産業医交代を機に、“ホテルの時間軸”に合わせた産業保健体制へ変化

迅速な対応に好感「信頼できると思った」

エムスリーキャリアの「産業医顧問サービス」導入の経緯について教えてください。

エムスリーキャリアのサービスを利用する前は、近くのクリニックに産業医対応を依頼していました。ところが、先生がご高齢のためクリニックの閉院が決まり、新たに産業医を探す必要が出てきたんです。産業医交代までに残された時間は約3カ月。その間に産業医を探して、契約を結んで――となると、意外と時間がありませんでした。そういう状況でしたので、複数の産業医紹介会社からお話を伺う中で、どんな問い合わせにも迅速に対応してくれたエムスリーキャリアに好感を持ちました。今後お付き合いしていくうえでも、信頼できる要素だと思ったんです。その迅速な対応が決め手となって、産業医顧問サービスを導入することにしました。

当ホテルは、宿泊、レストラン、宴会というように、多岐にわたるサービスを提供しています。以前の産業医はクリニックの空き時間に対応してくださっていたのですが、 “ホテルの時間軸”と合わないことが多くて――。例えば、宿泊部門はチェックアウトの11時前後、チェックイン開始後の夕方がピークです。レストラン部門は仕込みをする朝からランチタイムが終わる時間帯が一番忙しい。お客様対応が最優先ですので、14～17時頃でないと時間が取れない従業員が多いのです。そのため、産業医と従業員の時間が合わず、産業医面談が必要なのに実施できていない状況が続いていました。
エムスリーキャリアに産業医を探してもらう際に、「産業医交代に間に合うことが最優先事項だけれども、可能であれば時間の融通が利く方だとうれしい」とリクエストして見つけてもらったのが、現在の産業医です。医療機関で勤務をしておらず、産業医業務がメインの働き方をされているので、時間の融通が利く先生です。また、プライベートで当ホテルを何度も利用してくださったことがあり、従業員の労働環境をよく理解してくださっているので、大変頼もしいと感じています。

面談対象者は増えたが、面談未実施の従業員は減った

産業医交代後、何か変化はありましたか。

はい、多方面で変化がありました。

ホテル業はサービスの特性上、特に繁忙期は長時間労働が慢性化しがちです。加えて、コロナ禍以降は人員が減ってしまい、従業員の負荷が強い状況が続いています。そのため、以前よりも長時間労働者と産業医面談対象者が増えてしまいましたが、面談未実施の従業員は少なくなりました。産業医の融通が利くことはもちろん、オンライン対応が可能になったため、面談の日程調整がしやすくなったことに尽きます。面談で産業医と会う頻度が増えた従業員からは、産業医と信頼関係を構築できているという声もあがっています。
ただ、産業医面談を実施すればそれでいいというわけではありません。大切なのは、面談結果を踏まえて従業員をケアしたり、労働環境を改善したりすること。かつては面談自体を実施できていないことが多かったので、労務管理がずさんだったと反省しています。それに気付くことができたのは、産業医やエムスリーキャリアの担当者とやりとりする中で、私たち管理側の意識が変化したからだと思います。

あとは、「産業医にこんなことを聞いていいのだろうか」と思い悩むことがなくなりました。今までは、私と産業医が直接やり取りをしていましたが、現在は産業医と私の間にエムスリーキャリアの担当者が入ってくれています。個人的には、産業医にちょっとした相談をしたいと思っていても、「忙しい産業医にこんなことを聞いたら、煩わせてしまうのではないか」と思い留まり、なかなか聞けませんでした。でも今は、何かあればまずはエムスリーキャリアに相談できます。産業医訪問日前に素朴な疑問が解決できるようになったので、訪問の時間をより有効に使えていますね。

今後、取り組んでいきたいことについて教えてください。

ホテル業と長時間労働は切っても切り離せないので、少しでも長時間労働を削減できるよう、引き続き労務管理をしっかりやっていきたいですね。現在は主に面談業務と健康診断結果の確認をお願いしているのですが、それで時間を使いきってしまいます。面談対象者のケアなど、他にも対応をお願いしたいことがあるので相談・交渉できればと思います。本当に良い産業医を紹介してもらえたので、今後もうまく付き合っていきたいと考えています。

また、人事部として産業保健情報の発信力が足りていないので、産業医に協力してもらいながら情報発信力を強めていきたいですね。私を含めて、従業員がうまく産業医を活用することで、働きやすい環境を作っていきたいと思います。