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休職に関する就業規則に必要な項目は?記載例や定めるメリットも解説

従業員の健康管理は生産性に直結するため、休職者には迅速かつ適切に対応する必要があります。

法律上、休職制度を就業規則に定める義務はありません。一方で、休職制度を就業規則に定めておくと、休職者が出たときにスムーズな対応が可能です。また、従業員とのトラブル防止にもつながります。

しかし、休職に関して就業規則にどんな規定を設ければよいのかと悩んでいる担当者の方も多いでしょう。本記事では、休職に関して就業規則に盛り込むべき内容や、休職制度を整備するメリットについて解説します。

休職に関して就業規則で定めるべき項目

休職制度を設ける場合、就業規則に定めるべき項目として以下の6つが挙げられます。

  • 休職を認める基準
  • 休職の期間
  • 休職中の行動
  • 休職中の手当
  • 復職の基準
  • 復職後の対応

具体的にどのような内容を盛り込むべきなのか、順番に解説していきます。

休職を認める基準

まずは、休職制度の対象となる従業員を明確にしましょう。具体的には、以下のような条件をもとに基準を定めます。

  • 雇用形態
  • 勤続年数
  • 状態(体調や出勤状況)

これらを明確に決めておくと、休職を認めるか否かの判断がつきやすくなります

休職の期間

従業員が、雇用関係を維持したまま休職できる期間を定めます。休職期間は、6ヶ月〜3年程度が一般的です。必要以上に長く設定してしまうと現場の生産性が下がる、新入社員の採用検討がしづらくなるなどの懸念があります。

また、休職期間の満了時に復帰できなかった場合に、期間の延長が可能か否かについても明記しましょう。

休職中の行動

休職期間と通常の長期休暇を混同することがないように、休職した従業員の行動について規定を設けましょう。療養に専念する、医師の診察を受けるなどの内容を明記します。

休職中の手当

休職中の手当や待遇についての規定は、後々トラブルを防ぐために非常に重要です。以下について就業規則に明記しておきましょう。

  • 給与
  • 賞与
  • 社会保険料

給与

休職中の給与については、法律に定めがなく無給としても問題ありませんまた、労働の提供がない以上は賃金も発生しない「ノーワーク・ノーペイの原則」に則り、企業が休職者に賃金を支払う義務も発生しません。

福利厚生の一環として休職者に給与を支払う場合でも、企業の判断で自由に金額を設定できます。

賞与

休職中の賞与については、給与と同様に法律の定めがないため、無給や寸志程度でも問題ありません必要であれば企業の判断で、査定期間中の最低出社日数や支給額について定められます。

社会保険料

休職中でも社会保険の被保険者であることは変わりないため、休職者は休職前と同額の社会保険料を納付する義務があります。

「休職中は無給で給与からの天引きができない」などのケースも想定されるため、直接請求など徴収方法を定めておきましょう。

復職の基準

復職可否の決定権は企業側にあるため、休職者の復職を認める基準についても定めておきましょう。

具体的には、医師の診断書の提出や企業の産業医等の診断の義務づけに関する規定です。傷病の回復が不完全なまま復職すると、本人の負担になったり業務全体に支障が出たりする可能性があるためです。

また「休職前の業務が滞りなく遂行できるまで回復している」など、復職判定の合意的な基準についても組み入れましょう

復職後の対応

休職者が復職した際にスムーズに対応できるよう、復職後の規定を明記しましょう。

休職者の復職後は、元の部署へ復帰させる「原職復帰」が原則です。そのうえで、本人の同意のもとに部署異動や職務転換ができるように規定すると、業務上異動が適切と判断された場合などに対処がしやすくなります。

また、職場復帰後のフォローアップ制度がある場合は、その活用についても規則に組み入れましょう。

メンタル疾患の休職に関する就業規則で組み込むべき項目

休職に関する就業規則には、メンタル疾患の休職に対応できる内容を組み込みましょう。具体的に組み込むべき項目には、以下の3つが挙げられます。

  • 医師の診断書提出義務
  • 休職期間と通算規定
  • 会社の指定医・産業医との面談義務

それぞれの詳細について解説します。

医師の診断書提出義務

メンタル疾患に対応した休職制度を策定するには、医師の診断書の提出が必要な旨を定めるとよいでしょう。

メンタル疾患には、検査がなく症状のみで病気と判断されるケースが多々あります。そのため、従業員がメンタル疾患を理由に休職を希望した場合、休職事由に当てはまるかどうかを本人の申し出だけで判断するのは困難です。

医師の診断書があれば、原因となる疾病や必要な療養期間が確認できるため、休職の必要性を判断するのに役立ちます。

 

休職期間と通算規定

メンタル疾患による休職者の休職期間について、就業規定に盛り込みましょう。メンタル疾患による休職の場合でも、休職期間は傷病による休職期間と同じにしているケースが多い傾向にあります。

もちろん、メンタル疾患独自の休職期間を設けることも可能です。状況によって休職期間を延長できるように就業規則に定めるなど、メンタル疾患による休職に柔軟に対応できるようにしておくのもよいでしょう。

また、休職と復職が繰り返されるのを防ぐために休職期間の通算規定も設けましょう休職期間が満了した後に1日でも復職すれば、休職期間はリセットされます。そうすると再度、休職期間上限まで休職に入ることもできてしまうからです。

