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くるみん認定制度とは、子育てと仕事の両立支援に注力している企業を認定する制度です。
認定企業に与えられる「くるみんマーク」を広告や求人票などに掲載することで、企業のイメージアップが図れます。しかし、認定を受けるには、育児休業の取得率や労働環境の整備などに関する10項目の認定基準を満たさなければなりません。
本記事では、くるみん認定制度の認定基準やえるぼし認定制度との違いなどを紹介します。
くるみん認定制度とは、厚生労働省が子育て支援を推進する企業を「子育てサポート企業」として認定する制度です。
次世代育成支援対策推進法にもとづく行動計画を策定・実施し、設定した目標を完遂するなど一定の基準を満たすことで認定されます。
くるみん認定制度が創設された背景には、少子化問題が挙げられます。少子化の要因には、子育てと仕事を両立できる環境が整備されていないことや、妊娠・出産がキャリア形成の障壁となることなどが考えられます。
少子化の要因を解消し、子育て世代が安心して働き続けられる職場環境を整備することを目的としてくるみん認定制度が創設されました。
【参考】厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
くるみん認定制度と似た制度に、えるぼし認定制度があります。主な違いは以下のとおりです。
制度の種類 | くるみん認定制度 | えるぼし認定制度 |
根拠となる法律 | 次世代育成支援対策推進法 | 女性活躍推進法 |
制度の概要 | 子育てサポート企業を認定する制度 | 女性の活躍推進に関して優れた取り組みを行う企業を認定する制度 |
くるみん認定制度とえるぼし認定制度は、目的や根拠となる法律が異なります。
くるみん認定制度は、未来を担う子どもたちが健やかに育つ環境を整備することを目的とした制度です。雇用環境の整備や育成支援に関する評価項目が設けられており、子育てと仕事の両立を支援する体制を整えた企業が認定されます。
一方、えるぼし認定制度は、働く意思をもつすべての女性が活躍できる社会を実現することを目的とした制度です。採用や管理職比率、キャリア支援などに関する評価項目が設けられており、女性が働きやすい環境を整備した企業が認定されます。
【参考】
厚生労働省「3つの認定制度のご案内」
厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
厚生労働省「女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)」
【関連記事】プラチナえるぼし認定とは? 女性活躍推進法に基づく認定制度を解説
くるみん認定制度には、以下の4種類があります。
認定を受けるには、それぞれの認定基準をクリアしたうえで申請する必要があります。
【参考】厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
くるみん認定では、10項目ある認定基準をすべてクリアした企業に「くるみんマーク」が与えられます。
くるみんマークを囲む星の数は認定された回数を表しており、マークの上部には認定を受けた直近の年が表示されています。
【参考】厚生労働省「次世代育成支援対策推進法の施行状況について」
トライくるみん認定は、2022年4月の改正で創設された新しい認定制度です。改正前のくるみん認定の認定基準を引き継いでおり、4つの中では認定の難易度は低めです。10項目ある認定基準をすべて満たすと「トライくるみん」マークが付与されます。
プラチナくるみん認定は、くるみん認定やトライくるみん認定よりも高度な水準の取り組みを実施した企業に与えられます。
認定を受けるには、特例認定基準の12項目を満たさなければなりません。事前にくるみん認定もしくはトライくるみん認定を受けている必要があるので、認定の難易度は高めです。
プラチナくるみん認定を受けた企業には「プラチナくるみんマーク」が付与されます。
プラス認定は、不妊治療を継続しながら働ける環境を整備している企業に与えられます。申請するには、くるみん認定・プラチナくるみん認定・トライくるみん認定のいずれかの認定基準に加えて、プラス認定の認定基準を満たす必要があります。
認定を受けると、それぞれの認定マークにプラス認定マークが追加されます。
くるみん認定を受けると、以下のようなメリットが得られます。
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
くるみん認定を受けると、企業のイメージアップが期待できます。
ホームページや広告、求人票などにくるみんマークを載せることで「子育てサポート企業」として国土交通大臣に認可されていることを世間にアピールできるため、好印象を与えられるでしょう。
くるみん認定を受けると、人材を確保しやすくなります。くるみんマークにより子育て世代が働きやすい職場づくりに力を入れていることを周囲に発信でき、求職者からの注目度が高まるためです。
厚生労働省が公表している資料によると、くるみん認定を受けた企業の約半数が、認定取得の効果として「学生に対するイメージアップ」を挙げています。
(参考:厚生労働省「次世代育成支援対策推進法の施行状況について」)
また、くるみん認定の取得に向けて仕事と子育てを両立しやすい職場環境に整備することで、出産による離職の防止と従業員の定着率の向上も期待できます。
くるみん認定を受けた企業は、くるみん助成金を受給できる可能性があります。
助成金の対象は、くるみん認定およびプラチナくるみん認定を受けている企業のうち、常時雇用する従業員数が300人以下の中小事業主です。仕事と家庭生活の両立を支援するための取り組みにかかる経費に対し、50万円を上限に支給されます。
【参考】くるみん助成金ポータルサイト「助成金について」
くるみん認定企業は、「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」を利用する際に、基準金利から引き下げを受けられることがあります。
