愛知県で利用できる産業医紹介サービスは?選任が必要とされる背景も解説

自社のニーズに適した産業医をどのように選べばよいのか悩んでいる人事労務担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、愛知県名古屋市の産業構造や働き方事情を踏まえて、産業医を選任する際のポイントや産業医を探す方法について解説します。
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愛知県の産業医数と事業場数
2020年に日本医師会が公開した資料によると、愛知県で活動する産業医の数は、約1800名です。これは全国約3,200名の約6%にあたり、全国3位の規模となります。また、50人以上の事業所数は全国3番目の約10,600件で、産業医一人あたりの事業所数は、全国平均5.1社を上回る5.9社です。そのため、選任義務が発生してからの14日以内では、自社に合った産業医を探しきれない可能性があります。
産業医を選任できない場合は罰則を科される場合もあるため、従業員が50名以上になる前から探し始めるとよいでしょう。
しかし、産業医には専門・得意分野があるため、自社に合う産業医を探すためには、どの分野に強い産業医が必要かを見極めなければなりません。
産業医の専門・得意分野には、以下の例が考えられます。
・精神科出身でメンタルヘルス対応が得意
・有害業務の伴う工場での経験が豊富
・女性の健康問題の対応が得意
・健康経営の取り組みに強い
【参考】
日本医師会「都道府県別 産業医活動における実態調査分析」
【関連記事】
産業医の選任義務や罰則に関わる記事
愛知県の産業構造の特徴から見る産業医の重要性
愛知県の産業構造には、以下の特徴があります。・製造業では死亡事故を含む労働災害が多い
・卸売業・小売業は転倒などの労働災害が多い
それぞれの内容を踏まえて産業医の重要性を解説します。
製造業では死亡事故を含む労働災害が多い
労働災害が発生しやすい製造業では、産業医による職場巡視が重要です。2023年時点、愛知県で最も従業員数が多い産業は製造業で、全産業の従業員数の23.8%を占めています。
製造業の労働災害は、他の産業と比べて多い傾向にあります。2023年の労働災害での死傷者数は全産業で135,371人、そのうち製造業の死傷者数は約21%です。
また、死亡者数は全産業で755人であり、建設業の約30%に次いで、製造業は約18%を占めます。