同種のメンタル疾患による休職の場合は、復職前の休職期間と通算するなども明記しましょう

【関連記事】復職しても欠勤続きの従業員、どうアプローチすればいい?―産業医のメンタルヘルス事件簿vol.11

会社の指定医・産業医との面談義務

メンタル疾患での休職中に、会社の指定医または産業医と面談するよう就業規則に設けることもできます。

メンタル疾患は、同じ病名であっても人によって症状が違うため、それぞれの休職者の回復具合を考慮し、総合的な復職可否の判断が必要です。そのためには指定医・産業医と連携し、医学的な見解を得る必要があります。

しかし、従業員には指定医や産業医との面談を受ける法的な義務はないため、休職者に拒否されるケースも考えられます。そのため、会社の求めに応じて、指定医・産業医との面談を受ける必要がある旨を定めておくとよいでしょう。

休職に関する就業規則の記載例

休職制度について就業規則にどのように記載するのが適切なのか分からないときは、厚生労働省が公表している「モデル就業規則」が参考になりますモデル就業規則の第2章9条には、以下のように記載されています。

(休職)
第9条 労働者が、次のいずれかに該当するときは、所定の期間休職とする。
① 業務外の傷病による欠勤が_ヶ月を超え、なお療養を継続する必要があるため
勤務できないとき(_年以内)
② 前号のほか、特別な事情があり休職させることが適当と認められるとき(必要な期間)

2.休職期間中に休職事由が消滅したときは、原則として元の職務に復帰させる。ただし、元の職務に復帰させることが困難または不適当な場合には、他の職務に就かせることがある。

3.第1項第1号により休職し、休職期間が満了してもなお傷病が治癒せず就業が困難な場合は、休職期間の満了をもって退職とする。

【第9条 休職】

1.休職とは、業務外での疾病等主に労働者側の個人的事情により相当長期間にわたり就労を期待し得ない場合に、労働者としての身分を保有したまま一定期間就労義務を免除する特別な扱いをいいます。なお、本条第1項第2号の「特別な事情」には、公職への就任や刑事事件で起訴された場合等が当たります。

2.休職期間中に休職事由がなくなった場合は、当然に休職が解除され復職となります。

3.休職の定義、休職期間の制限、復職等については、労基法に定めはありません。

【出典】厚生労働省モデル就業規則」

モデル就業規則はあくまでも参考です。テンプレートをそのまま流用せず、自社に適した規定を作りましょう。

就業規則の対象になる休職の種類

就業規則に定める休職は、主に以下の4つに分類されます。

  • 私傷病による休職
  • 会社都合による休職
  • 起訴による休職
  • その他の休職

それぞれの内容について解説します。

私傷病による休職

私傷病による休職とは、業務外のケガや病気により長期にわたって就労ができない状態の休職です。手術や交通事故などの要因の他、メンタル疾患による休職も私傷病休職に含まれます。

会社都合による休職

会社都合による休職は、会社からの辞令などを起因とした休職で、「出向休職」や「組合専従休職」などが挙げられます。

出向休職とは、別会社への出向を命じた従業員に対して、出向元の企業に籍を残したまま休職扱いとする休職です。

組合専従休職は、労働組合の業務に従事する組合専従者を、企業との雇用契約を維持したまま休職として扱うことです。

出向休職と組合専従休職のどちらも、休職事由が存在する期間がそのまま休職期間となります。

起訴による休職

起訴による休職とは、従業員が刑事事件で起訴され、出社が不可能な場合の休職です。起訴休職は、従業員が起訴された事実により、対外的な信用が失墜したり、職場秩序が乱れたりするのを防ぐためのものです。

そのため、刑事事件の判決が出るまでを休職期間とする必要があります。

その他の休職

その他に公職就任休職や海外留学休職などもあります公職就任休職とは、公職に就いたことで、労務の提供が難しくなった従業員に対する休職です。出向休職や組合専従休職と同様に、休職事由が存在する期間をそのまま休職期間とします。

海外留学休職は、海外への留学が理由で長期間就労できない従業員を休職として扱う制度です。経済のグローバル化の進展に伴い、人材教育の一環として海外留学休職制度を設けているケースもあります。

休職制度を就業規則で定めるメリット

休職について就業規則で定めるメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • 会社のイメージアップが図れる
  • 人材の流出を防げる
  • 訴訟リスクを軽減できる

会社のイメージアップが図れる

休職制度の整備は、企業イメージを向上させるのに効果的です。休職制度を策定することで「従業員に対して雇用責任をもち、従業員を大事にしている会社」という対外的な評価を得られることが期待できるからです。

会社のイメージアップは、クライアントの獲得や売上の拡大につながる可能性があります。また、新入社員を採用する際のアピールポイントにもなります。

人材の流出を防げる

休職制度の策定は、人材の流出防止につながります。「万が一のことがあっても安心して働ける会社」と従業員が認識し、定着するからです。離職率の低い会社は、従業員の業務スキルと経験値の蓄積による生産性の向上が期待できます。

訴訟リスクを軽減できる

就業規則に休職制度の規定があると、訴訟されるリスクを抑えられます。休職制度がなく休職させずに解雇した場合、従業員に労働基準法で禁止されている解雇権の乱用だとして不当解雇で訴えられる可能性があるためです。

訴訟は企業のイメージダウンにつながるケースもあるため、会社を守るためにも休職に関する規定を就業規則に定めましょう。

【参考】e-Gov法令検索「労働基準法第16条」

企業にも休職者にも適切な就業規則を作ることが大切

休職制度については法律で規定されていないため、企業ごとに基準を設けて就業規則に定める必要があります。

休職者に対してスムーズに対応できるよう休職制度を整えることは、結果的に企業イメージの向上や人材の流出防止にもつながります。休職に関する就業規則を作り、企業と従業員の双方にとってよりよい社内環境になるよう努めましょう。

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