長野県で産業医を探す方法は？紹介サービスや選任する際に考慮すべきポイントを解説

長野県は、製造業や小売業・卸売業が盛んな地域です。一方で、労災（労働災害）の多発や外国人労働者の増加による労災発生の懸念など、産業保健上の課題も抱えています。
従業員の健康を守るためには、長野県の健康課題を把握したうえで、産業医を選任し労災対策を実施することが重要です。
本記事では、長野県で産業医を探す方法や紹介サービス、選任する際に考慮すべきポイントを解説します。

長野県の産業医数と事業所数

日本医師会の資料によると、2019年時点において 長野県で活動している産業医数は約690人 です。産業医の選任義務がある従業員50人以上の事業所は、約2,600件です。
産業医一人あたりが担当する事業所数は3.7件であり、全国平均の5.1件を下回っています。これらの数値を踏まえると、長野県は産業医が比較的探しやすい地域だといえます。
ただし、自社のニーズに適した産業医がすぐに見つかるとは限らないので、早めに探し始めるとよいでしょう。
【参考】 日本医師会「都道府県別 産業医活動における実態調査分析」
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長野県で産業医が求められる背景

長野県で産業医が求められる背景には、以下が挙げられます。
・製造業では労災が多発している
・小売業では転倒による労災が多く発生している
・外国人の労働者数が増加傾向にある
それぞれの背景について解説します。

製造業では労災が多発している

長野県で従業員数が最も多い産業は製造業です（2021年時点）。長野労働局の資料によると、2023年において長野県の製造業では、労災が多発しています。休業4日以上の死傷災害は527件発生しており、全体の23.3％を占めています。
転倒やはさまれ・巻き込まれによる事故が多いため、作業環境に危険箇所がないかを確認し対策を講じることが欠かせません。そのためには、 職場巡視や安全衛生対策に積極的な産業医が求められます 。
【参考】
統計ステーションながの 「令和3年経済センサス‐活動調査　産業横断的集計結果報告書」
長野労働局 「労働災害の現状と課題 令和6年版」

【関連記事】
【社労士監修】労災とは？人事労務担当者が知っておくべき基礎知識と対応方法

小売業では転倒による労災が多く発生している

長野県で事業所数が最も多い産業は卸売業・小売業です（2021年時点）。
長野労働局のデータによると、2023年において長野県の小売業では、転倒による労災が多く発生しています。とくに、加齢により運動機能が低下しやすい50代から60代の労働者による転倒事故が多い傾向です。
そのため、 中高年労働者の運動機能を考慮した転倒防止対策に協力的な産業医が求められます 。
【参考】
統計ステーションながの 「令和3年経済センサス‐活動調査　産業横断的集計結果報告書」
長野労働局 「労働災害の現状と課題 令和6年版」

外国人労働者数が増加傾向にある

長野県では外国人労働者数が増加傾向にあり、外国人労働者による労災の発生が懸念されます。長野労働局の調査によると、2015年から2024年にかけて約15,000人増えています。
2024年の外国人労働者数は27,834人で、事業主に外国人雇用状況の届け出が義務化されて以降、最も多い人数です。
（出典：長野労働局 「長野県における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（令和6年10月末時点）」 ）
外国人労働者の約4割が製造業に従事しています。製造業は労災が多発していることから、 外国人労働者に配慮した労災対策に協力的な産業医が求められます 。
【参考】
長野労働局 「長野県における「外国人雇用状況」の届出状況まとめ（令和6年10月末時点）」

長野県で産業医を選任する際に考慮すべきポイント

長野県で産業医を選任する際には、以下の点を考慮しましょう。
・職場巡視による作業環境の改善に積極的か
・外国人労働者とのコミュニケーションに前向きか
それぞれの内容について解説します。

職場巡視による作業環境の改善に積極的か

産業医を選任する際には、作業環境の改善に積極的であるかを考慮しましょう。長野県では転倒による労災が多く発生しているからです。
転倒を防止するには、作業環境に滑りやすい箇所や障害物などがないかの確認が必要です。そのため、 職場巡視による労災対策に協力的な産業医 がいると心強いでしょう。
【参考】
長野労働局 「労働災害の現状と課題 令和6年版」
【関連記事】
産業医の職場巡視は義務？2ヶ月に1回でも良い？目的やチェック項目も解説

