を把握する
  4. 安全衛生目標を決めOHSMSを運用する

【参考】厚生労働省「労働安全マネジメントシステム」

1.OHSMSの導入を宣言する

職場にはじめてOHSMSを導入する際には、まず事業者から従業員に対してOHSMSの導入を宣言しましょう。

安全衛生に対する取り組みについて従業員と共有することで、職場全体が一丸となってOHSMSを進めやすくなります。

2.OHSMSを構築するための体制を整備する

従業員に対してOHSMSの導入を宣言したら、OHSMSを構築するための体制を整えます。具体的には、安全衛生活動を推進する部署を作る、リスクアセスメントを明文化する担当者を任命するなどです。

また、外部研修や社内勉強会を開催して、労働安全衛生管理の整備に関わる人材育成もこの段階で行います

3.労働安全衛生管理の状況を把握する

必要な体制が整ったら、労働安全衛生管理の現状を把握します。安全衛生管理の活動内容を整理し、事業場にある安全衛生管理に関する問題点を洗い出しましょう。

現状の課題を把握できれば、安全衛生管理に関する効果的な方針が打ち出しやすくなります問題点を洗い出したら、不十分な部分に対しての必要な対策を考えます。

4.安全衛生目標を決めOHSMSを運用する

安全衛生管理に関して打ち出した方針にもとづき、安全衛生目標を決めます。安全衛生目標を決めたら目標達成に向けた計画を作成し、計画に沿って必要な取り組みを実施しましょう。

作成した計画に沿って実行できているかを日常的に点検・分析し、問題点がある場合は改善しますこのPDCAサイクルを継続的に実施し、OHSMSを運用していきます。

OHSMSとISO45001の違い

労働安全衛生マネジメントシステムには、「ISO45001」もあります。

OHSMSは、労働安全衛生マネジメントシステムの仕組みを指します。それに対しISO45001は、国際標準化機構(ISO)による労働安全衛生マネジメントシステムの国際規格です。

ISO45001には、労働安全衛生のパフォーマンス向上や労働災害の防止、安全かつ健康的な事業場の提供を実現するための労働安全衛生マネジメントシステムへの要求事項が定められています。

そのためISO45001はOHSMSを効果的に整備・運用するためのガイドラインのようなものといえます。ISO45001の認証取得は、労働安全衛生目標の達成に向けて効果的なOHSMSの運用につながるでしょう。

【参考】一般財団法人 日本品質保証機構「概要|ISO 45001(労働安全衛生) | ISO認証 」

【関連記事】ISO45001とは?取得するメリットと取得方法を解説

OHSMSを導入して従業員が健康かつ安全に働ける環境を整備しよう

OHSMSは、労働安全衛生管理の枠組みを示したものです。職場の安全衛生水準を向上させ、従業員が健康かつ安全に働き続けられる環境作りを目的としています。

OHSMSの実施には、労働災害の減少や安全衛生管理に関する組織的な意識改革などさまざまなメリットが期待できます。

OHSMSを導入して職場の安全衛生水準の向上を図り、従業員が健康かつ安全に働ける環境を整えましょう。

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