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安全衛生委員会の議事録の適切な作成と保管は、法令にて定められた事業主の義務です。
労災を防ぐことや、労働者の安全と健康を守るために安全衛生委員会は重要な協議の場であると同時に、議事録として適切に記録・保管することも欠かせません。
本記事では、安全衛生委員会の議事録に関する基礎知識と記入例を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
安全衛生委員会の議事録は労働安全衛生規則(以下、「安衛則」といいます。)で定められたルールがあり、大きく分けて下記の3点(「作成義務」「保管義務」「周知義務」)があります。一つずつ確認しておきましょう。
なお、労働基準監督署の調査が入った際、議事録の不備や未作成が発覚すれば、是正勧告や罰則の対象となる可能性もあるため十分注意が必要です。
①議事録の作成義務(安衛則第23条第1項)
安全衛生委員会を開催次第、その内容について記した議事録を作成しなければなりません。作成については「磁気テープ、磁気ディスクの他これらに準ずる物に記録」することが定められています(安衛則第23条第1項)。
②議事録の保存義務(安衛則第23条第2項)
作成した議事録は3年間保存する義務があります(安衛則第23条第2項)。
③議事内容の周知義務(安衛則第23条第2項)
議事録の概要は、全ての従業員に周知しなければなりません。具体的には、事業場内の見やすい場所への掲示、メール・書面による交付、イントラネットへの掲載など、誰もが確認できる方法で知らせる必要があります
安全衛生委員会の議事録に記載する内容は主に以下の情報を中心として、その他に開催日時や出席者などの基本情報で構成します。
記載内容については以下の画像を参考にして記入してみましょう。
①基本事項
基本事項については開催日時、開催場所、出席者等を記載し、報告事項については下記の内容を基本として議事録を作成してください。
②定例報告(労働災害の発生状況等)
労働災害・ヒヤリハットが発生した場合は、その件数および状況について記す必要があります。
また、職場巡視の実施報告や過重労働者がいる場合もその旨を記入します。
なお、労基署等から提示を要求された際、議事録は会社が安全配慮義務を適切に果たしていたことの重要な証拠となり得ますので、適切に記録します。
③議題と決定事項
安全衛生委員会にて議題にした内容とその決定事項について記載します。例えば、ヒヤリハットの発生と今後の対策、健康診断の受診状況と改善方針など、労災・健康障害防止等の観点で協議したことを記録します。
④産業医コメント
委員会で協議した内容について、産業医のコメントを記載してもらいます。産業医の役割は労働衛生の専門家としての立場から労働災害や健康障害の防止について助言を行います。
議事録を記入する際は、個人の感情や主観を入れず事実に基づいた内容を簡潔に記述します。
また、重要な発言や決定事項は正確に記録し、誤解が生じないよう、発言者の氏名を含めて正確に記録しましょう。特に決定事項は実行に繋がるため、正確さが求められます。安全衛生委員会の開催後は速やかに議事録を作成します。
安全衛生委員会の議事録を作成する際の記入例をご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
議事録の冒頭には安全衛生委員会の基本情報を正確に記載します。
〈記入例〉
2025年5月24日(金) 10:00~11:30、会議室A
【議長】〇〇(安全衛生管理者)
【委員】△△(産業医)
【委員】□□(衛生管理者)
【委員】A(総務部代表/労働者代表)
【委員】B(製造部代表/労働者代表)
【委員】C(営業部代表/労働者代表)
〈記入のポイント〉
安全衛生委員会は原則として月1回以上開催する必要があるため(安衛則第23条第1項)、その義務を満たしていることを明確に示します。
議長をはじめ安全管理者、衛生管理者、産業医の氏名を記載し、労働者側の委員が議長以外の委員の半数を占めていることを明確に示しましょう。オブザーバーがいる場合も記載します。
欠席者がいる場合は氏名と欠席理由を記入します。なお、産業医が委員会を欠席した場合は、議事録の内容を後日確認してもらうなど適切な対応が必要です。
〈記入例〉
・○月○日○時に作業場Aの職場巡視を実施。棚に積まれた資材について、落下の危険性があることを発見。保管方法を改めることを決定。
・○月○日○時、B工場にて作業機械への衣服巻き込まれに関するヒヤリハット事例を共有。対策として袖の無い制服への切り替えと、注意喚起ポスター掲示を決定。
〈記入のポイント〉
誰が(例:衛生管理者、安全管理者等)が、いつ、どこを巡視したのか。また、職場巡視にてどのような問題点が見つかったか、そしてその後の改善状況を具体的に報告します。
また、労働災害およびヒヤリハットについては発生日時と場所をはじめ、状況と原因について記載します。その上で、再発防止策について議論した内容を議事録に記します。
〈記入例〉
・熱中症の発生状況と今後の予防について。対策として事業場内に給水場所の確保、塩分補給が可能な飴等の配布、休憩時間の見直しなどについて討議。
・健康診断有所見者への再検査勧奨と健康相談を強化する。(担当:産業医・衛生管理者、随時)
・A産業医により、「VDT作業」に関する衛生講話を実施。講話の内容を踏まえ、職場の照度を改めて確認し不備がある場合は証明装置を見直す。
〈記入のポイント〉
議題には健康診断やストレスチェックの実施状況などの情報を元に、今後の方針について取り上げることもあります。
また、産業医による衛生講話を行った場合はテーマのタイトルだけでなく、その後の議論についても記すようにしましょう。
委員会の開催を通じて、上がった議題や対応策について産業医にコメントを記載してもらいます。
作成した議事録は、法令に基づき適切に周知・保管する必要があります。
議事録の概要は全ての労働者に周知することが義務であり、誰もがその内容にアクセスできるようにします。
具体的な方法としては:「事業場内の見やすい場所への掲示」「書面(紙やメール)での交付」「社内イントラネットやグループウェアへの掲載」
また、安全衛生委員会の議事録は3年間保管する義務があります。
保管の方法としては、紙媒体での保管、または電子データでの保管が可能です。電子データで保管する場合は、改ざん防止措置やバックアップ体制を確保し、いつでも出力できるようにしておく必要があります。
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安全衛生委員会の議事録は、単なる事務作業ではありません。それは、事業場の安全衛生活動の「見える化」であり、法令を遵守し、従業員の安全と健康を守るための、非常に重要な文書です。
議事録を適切に作成し、周知・保管することで、以下の効果が期待できます。
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