大阪府で産業医を探す方法とは?紹介サービスや選任する際のポイントを解説
日本の主要都市の一つである大阪は、小売業や製造業をはじめさまざまな産業が盛んであることから、多くの産業医が活動しています。産業医は、これまでにかかわってきた業種や経験などによって強みが異なります。そのため、自社の抱える課題に対して強みをもつ産業医を選ぶことが重要です。
本記事では、大阪府で産業医を探す方法や、産業医を選任する際のポイントなどを解説します。
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大阪府の産業医数と事業場数
大阪府で活動する産業医の数は約2,400名であることが、2020年に日本医師会が公開した資料で分かっています。これは全国約32,000名の約8%にあたり、全国2位の規模となります。また、50人以上の事業所数も全国2番目で、約13,000件。産業医一人あたりの事業所数は、全国平均5.1社を上回る5.4社です。そのため、選任義務が発生してからの14日以内では、自社に合った産業医を探しきれない可能性があります。
産業医を選任できない場合は罰則を科される場合もあるため、従業員が50名以上になる前から探し始めるとよいでしょう。
【参考】
日本医師会「都道府県別 産業医活動における実態調査分析」
大阪府の産業構造を踏まえ産業医が求められる背景
大阪府の主要産業に焦点をあて、産業医が求められる背景について解説します。小売業は市場拡大による人材不足、労働環境の悪化が予想されている
小売業では、インバウンドの影響による市場拡大に伴い、人材不足および労働環境の悪化が予想されています。大阪観光局の調査によると、2023年の来阪外国人における消費額は過去最高の9,210億円を記録し、インバウンド需要が高まっています。
また、ショッピングを目的とするインバウンド客も多く、実際に来阪した外国人の72%が買い物をしたというデータもあり、小売業が拡大する可能性が高い状況です。
その一方、小売業では以前より慢性的な人材不足が続いており、市場が拡大することで、さらなる人材不足の発生が懸念されています。
人材不足によって生じる業務負担や長時間労働の増加などのストレスから従業員を守るため、メンタルヘルスに強みをもつ産業医が求められます。
【参考】
大阪観光局「2023年度来阪外国人旅行者数に関する推移(推計)」
大阪観光局「訪日外国人旅行者の動向把握にむけた関西空港出口調査」
宿泊業はインバウンド需要の高まりによる労働環境の悪化が懸念される
宿泊業では、インバウンド需要の高まりによる労働環境の悪化が懸念されています。環境庁の資料によると、大阪府の2023年における外国人延べ宿泊者数は、約1,875万人(前年比780.7%増)となっており増加傾向にあります。大阪府では、現在ホテルの開業が相次いでおり、人材の供給が追いついていない状況です。そのため、大阪府の宿泊業は深刻な人材不足に陥っており、従業員一人あたりの業務負担が高まっています。
インバウンド需要の高まりにより、業務増加による身体的負担だけでなく、精神的なストレスの増加も懸念されます。
近年、宿泊業におけるカスタマーハラスメント(顧客からの理不尽な要求・クレーム)が増加しており、顧客対応でストレスを抱える従業員が増えているためです。
以上のことから、宿泊業における労働環境の悪化が予想されており、職場環境改善やメンタルヘルスに強い産業医を求められます。
【参考】環境庁「宿泊旅行統計調査(2023年・年間値)」
【関連記事】カスハラが労災認定基準に追加!事例や企業が取り組むべき対応を解説
製造業では労災による死傷者数が増加傾向にある
大阪府では、製造業の労災が増加傾向にあります。そのため、製造業における作業改善の経験・知識をもつ産業医が求められます。大阪府の製造業における、直近5年間の労災の死傷者数は以下のとおりです。
年度 製造業における労災による死傷者数(新型コロナウイルス感染症による死傷災害を除く) 2019年 1,779名 2020年 1,591名 2021年 1,704名 2022年 1,667名 2023年 1,755名
製造業における労災の死傷者数は、コロナ禍を境に一度少なくなったものの、現在は増加しつつあります。
大阪府では、万博やIRなど大きな事業も控えており、製造業も影響を受けると考えられます。現在はもちろん、今後に備える意味でも労働環境の改善をサポートできる産業医の需要は高いといえるでしょう。
【参考】
大阪労働局「令和5年(2023年)死傷災害発生状況(大阪局)」
大阪労働局「令和3年(2021年)死傷災害発生状況(大阪局)」
大阪労働局「令和元年(2019年)死傷災害発生状況(大阪局)」
産業医の選任により期待できるメリット
産業医の選任により期待できる主なメリットには、以下の3つが挙げられます。
それぞれの内容について解説します。
健康の維持・増進による生産性の向上