外国人労働者とのコミュニケーションに前向きか

外国人労働者とのコミュニケーションに前向きであるかも、産業医の選任時に確認しましょう。長野県では外国人労働者が増加傾向にあるためです。
「やさしい日本語」を使った説明や、視覚的に理解できるイラストの活用などによる労災対策に協力的な産業医を選任する とよいでしょう。

長野県での産業医の探し方

長野県で産業医を探す方法には、以下などが挙げられます。
・産業医紹介会社で探す（エムスリーキャリア）
・地区医師会で探す
・長野県の地域産業保健センターに相談する
それぞれの探し方について解説します。
【関連記事】
〈2025年版〉産業医を探す主な5つの方法まとめ

産業医紹介会社で探す（エムスリーキャリア）

産業医紹介会社を利用すれば、自社の課題解決に適した産業医を紹介してもらえます。また、産業医との契約やスケジュール調整の代行も依頼できるため、産業医との契約にかかわる手間を減らせます。
長野県で産業医紹介会社を利用するならば、エムスリーキャリアがおすすめです。親会社のエムスリーが運営する 医療従事者専門サイト「m3.com」に登録されている医師会員のデータベースを活用して、ニーズに合った産業医を探してくれます 。
m3.comには日本の医師9割が会員登録しているため、自社に適した産業医を見つけやすいでしょう。嘱託産業医の場合は、業界最安値水準の月額3万円から依頼可能です。
産業医選任・紹介については、問い合わせフォーム から相談できます。

地区医師会で探す

地域医師会に相談すると、産業医を紹介してもらえる可能性があります。 地域医師会からの産業医の紹介は無料 です。
ただし、産業医との契約やスケジュール調整などには対応していないため、自社で行う必要があります。長野県の地区医師会の問い合わせ先は、長野県医師会のサイトから確認できます。

長野県の地域産業保健センターに相談する

産業医の選任義務がない小規模事業場の場合は、地域産業保健センターを利用するとよいでしょう。
地域産業保健センターとは、 従業員50人未満の小規模事業場の事業主や従業員を対象に、産業保健サービスを提供している機関 です。以下のような産業保健サービスを無料で受けられます。
・従業員の健康管理に関する相談
・従業員の健康診断結果について医師から意見聴取
・長時間労働者に対する面接指導
・ストレスチェックの高ストレス者に対する面接指導
産業医に相談したいことが発生した際には、地域産業保健センターを積極的に活用しましょう。
長野県内には地域産業保健センターが9箇所あります。各センターの連絡先は、長野産業保健総合支援センターのサイトから確認できます。
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さんぽセンター（産業保健総合支援センター）とは？ 役割や地さんぽとの違いを解説

長野県の健康経営に対するインセンティブ

近年、経済産業省や厚生労働省が健康経営を推進していることもあり、健康経営に取り組む企業にインセンティブを提供する自治体が増えています。
産業医を選任する際は、 インセンティブを利用した健康経営の実施も検討するとよい でしょう。長野県で受けられる健康経営に対するインセンティブの一部を紹介します。

信州ACE（エース）プロジェクト

提供元団体：長野県
制度の概要：
・ウォーキング大会などのグランプリを開催し、参加した企業の成果を表彰する制度
・賞を受賞すると「健康ACE企業」として認定され表彰後1年間、健康づくりに取り組む事業所としてPRしてもらえる

中小企業振興資金（しあわせ信州創造枠）

提供元団体：長野県
制度の概要：
・長野県の施策に合致した取り組みを実施している中小企業への貸付利率を優遇する制度
・「健康経営優良法人認定制度」や「消防団協力事業所表示制度」などに認定されている中小企業は、融資を受ける際に貸付利率が0.2％に引き下げられる
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長野県の健康課題を踏まえて産業医を選任しよう

長野県では転倒による労災が多発しており、職場巡視による作業環境の改善に積極的な産業医が求められます。
また、外国人労働者数が増加傾向にあるため、外国人労働者とのコミュニケーションに前向きな産業医がいると心強いといえます。
長野県で産業医を探す際には、産業医紹介会社を活用するのがおすすめです。自社の課題解決に合った産業医を探してもらえます。
長野県の健康課題を踏まえて、自社に適した産業医を選任しましょう。

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