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日頃、社内の産業保健対応をするにあたり、「こんな時どうしたらいいんだろう」「他社はどう対応しているんだろう」と思い悩むことはありませんか。
『産業医と事例で学ぶ!人事労務の『困った』を解決するヒント』では、VISION PARTNERメンタルクリニック四谷 副院長・岸本雄先生に寄稿いただき、産業保健で起こった事例(※)に基づいた対応、そういったケースを未然に防ぐTipsを取り上げていきます。
※事例の細部は変更してご紹介しています。
目次
産業医との面談を拒否し続ける社員を前に、人事労務担当者として何ができるか?
という準備が重要であることを説明しました。それでも状況が変わらない場合、次に必要になるのがいよいよ「けじめ」になります。本稿では、これまで積み上げてきた手続きを前提に、実際に行動へ移す段階で何をすべきかを整理します。
まず行うことは、今までの手続き、事実関係をもとに「会社としての見解・方針」を明確化することです。
これらを可能な限り具体的にすることを意味します。例えば「具体的に改善してほしいこと」については以下のような例が挙がるでしょうか。
| 実際に生じている問題行動(事例性) | 会社が期待する状態 |
| 2025年3月2日〜3月15日の間に、始業時刻9:00に対し10〜20分の遅刻が計4回発生 | 2025年4月1日以降、始業時刻9:00に業務が開始できる状態が連続4週間継続すること。やむを得ない事情で遅れる場合は、8:45までに上司または人事へ連絡が入ること。 |
| 2025年3月8日の請求書処理で入力ミスが3件発生。同僚が約1時間かけて修正を実施。負荷軽減のため担当件数を3分の1に調整せざるをえなかった。 | 請求書入力業務について修正・再提出が不要な状態が「連続10営業日(2週間)」継続すること。
対象項目:請求先・金額・日付・勘定科目。 |
| 2025年3月15日~22日までの間、朝礼で名前を呼ばれても反応がなく、上司が3回声をかける場面が3回発生。3月22日には「うるさい」と発言した。 | 朝礼・業務連絡時に名前を呼ばれた際、1回目の呼びかけから5秒以内に口頭または挙手で反応すること。 |
併せて、会社の見解や方針がどのようなプロセス、理由で決定したのかも記録しておく必要があります。
【一例】
| 誰が方針決定に関与したのか | 人事労務担当者〇〇、現場の上司〇〇 |
| なぜ現状を容認できないと判断したのか | ・〇月よりプロジェクトが変わり、これまでのフォローが困難になるため
・ミスが〇回以上続いており、顧客からのクレームがこれ以上発生すると信頼問題になる ・同僚や部下がフォローした結果〇%当初の予定から遅れが生じている |
| いつまでに、
どの水準までの改善を期待しているのか |
・〇月までの間に、遅刻がない状況になってもらいたい。
・□月までには、周囲がフォローしないで済む状態になっていてほしい |
これは結果的に会社が「どこまでなら配慮可能なのか」を示す記録にもなりえます。また、複数の現場責任者が介入することで、単独人物による恣意的な判断を防ぐことにもつながると考えます。
さらに労務管理の観点から、改善が見られなかった場合の会社としての対応についても、事前に整理する必要があるでしょう。これは懲罰を目的とするものではなく、「現在の状態が続いた場合に、会社として就業継続を判断するうえで検討せざるを得なくなる対応」を示すものです。
具体的には以下のような選択肢が考えられます
| 問題行動の内容 | 会社として検討・実施されうる対応 |
| 勤怠・業務の安定性が改善しない | ・勤怠管理方法を厳格にする
・家族を巻き込んでの協力要請 |
| 業務ミスが継続し、対応が必要
周囲のフォロー前提の状態が続く |
・業務の一時的な制限
・書面による注意・指導(指導記録や日報の作成) ・人事評価が低くなる |
| 現部署での業務継続が難しい
危険物や高所作業があるのに、 注意集中力が保てない |
・就業制限の検討(残業制限、夜勤制限など)
・配置転換・担当変更の検討 |
| 業務遂行能力の改善が見られない 上記を段階的に行っても改善しない 指導後も改善が見られない |
・研修、訓練への参加指示 ・就業規則に基づく欠勤・休職の検討・発令 ・懲戒処分(戒告・けん責等)の検討 |
ただし、実際に懲戒処分を下す場合には、必ず就業規則の確認と、問題行動の程度と懲戒程度が釣り合っているか、社労士や弁護士による確認を強く推奨いたします。
会社としての見解・方針が決まり、事実関係が整理できたらいよいよ話し合いになります。その際には、会社側が時間配分と進行を設計することが重要です。
【話し合いが60分の場合のタイムスケジュール例】
なお最初の段階では、病気の可能性については踏み込みません。あくまで労務管理の観点から、今の働き方が容認できない状態であることを伝えます。同時に必ず本人の弁解や見解を聞く時間は設ける必要があります。ただし、無制限に時間を割くことはできませんので、最初に終了時間と弁解時間の目安を伝えたうえで、時間が来たタイミングで「時間が来ましたので、いったんここで終了します」と会社側から切ることが大切になります。
話し合いの中では
「会社に口出しされる筋合いはない」
「それって強制ですよね。ハラスメントですよね」
「自分はおかしくないです。会社・上司のほうがおかしいんです」
といった反発が出ることもあります。
実際にこのような言葉で迫られると、人事労務担当者としてはとても苦しいと思います。しかし、ここで重要なのは、相手を言い負かすことではありません。会社として現状を容認できないこと、そしてこの状態が続いた場合の対応を説明する場であることを淡々と伝えることが大切です。そのうえで本人に対して、いつまでに改善するつもりなのか?どのように改善するのかを確認します。
「わかりません」「僕は悪くないです」そんな風に返されることもあるでしょう。
そのような場合においても
という選択肢を示したうえで、逃がさず選んでもらうことが大切です。
話し合いが終わったら、内容を覚書として整理し、本人に確認を求めるのも有効です。目的は本人のサインを取ることではありません。会社の見解、提示した選択肢、そして本人の意見をきちんと聴取したことを記録として残すためです。本人が確認や署名を拒否した場合でも、その事実を淡々と記録します。重要なのは、会社が手続きを誠実に行ったことを後から説明できる状態にしておくことです。
「けじめをつける」とは、事実関係をもとに会社としての見解と方針を明確にすることです。
この順番を踏むことで、本人だけでなく、周囲の従業員や、仮に紛争に至った場合の第三者に対しても、会社が正当な手続きを踏んだことを示すことができます。
本資料は、企業担当者様が従業員の方に配布することを目的とした資料になります。 内容を編集してご利用いただけるよう、PowerPoint形式でご用意しております。 【資料の内容】 ・従業員の皆様へ:産業医と面談してみませんか? ・産業医面談の流れ ・よくある質問:Q1.産業医との面談内容は会社に伝わりますか? ・よくある質問:Q2.産業医と面談する意味は?面談した後はどうなるの? ・一般的な産業医への相談と事後対応例 ・産業医プロフィール
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