産業医の選任により、従業員の健康維持・増進による生産性の向上が見込める点がメリットです。産業医は、健康リスクを抱える従業員に対して生活改善指導などを行うため、従業員の健康維持・増進が期待できます。従業員が健康を維持して働ければ、パフォーマンスを発揮しやすくなるため、業務効率が上がり、生産性が向上が期待できます。
従業員満足度の向上による離職率の低下
産業医を選任することで従業員満足度が向上しやすくなるため、離職防止につながります。産業医の選任により、従業員のストレスや悩みの要因となる職場環境などに対し、医学的な知識にもとづいて適切な対策が講じられるようになるからです。従業員の離職率が低下すれば、優秀な人材の流出を防げます。
健康経営による企業イメージの向上
産業医の専門的な知識をもとに従業員の健康を維持・増進に努めていることをアピールすれば、企業イメージの向上につながります。従業員を大切にしている企業だと認識してもらいやすくなるからです。企業イメージの向上は、求職者の増加やステークホルダーからの評価が得られるなど、企業にとってさまざまな良い影響をもたらします。
【関連記事】健康経営が人材採用にもたらす効果は?具体的な取り組みや事例も紹介
大阪府で産業医を選任する際のポイント
大阪府で産業医を選任する際は、以下の点を考慮しましょう。
それぞれの内容について解説します。
自社の課題に対応できる産業医を探す
産業医を選任する際は、自社が抱える課題に対応できる産業を探すことが重要です。産業医は、以下のようにそれぞれの専門・得意分野をもっているからです。<産業医の専門・得意分野の例>
産業医と契約する前に面談などを行い、自社の抱える課題の解決に適した人材かを見極めましょう。
女性特有の健康課題に強い産業医を探す
大阪府においては、女性特有の健康課題に強い産業医を探すのも推奨されます。大阪府は、女性の就業率が全都道府県中45位と低く、女性の就業を促すためのさまざまな取り組みを行っています。働いていない女性の中には、働く意欲があっても女性特有の健康問題を抱えているため働けない、という方も一定数存在します。
そのため、女性特有の健康課題に強い産業医を選任し、女性が働きやすい環境を整えれば、女性の就業率向上につながるでしょう。
【参考】内閣府男女共同参画局「OSAKA女性活躍推進事業【大阪】」
大阪府で産業医を探す方法
大阪府で産業医を探す主な方法には、以下の2つが挙げられます。
それぞれの内容について詳しく解説します。
【関連記事】〈2024年版〉産業医を探す主な5つの方法まとめ
産業医紹介会社で探す(エムスリーキャリア)
大阪府で産業医紹介会社を探している場合は、エムスリーキャリアがおすすめです。その理由は、産業医の紹介会社では最安値の水準で、嘱託産業医であれば初期費用無料、かつ月額3万円から利用できるためです。
また、サービスの信頼性も高く、2024年現在において5,700件以上の導入実績があります。親会社のエムスリーは東証プライム上場企業で、運営している医療従事者向けサイト「m3.com」には医師の約9割が会員登録しています。
こうした会員基盤があり、大阪府での紹介実績が豊富です。大阪府大阪市(天王寺区、中央区、北区など)、堺市、和泉市などの企業に産業医を紹介しています。
また、単なる紹介だけでなく、各企業の状況をふまえた提案や産業医との調整代行を行い、サポート体制も整っています。
産業医の選任・紹介については、問い合わせフォームから相談が可能です。
大阪府の地域産業保健センターで探す
従業員50人未満の事業場に限りますが、大阪府の地域産業保健センター(地さんぽ)を活用することで産業保健サービスを無料で受けられます。従業員数50人未満の事業場は、産業医を選任する義務はありません。しかし、産業医の選任義務がなくとも、産業医に突発的な相談・対応を依頼する必要性が生じる場合もあるでしょう。そのようなときに、問い合わせてみることをおすすめします。
大阪府の地域産業保健センターは、北大阪地域、大阪中央地域、堺地域、岸和田地域、淀川地域、茨木地域、羽曳野地域など、大阪府内に13箇所あります。
【参考】独立行政法人 労働者健康安全機構 大阪府産業保健総合支援センター「地域産業保健センター」
【関連記事】地域産業保健センター(地さんぽ)とは?役割や利用時の注意点を解説
産業医を選任する際は大阪府特有の問題も考慮しよう
大阪府は、インバウンドの需要が増加傾向にあり、小売業や宿泊業は人手不足による労働環境の悪化が懸念されます。そのため、職場環境改善やメンタルヘルス対策に強い産業医が求められています。
なお、大阪府医師会では産業医の紹介をしていません。そのため、大阪府で産業医を探す際は、産業医紹介会社の利用がおすすめです。
産業医紹介会社であれば、自社が抱える課題の解決に適した産業医の紹介はもちろんのこと、契約にかかわる調整なども代行してくれます。大阪府特有の問題も考慮した上で産業医を選びましょう。
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