融資の対象には一定の要件があるので、詳細を知りたい場合は日本政策金融公庫事業資金相談ダイヤル(0120-154-505)に問い合わせてみましょう。
【参考】厚生労働省「3つの認定制度のご案内」
くるみん認定企業は、公共調達で優遇されます。国の指針において公共調達を実施する場合は、厚生労働大臣の認定を受けた企業を加点評価することが定められているためです。
国や自治体との取引がある企業にとって、とくにメリットが大きいといえるでしょう。トライくるみん認定<くるみん認定<プラチナくるみん認定の順に配点が高くなるので、ビジネスチャンスをより広げたい企業は、プラチナくるみん認定を目指しましょう。
【参考】厚生労働省「3つの認定制度のご案内」
くるみん認定には、以下10項目の認定基準が設けられています。
それぞれの認定基準に関して詳しく解説していきます。
【参考】厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
くるみん認定を受けるには、厚生労働省の「行動計画策定指針」にもとづいた行動計画を策定しなければなりません。
行動計画には、行動計画策定指針の第6条第1項に明記されている以下の項目の中から、最低1項目を含める必要があります。
(出典:厚生労働省「行動計画策定指針」)
たとえば、子育て中の従業員を対象にしたキャリア形成を支援するための研修の実施や、フレックスタイム制度の導入などが挙げられます。
行動計画を策定するときは、計画期間の設定が必要です。2年以上5年以下の間で設定しましょう。
申請時に、行動計画に定めた目標を達成したことを裏づける資料を添付する必要があります。
目標によって必要な資料は異なりますが、たとえば企業オリジナルの育児休暇制度を新たに導入した場合は、制度実施後の就業規則の写しなどを添付します。
行動計画は策定してから3ヶ月以内を目安に、社外へ公表するとともに社内へ周知しなければなりません。
社外には厚生労働省が管轄する「両立支援のひろば」への掲載などにより公表しましょう。従業員への周知方法には、メール配信や資料の配布、社内報への掲載などが挙げられます。
計画期間内に育児休業等を取得した男性従業員の割合が一定数以上あることも条件の一つです。具体的には、以下いずれかの条件を満たす必要があります。
いずれの場合も「両立支援のひろば」で取得率を公表しなければなりません。
なお、従業員数が300人以下の企業には、条件が緩和された特例が設けられています。
計画期間内に女性従業員の育児休業等の取得率を75%以上にし、「両立支援のひろば」で取得率を公表することも条件です。
なお、認定基準5と同様に従業員数が300人以下の企業には特例が設けられています。
3歳から小学校入学前までの子どもを養育する従業員に対して、以下の措置を講じる必要があります。
たとえば、柔軟な働き方を実現するための措置には、フレックスタイム制度や自社出勤制度などが該当します。
労働時間に関する以下2つの基準をクリアすることも条件に含まれています。
なお、認定申請時に退職している従業員は対象から除外されます。
以下いずれかの措置について、具体的な目標を定めて実施する必要があります。
たとえば、フレックスタイム制や在宅勤務制度などの導入が挙げられます。計画期間が始まる前から行っているものでも問題ありません。
過去に法令違反行為の事実がないことも、認定を受けるにあたって必要な条件です。
たとえば、育児・介護休業法やパート・有期雇用労働法で勧告を受けていない、労働基準法や労働安全衛生法に違反して送検公表された事実はないなどが挙げられます。
くるみん認定制度の申請手順は、以下のとおりです。
上から順に解説していきます。
【参考】厚生労働省「一般事業主行動計画の策定・届出等について」
まずは、自社の現状および従業員のニーズを調査・分析し、厚生労働省の「行動計画策定指針」に沿って一般事業主行動計画を策定します。
くるみん認定に申請する場合は、認定基準を考慮して一般事業主行動計画を立てることが重要です。
一般事業主行動計画の策定日から3ヶ月以内を目安に、社内外へ公表・周知しましょう。
申請時には、公表・周知を行った日付が分かる書類を提出する必要があります。インターネット上で発信した場合は、公表日が分かる画面をプリントし、手元に控えておきましょう。
一般事業主行動計画の策定日から3ヶ月以内を目安に、「一般事業主行動計画策定・変更届」(様式第一号)を都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に提出します。
提出方法は、郵送・持参・電子申請(e-Gov電子申請)から選択できます。「一般事業主行動計画策定・変更届」は、厚生労働省のサイトでダウンロードが可能です。
一般事業主行動計画に掲げた目標の達成を目指して計画を実施します。
申請時に目標達成を証明する書類を添付する必要があるので、関連するデータや文書などは手元に保管しておきましょう。
認定基準を満たしたら、「基準適合一般事業主認定申請書」(様式第二号)と必要書類を都道府県労働局雇用環境・均等部(室)に提出しましょう。郵送・持参・電子申請(e-Gov電子申請)のいずれかの方法で申請します。
くるみん認定の申請に必要な書類は、以下のとおりです。
【参考】厚生労働省「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、くるみん認定・トライくるみん認定・プラチナくるみん認定を目指しましょう!!!」
くるみん認定は、企業イメージの向上や人材の確保などに役立ちます。子育てしながら働きやすい職場環境を整備することで、出産や子育てを理由とした人材の流出も防げるでしょう。
認定を受けるには、企業全体で子育てと仕事を両立しやすい職場づくりに取り組む必要があります。現場の声に耳を傾けながら、子育て世代を含めた全従業員が働きやすい職場環境を構築し、くるみん認定を目指しましょう。
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