従業員の安全を守るためには、産業医による定期的な職場巡視、および巡視の結果を踏まえた職場環境の改善を行うことが大切です。
卸売業・小売業は転倒などの労働災害が多い
卸売業・小売業の労働災害では、転倒が多く見られます。とくに転倒を起こしやすいのは50歳以上の女性で、加齢による筋肉の衰えや骨量の減少により発生しやすい傾向にあります。また、「動作の反動・無理な動作」が原因による労働災害も起きています。
こうした労働災害を中心に防ぐためには、産業医による職場巡視で危険箇所をチェックしたり、産業医に相談して転倒防止のための社内周知等を実施するとよいでしょう。
【参考】
厚生労働省「令和5年労働災害発生状況の分析等」
中央労働災害防止協会「多様な労働者向けわかりやすい図示化の手引き」
産業医が重要視される愛知県の働き方事情
愛知県の働き方事情では、以下の傾向が見られます。・外国人労働者数が多い
・長時間労働の傾向が見られる
それぞれの観点から、産業医が重視される理由を解説します。
外国人労働者数が多い
外国人労働者数の割合は、東京都(28.8%)の次に愛知県が多く、10.2%を占めています。そのため、言語や文化が違っていても、安全衛生教育を実施できる産業医を選任すると心強いでしょう。外国人労働者は製造業に従事している割合が多く、外国人労働者全体の4分の1を占めています。製造業は死亡を伴う労働災害にも発展する可能性が高い産業であるため、外国人向けの対策も検討しなければなりません。
また、外国人特有のメンタルヘルス不調は、日本の文化や習慣になじめないことが要因となっている場合も見受けられます。ホームシックに陥り、孤独感などで気分が沈むことがあるため、メンタルヘルスケアが必要です。
【参考】
厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ【本文】」
労働者健康安全機構「外国人労働者に対応する産業保健」
長時間労働の傾向
愛知県では全国平均より労働時間が長い傾向にあります。そのため、長時間労働により心身の不調に陥らないよう労働者を守る必要があります。一部の職種を除き、時間外と休日の労働時間が月80時間を超え、従業員から申し出があった場合は、産業医による面接指導を実施しなければなりません。
長時間労働と脳・心臓疾患の発症は関連性が強いと報告されています。そのため、産業医による面接指導を実施し、長時間労働に陥る状況について措置を講じることが望ましいといえます。
【参考】
厚生労働省「働き方改革とは?」
厚生労働省「長時間労働者への医師による面接指導制度について」
愛知県で産業医を選任する際のポイント
愛知県で産業医を選任する際のポイントには、以下の2つが挙げられます。・職場巡視の経験が豊富な産業医を選ぶ
・意見交換がしやすい産業医を選ぶ
それぞれの内容を解説します。
職場巡視の経験が豊富な産業医を選ぶ
現場仕事の多い製造業や小売業などが盛んな愛知県では、職場巡視の経験が豊富な産業医を選ぶことが大切です。たとえば、重量物の運搬方法に問題がないかや、危険物の保管状況が適切かなどを判断できる産業医が望ましいでしょう。労働安全衛生規則には、産業医は原則として月1回以上の職場巡視をしなければならないと定められています。しかし、もしも実現が難しい場合は、以下の条件を満たせば、2ヶ月に1回の職場巡視も可能です。
・事業者から産業医へ所定の情報を提出する
・事業者の同意を得ている
「所定の情報」には、衛生管理者が週1回実施する職場巡視の結果が含まれます。衛生管理者の報告を元に改善内容を判断できる産業医がいれば心強いでしょう。
【参考】
e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」
意見交換がしやすい産業医を選ぶ
愛知県に限った話ではありませんが、意見交換しやすい産業医を選任しましょう。たとえば、長時間労働者への面談の結果を踏まえ、産業医が事業者へ当該従業員の労働時間を減らすよう提案した場合でも、人員不足などで早急な措置が難しい場合もあります。そのような場合、事業者は産業医と意見交換をしながら、当該従業員に対する措置の実施時期を検討しなければなりません。
そのため、コミュニケーションがとりやすい産業医が望ましいといえます。
愛知県での産業医の探し方
愛知県で産業医を探す方法には、主に3つが挙げられます。・産業医紹介会社で探す(エムスリーキャリア)
・地区医師会で探す
・愛知県の地域産業保健センター(地さんぽ)で産業医を探す
それぞれの探し方について解説します。
【関連記事】
〈2024年版〉産業医を探す主な5つの方法まとめ
産業医紹介会社で探す(エムスリーキャリア)
愛知県で産業医紹介会社に依頼するのであれば、エムスリーキャリアがおすすめです。嘱託産業医であれば、月額3万円から依頼できます。親会社のエムスリーは東証プライム上場企業であり、運営している医療従事者向けサイト「m3.com」には医師の約9割が会員登録しています。
このような会員基盤があるため、愛知県名古屋市などに事業所を構える企業への産業医の紹介実績が豊富です。
また、紹介だけでなく、各企業の状況を踏まえた提案や、産業医との調整代行を行います。
産業医の選任・紹介については問い合わせフォームから相談が可能です。
地区医師会で探す
愛知県で産業医を探すには、地区医師会を利用するのも一つです。事業所のある地区の医師会に連絡し、産業医を探している旨を伝えましょう。医師会に依頼して産業医を探す場合、料金はかかりません。しかし、どのような産業医が自社に適しているのかアドバイスを受けたり、職務内容や報酬などの交渉を頼んだりすることはできないなどのデメリットもあります。
また、複数の事業所がいくつかの地区に点在している場合は、それぞれの地区で産業医を探さなければならない可能性があります。
【参考】
公益社団法人 愛知県医師会「県下医師会」
愛知県の地域産業保健センターで産業医を探す
従業員が50人未満の事業場に限りますが、愛知県の地域産業保健センター(地さんぽ)を活用すると産業保健サービスを無料で受けられます。従業員数が50人未満の事業場は、産業医の選任義務はありません。しかし、産業医への相談や対応依頼が必要になる場合も考えられます。その際は、愛知県の地域産業保健センターを利用するのもよいでしょう。
愛知県の地域産業保健センターは14箇所あり、以下のサイトに所在地や連絡先が記載されています。
【参考】
独立行政法人 労働者健康安全機構 愛知産業保健総合支援センター「地域産業保健センター(地域窓口)」
【関連記事】
地域産業保健センター(地さんぽ)とは?役割や利用時の注意点を解説
愛知県における産業医の報酬相場
産業医への報酬相場は、地域によって異なります。愛知県医師会では、嘱託産業医の.基本月額報酬の目安を以下のように提示しています。
また、ストレスチェック対応時は、上記とは別に報酬を支払う必要があります。

専属産業医の報酬相場については、以下の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてください。
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産業医の費用に関する記事
愛知県の健康経営に対するインセンティブ
近年、経済産業省や厚生労働省では健康経営を積極的に推進しています。政府の推進を受けて、自治体・金融機関でも健康経営に取り組む企業に対してインセンティブが提供されるようになりました。産業医の選任に加え、健康経営への取り組みも検討するとよいでしょう。名古屋市で受けられるインセンティブには、以下のような種類があります。
愛知県融資制度<経済環境適応資金>パワーアップ資金
提供元団体:愛知県庁分類:融資優遇
なごや健康宣言優良事業所表彰
提供元団体:名古屋市役所分類:顕彰制度
事業所向け及び事業所の従業員向けのローン金利を優遇
提供元団体:愛知信用金庫分類:融資優遇
あいち健康宣言応援保証
提供元団体:愛知県信用保証協会分類:融資優遇
あいぎんSDGs・ESG応援ローン「健康経営応援プラン」
提供元団体:愛知銀行分類:融資優遇
めいぎん人財活躍サポートローン
提供元団体:名古屋銀行分類:融資優遇
(出典:健康経営優良法人認定事務局「地域の取り組み」)
応募資格や応募方法などについては、提供元団体にお問い合わせください。
自社に合った産業医を探し従業員の心身の健康を維持しよう
愛知県では、製造業や卸売業、小売業へ従事する労働者の割合が多いと報告されています。そのため、該当の産業の職場巡視で注意すべきポイントを理解している産業医や、事業者と積極的にコミュニケーションが取れる産業医を選任するとよいでしょう。また、愛知県では長時間労働が多い傾向にあるため、産業医による面談を実施する必要があります。長時間労働者の心身の状況に応じて適切な措置を提案できる産業医を選任することも重要です。
産業医紹介会社などを通じて自社の環境に合った産業医を選任し、従業員が心身ともに健康を維持できる環境を整えましょう。
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